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3914 JIG-SAW

東証G
3,675円
前日比
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業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
8.46
時価総額 248億円

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躍動する「AI関連」、株価変貌ステージが待つ「次の6銘柄」 <株探トップ特集>


―マーケットに衝撃を与えた「GPT-4」、AI急成長フェーズ突入で飛び立つ銘柄は―

 東京株式市場は強弱観対立のなか方向感の見えにくい展開で、日経平均株価は2万7000円台でのもみ合いが続いている。相次ぐ米銀の破綻に加え、欧州でもクレディ・スイス<CS>の経営不安が取り沙汰され救済合併が決まるなど、金融システムに対する不安心理は拭えない状況にある。

 しかし、そうしたなかも投資資金はしたたかであり、個別株の物色意欲に陰りはみられない。マクロは難局でもミクロはそれとは別次元、成長に向けたダイナミズムをみなぎらせる個別株はむしろ輝きを増している。

●AI関連に押し寄せる怒涛のマネー

 米長期金利の急低下を背景に米国株市場では再びグロース(成長)株優位の構図が浮かび上がり、半導体関連などに資金が集まっている。そして、グロース株への資金回帰の過程で、もう一つの大きな潮流が発生した。それは人工知能(AI)関連への投資資金流入が鮮明化していることだ。ここ最近は東京市場でも米国同様に、AI関連 に位置付けられる銘柄が激しく上値を追う光景が頻繁に見られる状況となっている。

 AIはあらゆる産業分野でその存在感を高めている。表向きには目立たなくとも静かに水のように浸透し、業界を問わず技術革新の原動力となってきた。次世代成長産業と目される自動運転やドローン、更に金融(フィンテック)、医療(ヘルスケア)、そしてメタバース 分野などで横串を通すように潜在し付加価値を生み出す源泉となっている。

 2012年に登場したディープラーニングがAIの飛躍的な進歩をもたらし、チェスはもとより囲碁や将棋などの完全情報ゲームでは、トップレベルの人間を光速で抜き去り、はるか後方へと追いやった。「AIが人類の叡智の総和を超える」と定義されたシンギュラリティは45年に訪れるとされていたが、それもかなり前倒しで到達する公算大だ。そしてAIの進化スピードは、昨年あたりから一気に加速してきた印象が強い。それは演算能力にスポットが当てられた進化ではなく、独自性を基盤としたクリエイティブなアウトプットを生み出す「生成AI」の存在が大きい。

●大旋風を巻き起こしたチャットGPT

 その象徴となったのが米ベンチャーのオープンAIが開発した対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」である。オープンAIは今から約8年前の15年に設立された新興企業だが、言語分野のAI「GPT」を開発し昨年11月にチャットGPTを一般公開、漸次上位モデルを市場投入してきた。今年に入ってから同社に対しITの巨人である米マイクロソフト<MSFT>が巨額の追加投資を行う計画を発表し、世界的に脚光を浴びた経緯がある。もはやマイクロソフトの成長シナリオはオープンAIの技術なくして描けないといっても過言ではない状況にある。

 そうしたなか、直近投入された4代目にあたる「GPT-4」はそのレベルの高さが世界中の耳目を驚かせることになった。同モデルは専門的・学術的分野においては既に人間と比較しても遜色のないレベルに達しており、米国の司法試験の模擬で受験者の上位10%の水準に入ったという結果が報告されている。GPT-4の一つ前のモデルが受験者の下位10%程度のレベルであったというから、この先はどうなるのか、その進化のスピードは驚きを通り越して脅威すら感じさせる。このほか、生成AIでは画像生成AIも注目されている。これはテキストを入力するだけで画像を作成できるもので、「敵対的生成ネットワーク」の登場により極めて精度の高い描画が可能となっている。

 この生成AIは半導体業界にとっても強力な需要を創出するとみられている。米国株市場では半導体 関連銘柄が相次いで反騰色を強めているが、そのなか画像処理半導体大手エヌビディア<NVDA>の戻り足が鮮烈を極めている。これは生成AI用の半導体需要が喚起されることで同社の業績拡大を後押しするとの思惑が働いているためだ。

●東京市場でも人気化する銘柄が相次ぐ

 東京市場でもここにきてAI関連株への物色人気が急速に高まりつつある。チャットGPTをテーマ買いの材料とした銘柄が先駆したが、そのなかインフォネット <4444> [東証G]が仕手化を想起させる形であっという間に株価を2.5倍化させたほか、note <5243> [東証G]やユーザーローカル <3984> [東証P]、ポート <7047> [東証G]といった銘柄も軒並み値を飛ばしている。

 これ以外にAI関連に位置付けられる銘柄では、ヘッドウォータース <4011> [東証G]、セキュア <4264> [東証G]、JIG-SAW <3914> [東証G]なども高パフォーマンスでマーケットの視線を集めている。また、HEROZ <4382> [東証P]は今週に入り調整局面入りとなったものの、2月下旬から3月中旬にかけて陽線の連打で株価水準を大きく切り上げ投資家の関心を呼び起こした。そして直近では、ビッグデータやAI技術を活用したソリューションを手掛けるTDSE <7046> [東証G]が強烈な上昇トレンドを形成、週末24日はストップ高に買われる人気となっている。東京市場ではこれらに続こうとする銘柄が、列をなしているような状況と考えてよさそうだ。

 AI関連株は物色対象となる銘柄の裾野が広く、それだけにテーマ買いの動きはこれからが佳境入りとなる公算が大きい。生成AIが創出する新たなダイナミズムをバネに、AI分野は再び急成長フェーズへと突入する可能性が高く、今回のトップ特集では今後躍動が期待される6銘柄を厳選エントリーした。

●ネクストステージで躍動期待のAI関連6選

◎PKSHA Technology <3993> [東証S]

 パークシャはディープラーニングを活用して業務効率化を実現するアルゴリズムモジュールとアルゴリズムソフトウエアの開発を主力とする。SaaS型で提供するビジネスモデルであり、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)化推進の担い手となっている。音声認識や自然言語処理、動画像合成モジュールなど時流を捉えたライセンス事業を展開し収益に反映させている。

 AIの活用領域を広げ駐車場ソリューションでも需要開拓を進める一方、大手医薬品メーカーとの協業で開発したAIの横軸展開による創薬支援サービスなども注目されている。コミュニケーション領域以外では不正利用検知AIで保険及びクレジットカード業界向けに実績を積み重ねている。トヨタ自動車 <7203> [東証P]との技術面の連携も厚い。

 業績成長力は抜群で、トップラインは単独決算を含めて14年9月期以降、前期まで9期連続で大幅増収トレンドをまい進。23年9月期も2ケタ伸長を維持する見通し。本業のもうけを示す営業利益は20年9月期に減益を強いられたが、それを除けば増益基調に陰りはなく、今期も伸び率こそ鈍化するものの利益成長を確保する公算が大きい。株価は中期下降トレンドからの脱却が間近に迫っている。

◎ティアンドエス <4055> [東証G]

 T&Sは最先端半導体工場向けのシステム開発及び運用・保守などを手掛け、RPAを活用した業務効率化で高評価を獲得している。同社はフラッシュメモリーを製造するキオクシアを主要顧客としていることが最大の特長だが、半導体以外にAI領域へ積極展開を図っていることも大きなポイント。AI領域ではマシンラーニング・アルゴリズムを駆使して高精度の画像認識機能開発を支援するほか、論文アルゴリズムの実装や評価も行う。人材面では専門性の高いデジタルエンジニアを擁しAI技術を深耕、顧客ニーズを捉えている。

 業績は売上高・利益ともに特筆に値する伸びを続けている。営業利益は22年11月期の50%増益に続き、23年11月期は前期比14%増の7億円を予想。更に24年11月期も2ケタの利益成長が有力視される。

 株価は年初から上昇と下落を繰り返しながらも着実に水準を切り上げてきた。旧マザーズ市場に上場した20年8月には7315円(分割修正後株価)の高値を形成した経緯がある。その後、収益急成長を続けているにもかかわらず株価は底値圏で推移してきたが、2000円未満の時価はあまりに評価不足で見直し買いが期待できる。

◎メタリアル <6182> [東証G]

 メタリアルはAIを活用した翻訳サービスソフトを主力に手掛けるが、そのクオリティーはプロ翻訳者レベルで、医薬・化学・機械・IT・法務・金融などの2000に及ぶ専門分野をフォローする。更に言語については日本語・英語はもとより、100言語に対応が可能で、精度の高さでも群を抜く。また、同社は新規事業としてメタバース分野にも本格参入を図っている。

 チャットGPTを活用して英会話の練習ができるサービス(β版)も開始した。これはメタバース空間共有プラットフォームを使って世界各地の観光地などを巡り、AIに英語で音声による質問を行い、それにAIが音声と字幕で答えるというもの。同技術を発展させ近い将来に「AIガイド」として戦略商品の一翼を担う可能性がある。

 業績は連結決算に移行した14年2月期以降も一貫して増収基調を続けており、23年2月期は利益面でも回復色が強まる見通し。営業利益段階で4億円予想は過去最高利益更新となる。24年2月期も2ケタの利益成長が視野に入る。株価はここ動兆著しいが、中期的に下値切り上げ波動が継続し、21年7月以来の2000円大台を目指す動きに。

◎アステリア <3853> [東証P]

 アステリアは企業のシステム連携ソフト開発を手掛け、ノーコード技術やAI技術、次世代ブロックチェーン技術などの分野における先駆者として優位性を発揮している。同社の主力であるデータ連携ソフト『Warp』を中心にソフトウェア事業は好調が続いている。また、AI搭載IoT統合エッジウェア『Gravio(グラヴィオ)』はAI・IoTシステムをノーコードで構築し短期間で開発できるのが特長で、企業のDX化を後押しする有力ツールとして、業界を問わず多方面で採用が進んでいる。

 業績はトップラインの伸びが顕著であり、23年3月期は前期比25%増収の37億円を見込む。利益面では投資先評価益が想定に届かず減益を強いられる見通しながら、これは同社の中期的な収益成長力に影を落とすものでは全くない。

 24年3月期は海外でのデザイン事業拡大や販売管理コストの大幅低減などにより、利益も再び急成長局面に突入しそうだ。営業利益段階で3~4割の大幅増益トレンドに復帰する公算が大きく、株価は昨年6月につけた高値1268円が中期的な上値目標となる。

◎FRONTEO <2158> [東証G]

 フロンテオは自然言語解析AIなどを活用したリーガルテック事業を主力とするが、AIソリューションを横軸展開して医療向けシステム分野を深耕し業容を広げている。創薬支援AIシステムは標的遺伝子・分子の評価対象疾患を大幅に拡充したことに伴い、一段の需要開拓に期待が募る。このほか、4月からは新たなAIエンジンを搭載した平時監査システム『KIBIT Eye』の提供をスタートさせる。同製品は同社の研究チームが開発した新しいアルゴリズムを搭載し、人の直観的な判断能力をAIで再現する設計思想のもとで開発された。

 一方、ファンダメンタルズに目を向けると23年3月期は試練の年度となり、期中2度にわたる下方修正を経て営業損益段階で13億円の赤字を見込む。ただし、業績は今期が大底となる可能性がある。来期以降はリストラ効果の発現により回復色を強める公算が大きく、株価も底値圏離脱をうかがうタイミングが近づいている。

 21年11月には5300円の高値を形成した経緯がある。業績底入れの兆しが確認されれば、天井の高さと持ち前の急騰性が再び投資資金の食指を動かすことになる。

◎RPAホールディングス <6572> [東証P]

 RPAはAIやロボットを活用してホワイトカラー業務の生産性向上を担う。事務作業代行ソフト『BizRobo(ビズロボ)!』は圧倒的なスピードでルーティーンワークをこなすソフトウェアのロボットとして、中小企業を主要顧客に受注獲得を続けている。ソフトバンク <9434> [東証P]とは資本・業務提携を行っており、RPA ソリューションの提供などで協業している。

 業績は22年2月期に続き23年2月期も営業減益見通しで、期中2度の下方修正を経て前の期比30%減の2億5000万円を見込むなど低調だ(売上高の大幅減少は新収益認識基準によるもの)。業績面では厳しい状況を余儀なくされているが、株価的には織り込みが進んでおり、収益は前期で底入れとなる公算が大きいことから、今年に入って典型的な下値切り上げ波動に転じている。24年2月期は受注が増勢基調にある『ビズロボ!』の寄与に加え、販促コストの低減などで利益の大幅回復が視野に入る。

 株価は年初から5日移動平均線をサポートラインとする上昇波動を形成中で、上方カイ離が縮小した場面は買い場となる。押し目買いで対処して妙味が大きい。


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