アイナボHD Research Memo(6):先行き不透明で5.5%増収、9.5%営業増益予想
■今後の見通し
アイナボホールディングス<7539>の2023年9月期は売上高で83,500百万円(前期比5.5%増)、営業利益で2,080百万円(同9.5%増)、経常利益で2,410百万円(同11.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,650百万円(同0.2%増)と予想している。
住宅市場の先行きに対しては、物価高騰の一方で賃金上昇が抑制されていることに加え、金利上昇の懸念による投資の抑制などマイナス要因も考えられるが、一方でウィズコロナ対策の浸透やインバウンド需要の回復といったプラス要因も考えられる。このような環境下において、同社は以下のような施策を推進して目標を達成する計画だ。
・グループの成長スピードを上げるための戦略的意思決定
・市場環境の変化に備え、ビジネスモデルを変革し、グループシナジーを早期に実現する
・人材の戦略的な活用
また子会社別の営業利益目標は、主力のアベルコは1,931百万円(前期比12.7%増)、インテルグローは200百万円(同3.4%減)、温調技研は105百万円(同43.5%減)、今村は84百万円(同394.1%増)、アルティスは121百万円の営業損失(前期は87百万円の営業損失)、マニックスは85百万円(前期比9.6%減)、2023年9月期から連結子会社となるMaristoは23百万円(前期比較なし)となっている。主力子会社であるアベルコは堅調に推移する見込みだが、2022年9月期に比較的好調であったインテルグローや温調技研は厳しく見ている。
「重点課題」の目標値は、サイディングは5,200百万円(前期比1,779百万円増)、サイディングプレカットは1,000件(同164件増)、非住宅(店舗や商業施設等)3,000百万円(同670百万円増)、サッシ(マンション+戸建て)5,200百万円(同2,345百万円増)、サッシ(戸建て向けのみ)4,000百万円(同2,071百万円増)、マリスト1,420百万円(同191百万円増)、アルティス390百万円(同7百万円増)、新規顧客開拓2,200百万円(同573百万円増)、同件数710件(同19件増)となっている。非住宅は、今後同社が注力していく分野であることから2021年9月期から重点課題に加えた。高い目標ではあるが、営業開拓も推進し、達成を目指すとしている。サッシも非住宅と同様に注力する分野であることから、高い目標値となっている。マリストは2023年9月期から子会社化されることもあり、大幅増収を目指している。アルティスの目標値は、「アルティス」事業を行う子会社アルティスの売上目標である。
新規顧客開拓へも引き続き注力していく。新規顧客件数については、2022年9月期は691件であったが、2023年9月期は710件を目指すとしている。なお、新規顧客件数の目標値には新たに連結に加わったマニックスの分も含まれている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
《NS》
提供:フィスコ