高島 Research Memo(2):省エネ化、軽量化、省力化で顧客に貢献する「サステナの先進商社」(1)
■会社概要
1. 会社概要
高島<8007>は、「事業を通じて社会に貢献する」という企業使命の下、1915年に創業した機能商社である。機能商社とは「過度に広範な市場展開を追求するのではなく、ターゲット市場における顧客価値の追求を重視する」ことをビジネスモデルとしている。顧客にとって真に必要な機能・ソリューションをテーラーメイドで提供することで、より高い収益性を実現するものである。
また、国内・海外ともに多くの事業拠点を構えている点も、顧客への価値提供を実現するうえで重要なポイントとなっている。連結子会社は国内8社、海外6社の計14社、持分法適用関連会社や協力工場・パートナー企業なども国内・アジアに多く抱え、顧客のビジネスをグローバルにサポートしている。なお、2022年3月期末時点の従業員は891名(連結ベース)、資本金は3,801百万円である。
2. 事業内容
同社は、建材セグメント、産業資材セグメント、電子・デバイスセグメントの3つで事業を展開している。2023年3月期第2四半期のセグメント別売上高構成は、建材セグメントが56.0%、産業資材セグメントが22.1%、電子・デバイスセグメントが21.7%となった。バリューチェーンの上流工程である企画・設計から下流の施工・サポートまで幅広い範囲にわたって顧客ニーズに合わせて商流をデザインし、顧客の省エネ化、軽量化、省力化に貢献するとともにサステナビリティ社会の実現に寄与している。
(1) 建材セグメント
売上高構成比の56.0%(2023年3月期第2四半期)を占める中核事業で、「建設資材ソリューション」「土木パイルソリューション」「住宅資材ソリューション」「住設インテリアソリューション」「断熱ソリューション」「エネルギーソリューション」の6分野で構成されている。非住宅市場、住宅市場で事業を展開する顧客を対象に壁材、基礎杭工法、断熱材、太陽光パネル関連資材、インテリアなど建設・建装に関わる幅広い商材・ソリューションを取り揃えている。全国展開している販売ネットワークを生かして、企画・設計から施工までバリューチェーン全体にわたって顧客をサポートしている。商流をデザインし、顧客価値を創出する事例としては、ハウスビルダー向け断熱材フルプレカットが挙げられる。物件ごとに割付(断熱材の取り付け位置・寸法を決める詳細な図面を作成すること)、割付図に基づく「加工」を行い、加工後の断熱材を施工現場に個別配送する。同社が加工・物流機能まで担うことで、工事現場の省力化と工期の短縮を実現している。
a) 建設資材ソリューション
高機能な建設資材の調達からスペックインサポート、全国規模の工事ネットワークのコーディネートなど、顧客の業務効率化に貢献するソリューションを提供している。
b) 土木パイルソリューション
多様な土木・パイル資材、地盤改良工法やEDO-EPS工法などを始めとする各種専門工法のスペックインサポートや全国規模の工事体制を生かし、顧客事業の効率化とコスト削減に貢献している。
c) 住宅資材ソリューション
住環境の安全性、快適性、省エネ性の向上に必要不可欠な製品群を取り揃えているだけでなく、各種機能を最大限に引き出す加工・物流・施工機能も提供している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
《NS》
提供:フィスコ