貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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4385 メルカリ

東証P
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CaSy Research Memo(7):法人向けサービスの集客戦略等で、組織的ブランディングを高める(1)


■成長戦略

CaSy<9215>の売上構成で97%を占める「家事代行サービス」(掃除代行、料理代行)の領域では、1)知名度向上による信頼を活用した集客戦略、2)キャストの組織的ブランディングにより、集客の面とキャスト雇用の面とを両立させる戦略を立案する。残りの売上構成比3%を占める「その他暮らしのサービス」では、家事代行サービスでの訪問から顧客の困りごとを拾い上げ、顧客に同社が提案する別のサービス購入検討をしてもらうクロスセルにつなげる機能開発を拡充し、1人当たりの顧客単価を向上させるアップセルへの転換を目指す。

1. 家事代行サービス領域
1) 知名度向上による信頼を活用した集客戦略
家事代行サービスでは、主要な集客チャネルであるWeb集客に加え、同サービスの安心安全をアピールするため、大手企業へ福利厚生としての法人向けサービスの導入を推進し、同サービスの知名度向上により、顧客からの信頼を得る戦略を促進する。現在、SMN<6185>、SATORI(株)、ビザスク<4490>、freee<4478>、(株)マイナビ、メルカリ<4385>などに導入実績があり、今後も法人向けサービスの拡大を推進していく。

2) キャストの組織的ブランディング
おもてなしの心と高いスキルの両方を体現できる、同社の家事代行サービスを実施するサービススタッフ「キャスト」を採用するため、キャストが同社で働きたいという所属欲求や、顧客から認められたい、あるいは喜ばれたいという承認欲求、キャストが仕事のなかで自分自身を表現したい欲求などを満たせる様々な施策を幅広く展開し、キャストが働くことにやりがいを持てる組織的ブランディングに取り組む。

同社は、アメリカの心理学者マズローが提唱した「欲求5段階説」のフレームワークに基づき、キャストがサービスを提供できる仕組みを構築している。人間の欲求は「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現の欲求」の5つの階層に分かれているとし、これらの階層はピラミッド状になっており、低い階層の欲求が満たされることによって次の段階の欲求を求めるという「マズローの欲求5段階説」を基に、キャストがモチベーションを維持し働きやすい環境を構築することにより、キャストの定着率を高める組織的ブランディングを推進している。

所属欲求の観点では、相互に自由に交流し、学び合い、助け合えるオンラインスペースとして、キャスト専用のコミュニティである「CACACO」を開設し、加えて、事件や事故に対する啓発を継続的に行うための月1回の安心安全サロン、月5~6回開催のレベル別オンラインサロン(勉強会)など充実した「オンラインカジーサロン」を運営している。

承認欲求の観点から、同社はキャストのランクを11段階に分け、上位3ランクである「パートナー」「シニアマスター」「マスター」のキャストだけに黒いエプロンが贈られる。さらに同社や家事代行の魅力を伝えるために、累計12,000人以上のキャストから特に優れたスキルや経験・情熱を持つ10名のプロフェッショナルを選抜した「TEAM BLACKS」を結成し、掃除代行・料理代行それぞれ5名ずつのキャストが、SNS等での社内外への広報活動やキャストコミュニティ内での後進の育成に従事している。一方で、同社は日々事業推進を支えているキャストへ向け、感謝を伝える機会として2015年から「キャストセッション」を開催している(2020年はコロナ禍のため中止)。前年度のMVPキャストの表彰式を恒例として、キャスト同士・キャストと本部との連携を促進し、モチベーションやエンゲージメント向上の機会にしている。

自己実現の欲求の段階では、1)「こちらこそありがとう」をあなたに伝えるために、2)私はいつも、あなたの味方、3)魅せるプロとして仕事を楽しむ、4)十人十色の着地点、5)ささやかな心遣いで、少し上の「ありがとう」、6)未来に向けた約束とともに、充実のチェックアウトを、といった6つのタイトルの下、顧客に対する思い、サービスを行ううえでの考え方や行動の基準をトップキャスト13名が「CaSyキャストクレド」として言語化し、全キャストに示している。

一方で、同社は、同社サービスの稼働率や売上高にも影響するキャストの解約率「キャストチャーンレート」にも注目している。同社のキャストチャーンレートの月当たりの年平均値の推移は、2018年は2.8%、2019年は3.0%、2020年は2.6%、2021年は2.4%と改善されてきており、一般的には目安と言われている3.0%以下をクリアしている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)

《YI》

 提供:フィスコ

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