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6817 スミダコーポレーション

東証P
951円
前日比
+9
+0.96%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
15.0 0.56 5.57 73.97
時価総額 315億円
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好決算の評価本番、上昇トレンド満開の「23年12月期活躍期待」6銘柄リスト<株探トップ特集>


―12月期決算の本決算発表が一巡、今期増益予想で還元姿勢も魅力の割安株ピックアップ―

 上場企業の業績に減速感が漂っている。12月期決算企業の23年12月期業績は営業利益段階で前期比ほぼ横ばいにとどまる見通しだ。世界的な景気減速や長引く原材料高など、先行きに不透明感が強まる製造業に苦戦を強いられる企業が目立つ。12月期決算企業は3月期決算企業と比べて製造業の利益構成比率が高く、製造業の動向が全体に反映されやすい。今回は収益環境に逆風が吹きつけるなかでも成長を堅持する企業に注目し、23年12月期の業績見通しが好調な内容を示す企業のなかから、株価指標面で割安感が強く、かつ株主還元に積極姿勢をみせる投資妙味の高い銘柄を探った。

●23年12月期は3期ぶり減益予想

 12月を本決算月とする企業の数は3月に次いで2番目に多く、4月下旬に決算発表シーズンを迎える3月期決算の行方を占ううえでも注目度が高い。2月末までに23年12月期の業績予想を開示した東証上場企業460社を集計したところ、営業利益の合計額は前期に比べて0.6%減と3期ぶりに減益に転じる見込みとなった。世界的な経済活動再開や為替の円安進行などを背景に急回復をみせていた業績にブレーキがかかる格好だ。

 営業利益の減少額が最も大きいのはINPEX <1605> [東証P]で、原油価格の下落を踏まえ前期比3割近い大幅減益を予想する。次いで欧米の景気悪化が響くシマノ <7309> [東証P]のマイナス幅が大きく、米住宅需要の減速で受注が落ち込む住友林業 <1911> [東証P]と続く。一方、社数ベースで見ると、全体の6割を超える企業が増益を見込んでいる。コロナ禍からのリオープンの動きが追い風となるサービスや小売りといった内需関連のほか、製造業でも値上げを着実に進める企業などには底堅い見通しを示すものが多くみられる。

●株主還元姿勢も魅力の好業績&割安株に注目

 全体相場でバリュー株や高配当銘柄への物色の流れが続くなか、ここでは23年12月期業績が営業利益ベースで増益の見通しを示し、更に利益成長とともに株主還元も増やす傾向にある企業に照準を合わせた。以下では、決算内容が評価され株価が戻り基調にある好決算銘柄のうち、株価の割安さを測る指標である予想PERやPBRの水準などから見て、一段の上値が期待される6銘柄を紹介していく。

●DMG森精機は高付加価値化戦略で最高益街道まい進

 DMG森精機 <6141> [東証P]は世界屈指の切削系工作機械メーカー。中期経営計画では工程集約を伴う自動化・デジタル化ニーズに対応したソリューション提供型の高付加価値ビジネスへのシフトによって、25年12月期に営業利益720億円(22年12月期実績は412億1300万円)の目標を掲げる。23年12月期は医療、宇宙、航空、電気自動車(EV)関連、エネルギー市場などからの受注が堅調に推移するほか、前期からの豊富な受注残をこなし、営業利益500億円と最高益を更新する計画だ。配当も80円(前期比10円増)に増配する方針を示す。株価は昨年来高値圏を快走する展開となっているが、予想PERは9倍前後と依然として割安感が強く一段高の展開が見込めそうだ。

●キッツは半導体分野の投資強化で一段の成長に期待

 キッツ <6498> [東証P]は建築設備や石油化学プラントで高い実績を持つ国内首位の総合バルブメーカー。足もとではデジタル化や 脱炭素化への取り組みが活発化するなか、半導体、機能性化学、水素関連を成長分野に位置づける。なかでも半導体分野は新工場を建設するなど中長期的なニーズを取り込む構えだ。前期業績は国内で半導体製造設備向けバルブが大きく伸びたほか、米州や東南アジアを中心に海外販売も増勢だった。また、価格改定効果なども加わり、営業利益は前の期比2割超の大幅増益を達成。23年12月期は半導体関連のシェア拡大を背景に成長が続く見通しだ。指標面では予想PER9倍台、PBR0.9倍近辺、配当利回り3%台後半と見直し余地は大きい。

●スミダコーポは自動車電動化と脱炭素化のニーズ捉える

 コイル専業メーカーのスミダコーポレーション <6817> [東証P]はEVなどの電動車向けで旺盛な需要を捉えている。前期は新車生産台数が伸び悩んだものの電動車関連を中心に車載分野が大きく伸びたほか、産業分野では脱炭素化の動きで需要が高まる太陽光発電用設備関連の引き合いが強かった。また、為替の円安進行も追い風となり、売上高1386億円(前の期比32.1%増)、営業利益81億8900万円(同53.8%増)といずれも過去最高を記録した。配当も47円(前の期は28円)と大幅増配に踏み切った。23年12月期は車載・産業ビジネスが増勢を維持し、3期連続の増収増益を見込む。予想PERは8倍台と割安感が強く、足もとの調整は押し目買い好機と捉えたい。

●ニチリンは超割安評価で株価の水準訂正余地大きい

 ニチリン <5184> [東証S]は自動車用ホースの国内トップで、北米や中国・アジアなど海外にも多くの拠点を持ち、売上高の海外比率は6割を超える。前期業績は半導体不足や中国ロックダウンの影響を受けたものの、国内顧客の挽回生産による販売増加や円安効果などで吸収し、2ケタ増収増益を達成した。23年12月期は自動車生産の回復や原価低減を背景に収益成長が続く。決算発表とあわせて、株主還元方針を変更し、配当性向35%を目標とするほか、今後3年間で取得総額10億円程度の自社株買いを実施する方針を打ち出した。今期配当は前期比14円増の104円を予定する。配当利回りは4.5%前後で予想PER6倍台、PBR0.6倍近辺と極めて割安圏に位置しており、株価の水準訂正余地は大きいといえる。

●イトーキは構造改革で収益力向上、33年ぶり最高益復帰も視野

 オフィス家具大手のイトーキ <7972> [東証P]は構造改革の進展で収益力が向上している。前期はオフィス移転やリニューアル案件などを中心に販売が好調に推移するなか、販売価格の適正化やカタログ価格改定、物流コスト削減などを推進し、営業利益45億8200万円(前の期比79.0%増)と業績高変化を遂げた。23年12月期は首都圏を中心とする新築オフィスの供給量増加や構造改革の継続を背景に、営業利益65億円と中期経営計画で掲げた60億円を上回る見通しだ。1990年12月期に記録した最高益(65億4000万円)の更新も視野に入る。株価は約5年ぶりの高値圏に浮上したが、指標面に割高感はなく一段の上値が期待できそうだ。

●竹本容器は市況回復で巻き返しへ、高配当利回りに妙味

 竹本容器 <4248> [東証P]は化粧品や食品向けを主力とするプラスチック製包装容器メーカー。顧客の環境問題への意識が高まるなか、リサイクル素材やバイオマス原料を活用した容器など資源循環型パッケージが好調だ。前期業績は国内の新型コロナウイルス感染拡大の第7波、第8波、中国ゼロコロナ政策の影響を受けたことに加え、製造原価の高騰も響き、営業利益は5割を超える大幅減益に落ち込んだ。23年12月期は国内や中国の需要が回復に向かうなか、環境配慮型製品を中心とする販売回復で巻き返す計画だ。配当は純資産配当率(DOE)4.0%の目標を踏まえ、年36円(前期比50銭増)の方針としており、配当利回りは4%台で推移している。

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