デイトナ Research Memo(7):国内・アジアともに伸長し、全セグメントで増収増益に(2)
■業績動向
3. トピックス
(1) オーディーブレインを子会社化
既述のとおり、2022年5月30日付でオーディーブレインの全株式を取得し、子会社化した。デイトナ<7228>は今後の成長に向けて、新商品開発・改良、グループ企業の販路活用・拡大、新たなジャンルへの参入を通じた企業価値向上に注力する方針で、子会社化により、グループ企業の国内外販路を活用したより広い展開はもちろん、二輪とアウトドア用アパレル面の商品力強化、新ブランドの開発を、創業者でブランドデザイナーである佐藤義幸氏と共同で計画していく。売上規模が小さいこともあり非連結子会社としているが、システム化による内部管理体制の整備、商品ラインナップの拡大、同社グループでのアパレル展開などにより収益を拡大させ、2025年12月期の連結子会社化を目指している。
(2) 新規事業部を新設
同社は、2022年7月に組織変更を行い、新規事業部を新設した。「新エネルギー開発室」及び二輪事業部内に配置していた「E-MOBILITYグループ」「リユースビジネスグループ」「GMDグループ」を異動するとともに「アウトドアグループ」を新設した。組織変更により、中期経営計画で目標として掲げる「二輪車アフターパーツ以外の事業領域強化」を推進していく。
(3) 50周年記念ホイールの限定受注生産
同社は50周年記念商品として、日本発のオートバイ用キャストホイール「デイトナセブンスターキャストホイール(R)※」復刻版を限定受注で販売し、完売した。同商品は国内で市販車にキャストホイールが採用される1年前の1975年に、同社がアフターパーツとして販売開始したもので、国内外から高い評価を得ていた。創業から50年の節目となる2022年に復刻版を販売し限定受注で完売となるなど、好評を得た。
※「デイトナセブンスターキャストホイール(R)」は同社の登録商標。
4. 財務状況
2022年12月期末の資産合計は前期末比1,473百万円増加し、9,642百万円となった。流動資産は棚卸資産が1,245百万円増加したことなどにより、同1,385百万円増の7,060百万円となった。棚卸資産の増加は、半導体不足の影響等を鑑み、インカムなどの電子機器や電動アシスト自転車、リードタイムの長い輸入商品などの予備在庫を積み上げたことによる。固定資産は同87百万円増の2,581百万円となった。これは主に、有形固定資産が56百万円、無形固定資産が61百万円それぞれ減少した一方、オーディーブレイン子会社化に伴う関係会社株式120百万円などにより投資その他の資産が205百万円増加したことによる。
負債合計は、前期末比180百万円増加し、2,904百万円となった。流動負債は同91百万円増の2,373百万円となった。これは主に、未払法人税等が106百万円減少した一方、運転資金増加などにより短期借入金が205百万円増加したことによる。
固定負債は長期借入金が95百万円増加したことなどにより、同88百万円増の530百万円となった。純資産合計は同1,292百万円増加し、6,737百万円となった。この結果、自己資本比率は同3.3ポイント上昇し69.0%となった。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
《NS》
提供:フィスコ