【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):サイボウズ、Dガレージ、資生堂
サイボウズ <日足> 「株探」多機能チャートより
サイボウズ<4776>が続急騰。20日の取引終了後、24年12月期の連結業績予想について、売上高を287億3000万円から295億4500万円(前期比16.2%増)へ、営業利益を30億9700万円から41億1700万円(同21.3%増)へ、純利益を20億2800万円から29億9500万円(同20.4%増)へ上方修正し、減益予想から一転して増益予想としたことが好感された。5月30日に発表したクラウドサービスの価格体系改定の影響を反映させたことや為替変動の影響などにより、売上高が計画を上回る見通しに加えて、年内の投資計画を精査するなかで、主に人件費などについて年内に費消しない費用が積み上がってきたことが要因としている。
■デジタルガレージ <4819> 2,414円 +113 円 (+4.9%) 本日終値
デジタルガレージ<4819>が4連騰。20日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を220万株(発行済み株数の4.64%)、または40億円としており、取得期間は6月24日から来年1月31日まで。事業の進捗状況を踏まえた積極的な株主還元を実施するためとしている。
■資生堂 <4911> 4,743円 +102 円 (+2.2%) 本日終値
資生堂<4911>は堅調。この日朝方、「ツバキ」などのヘアケアブランドを展開する持ち分法適用関連会社のファイントゥデイホールディングスの保有株すべてを欧州系投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズに譲渡すると発表した。ファイントゥデイHDが順調に成長し、東証への株式上場の準備に入ったため、当初の目的を果たせたという。業績への影響は現在精査中とした。
■セントラル硝子 <4044> 3,655円 +60 円 (+1.7%) 本日終値
セントラル硝子<4044>が4日続伸。きょう付の日本経済新聞朝刊で「パワー半導体の先端素材である『炭化ケイ素(SiC)』の基板の新製法を開発した」と報じられており、好材料視された。記事によると、ケイ素と炭素を含む溶液からSiC基板を製造する方法で、高温で昇華させたSiCを使って単結晶を成長させる従来の方法に対して基板サイズを大きくしたり品質を高めたりしやすいほか、基板の製造コストを1割以上削減でき、不良品率も大幅に削減することができるという。パワー半導体は、電気の流れをコントロールして無駄を抑えるデバイスで、電気自動車(EV)やデータセンター、小型家電など幅広い分野に使われている。SiCは現在主流のシリコンに比べてより高い電圧や電流、動作温度に耐えられることから市場が急拡大しており、新製法によるシェア獲得が期待されている。
■ネクソン <3659> 2,892円 +41 円 (+1.4%) 本日終値
ネクソン<3659>は3日ぶりに反発した。20日、オンラインゲーム「アラド戦記モバイル」に関し、サードパーティーデータプロバイダのQimai Dataにおいて、中国のiOSの売り上げランキングで4週連続の首位を維持したと発表。これを評価した買いが株価を支援したようだ。連結子会社のNEOPLE INC.が開発を手掛け、中国のテンセント子会社であるテンセントゲームズがパートナーとしてパブリッシングを行っている。
■鴻池運輸 <9025> 2,423円 +20 円 (+0.8%) 本日終値
鴻池運輸<9025>が4日続伸。この日の午前中に、インドの医療器材滅菌事業会社SPDインディア・ヘルスケア社の株式の82%を20日付で取得したと発表しており、好材料視された。SPD社は手術器具などの医療器材の滅菌サービスを中心に、医療器材の販売・貸し出し、滅菌教育プログラムの提供、医療機関向け滅菌コンサルティングなどの総合支援などを展開する企業。鴻池グループは日本国内の医療機関向けに手術器具や医療器材の洗浄滅菌及び院内物流・手術室支援業務などを提供するとともに、医療関連メーカー・卸業者向けに物流センターの設計・運営や検体・再生医療品の輸送など、上流から下流まで医療に関連する一貫物流を提供している。インドでは、医療関連サービス会社が、インド医療業界の管理体制や流通インフラの課題解決に向けた医療材料や病院、医師のデータベース化などの事業を展開しているが、今回のSPD社のグループ化によって、インド市場でのさらなる成長を目指すとしている。
■システナ <2317> 298円 +1 円 (+0.3%) 本日終値
システナ<2317>が続伸。20日の取引終了後、同社のクラウド勤怠管理システム「TimeTapps」が、パイ・アール(大阪市中央区)のアルコール検知システム「アルキラーNEX」「アルキラーPlus」とのサービス連携を開始したと発表しており、好材料視された。事業用車両を運転する際には、原則として乗車前と乗車後のアルコールチェックが義務化されており、また、勤怠管理の出退勤記録も乗車前と乗車後に行う必要があり、従業員の業務負荷が増加していた。今回の連携により、アルコールチェックと出退勤記録を同時に行うことが可能になるほか、「TimeTapps」のWebサイト上で、勤務状況と併せて検知結果の確認と、アルコールチェック漏れがあった場合にメール通知ができるため、従業員と管理者の業務負荷を削減することができるとしている。
■ソフトバンクグループ <9984> 9,889円 -321 円 (-3.1%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>は後場に弱含みの展開。同社は21日、定時株主総会を開いた。ソフトバンクGの孫正義会長兼社長はASI(人工超知能)の実現にまい進する姿勢を示す一方、自社株買いなどに関しては自社の使命に比べて「小さいことだ」と発言した。同社に対してはアクティビストとして知られる米ヘッジファンドのエリオット・マネジメントが自社株買いを要求していると今月に入り報じられ、株価に上昇圧力が掛かった経緯がある。短期志向の投資家には、ソフトバンクGがすぐに自社株買いに動くことはないと受け止められ、売りを促す要因となったようだ。
■アドバンテスト <6857> 5,785円 -51 円 (-0.9%) 本日終値
アドバンテスト<6857>など半導体製造装置の主力銘柄が売りに押される展開。前日の米国株市場ではNYダウが3日続伸と戻り足を強めているが、一方でハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は反落するなどグロース銘柄には向かい風が強かった。特に半導体セクターはシンボルストックとなっていたエヌビディア<NVDA>がこの日は大きく利食われ、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3日ぶりに急反落しており、東京市場でもエヌビディアと収益連動性の高いアドテストなどをはじめリスクオフの流れが波及している。一方、外国為替市場で1ドル=159円近辺まで一段と円安が進んでいることは、輸出比率の高い半導体関連株にとって株価下支え材料となっている。
■ジャパンフーズ <2599> 2,334円 +400 円 (+20.7%) ストップ高 本日終値
ジャパンフーズ<2599>は急騰。20日の取引終了後、丸紅<8002>系のJAFホールディングスから受けているTOBについて、買い付け条件が変更されたと発表した。TOB価格が1994円から2449円に引き上げられており、これにサヤ寄せする格好となった。6月21日までとしていたTOB期間は7月8日までに延長された。
株探ニュース