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9726 KNTCT

東証S
1,210円
前日比
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100株
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時価総額 331億円
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新成長ステージを走り出す、「最高益復活&バリュー株」上値期待の6銘柄 <株探トップ特集>


―下方修正相次ぐなかで輝く、長い雌伏期間を経て最高益復帰を見込む妙味株ピックアップ―

 下方修正の嵐に見舞われた3月期決算企業の4-12月期決算発表シーズンが終わった。第3四半期決算が発表された1月4日から2月16日の期間に、23年3月期通期の経常利益または税引き前利益を下方修正した企業は352社に上った。昨年の同じ時期と比べ7割以上も増えた格好だ。世界景気の減速や原材料価格の高止まり、為替前提の見直しなどを理由に、製造業を中心に通期予想を減額する企業が相次いだ。一方、こうした逆風下で上方修正に踏み切った企業は昨年同期比3割減の327社にとどまる。

 今回は業績上方修正を発表した企業のうち、数年ぶりに最高益更新を見込む“大復活”銘柄に注目。最高益更新の間隔期数が長い企業は利益成長が長期停滞を脱した企業といえ、成長路線への復帰が期待される。このうち、指標面で割安感が強く株価の水準訂正が進むことが期待できる最高益復活&バリュー株を探った。

●10-12月期は2四半期ぶり減益

 17日までに4-12月期決算を発表した2313社を集計したところ、直近3ヵ月実績である10-12月期の経常利益(米国会計基準と国際会計基準は税引き前利益)の合計額は前年同期と比べ約13%減少した。減益は2四半期ぶりとなる。業種別に見ると、原燃料コストの高騰が響いた化学、パルプ・紙、電力のほか、原油価格の下落による在庫評価益の減少が利益を圧迫した石油元売り、景気減速による需要減少がみられた電気機器などに減益決算が目立つ。

 一方、資源高の恩恵が続く商社を含む卸売、コロナ禍に伴う行動制限の緩和や政府の観光促進策「全国旅行支援」が追い風となった鉄道・バスや空運、サービスなど非製造業では増益を確保する企業が多く、通期計画の上方修正に踏み切るものもみられた。

●米利上げ長期化観測でバリュー株優位の展開に

 足もとの国内株式市場は、米国の金利上昇を背景にバリュー株優位の地合いとなっている。先週に発表された1月の米消費者物価指数(CPI)、卸売物価指数(PPI)がともに市場予想を上回る伸びとなり、金融引き締めの状態が続くとの観測から米長期金利が上昇。これを受けてグロース株を中心に下落した米国株市場の流れを引き継ぐ形となっている。

 こうしたなか、今回は23年3月期通期の経常利益または税引き前利益予想を上方修正したことによって、6期以上ぶりに過去最高益を更新する見通しになった企業のうち、株価指標が割安圏にある6銘柄をリストアップした。

●愛三工は燃料ポンプ買収で収益力向上、最高益路線に復帰へ

 愛三工業 <7283> [東証P]はエンジン制御技術に強みを持つトヨタ系の自動車部品メーカー。燃料ポンプモジュールでは昨年、デンソー <6902> [東証P]から事業譲受したことで世界シェア4割を握るトップ企業となった。一方、新規分野として電池セルケースや電圧変換器の開発など電動化対応への投資も積極化させている。4-12月期の業績は燃料ポンプ事業の譲受を含む数量増加や円安効果、収益改善策の進展によって原材料価格の高騰を吸収し、2ケタ増収増益を遂げた。これを受けて通期の経常利益予想を8期ぶり最高益見通しに上方修正している。指標面では予想PERが6倍台、PBRは0.5倍前後と会社解散価値の半分程度に過ぎず、株価の水準訂正余地は大きい。

●丸文は22期ぶり最高益大復活で配当も大幅増額

 エレクトロニクス商社の丸文 <7537> [東証P]は1月31日、23年3月期の経常利益が70億円(前期比70.5%増)になりそうだと発表。従来予想の50億円から大幅上方修正し、過去最高益を22期ぶりに塗り替える計画を打ち出した。民生機器や産業機器向けの半導体、電子部品の引き合いが強く、医用機器やレーザー機器の販売も好調だ。第3四半期に25億円超の為替差益を計上したことも利益を押し上げる。また、今期から配当性向40%以上を目標に掲げており、配当も従来の年45円から67円へ大きく引き上げた。株価は16日に約15年7ヵ月ぶりの高値をつけるなど上値追いを続けるが、予想PER8倍前後、配当利回り5%近辺と依然として投資妙味は大きい。

●芝浦は半導体前工程装置が絶好調で18期ぶり最高益へ

 芝浦メカトロニクス <6590> [東証P]は直近の好調な業績を反映する形で、23年3月期の経常利益を前回予想の72億円から96億円(前期比96.8%増)へ上方修正し、実に18期ぶりに最高益を更新する見通しを示した。期末一括の配当計画も510円と従来から120円も増やしている。足もとの業績は半導体前工程装置を中心に販売が絶好調だ。ロジック・ファウンドリー向け、パワーデバイス向け、ウエハー向けなどの堅調な設備投資需要を捉えている。好決算を受けて、株価は約17年ぶりの高値を奪還したが、配当利回り3%台後半と高水準な一方、予想PERは8倍前後にとどまっており、一段の上値が期待できそうだ。

●KNTCTは非旅行分野の取り組み奏功、更なる上振れも視野

 大手旅行会社のKNT-CTホールディングス <9726> [東証S]は長引くコロナ禍の影響で22年3月期は3期連続の経常赤字に沈んだが、23年3月期は一転して期初段階で40億円の黒字、4-12月期決算発表時には85億円と8期ぶり最高益見通しへ引き上げた。新型コロナウイルス感染拡大の第7波、第8波を受けて売上高は計画を下回るものの、観光施設の運営業務、観光振興業務、新型コロナ関連業務の受託などBPO事業が拡大するほか、事業構造改革を通じた販管費の圧縮も利益を押し上げる。修正した通期計画は4-12月期実績(90億4500万円)を下回っており、更なる上振れに含みを持たせている。

●ウェッズは低PER・低PBR・高配当で上値余地十分

 ウェッズ <7551> [東証S]はアルミホイールを主力とする自動車部品・用品卸の大手企業。商社機能に加えてメーカーとしての側面も持ち、カスタムホイールのパイオニアとしても知られる。直近3ヵ月の10-12月期は、新車販売が徐々に持ち直すなか、アルミホイールを中心に販売を伸ばし、経常利益16億4000万円(前年同期比84.9%増)と四半期ベースの過去最高を記録した。業績好調に伴い、通期の経常利益予想を9期ぶり最高益見通しに上方修正するとともに、配当も増額修正している。株価は昨年来高値圏で推移しているが、予想PER7倍前後、PBR0.7倍近辺、配当利回り4%台と指標面からの見直し余地は大きい。

●栗林船は海運の拡大やホテル回復で6期ぶり最高益へ

 栗林商船 <9171> [東証S]は北海道と東京、大阪間を主航路とする海運会社。新聞用紙輸送が主体の内航海運業を軸に、北海道でホテル事業や不動産賃貸事業も展開する。4-12月期は紙製品の輸送量は減少したものの、注力分野の雑貨などの市況が好調だったうえ、燃料油価格が落ち着きをみせたことで海運事業の利益が大きく伸びた。また、ホテル事業では全国旅行支援の継続やサウナ施設の改修によって宿泊需要を取り込み、経常利益は25億3400万円と前年同期の4.6倍に膨らんだ。あわせて、通期の同利益を6期ぶり最高益見通しに増額したことも好感され、株価は約1年4ヵ月ぶりの高値圏に浮上したが、予想PER4倍台、PBR0.3倍程度と極めて割安で上昇余地はまだ大きそうだ。

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