貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
株価15分ディレイ → リアルタイムに変更

1961 三機工業

東証P
2,876円
前日比
+6
+0.21%
PTS
2,877.9円
13:02 11/27
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
13.1 1.50 3.82 23.32
時価総額 1,572億円
比較される銘柄
ダイダン, 
住友電設, 
新日本空調

銘柄ニュース

戻る
 

三機工業 Research Memo(4):2023年3月期第2四半期は減収により営業損失。受注は好調(1)


■業績動向

1. 2023年3月期第2四半期の業績概要
(1) 損益状況
三機工業<1961>の2023年3月期第2四半期の業績は、売上高73,510百万円(前年同期比12.6%減)、営業損失1,260百万円(前年同期は1,025百万円の利益)、経常損失751百万円(同1,310百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失770百万円(同863百万円の利益)となった。

売上高は、資機材納期遅延等の影響により受注先における一部工事の工程見直しが生じたこと等から減収となった。この工程見直し等により工事間接費の負担割合が増加したことなどから、売上総利益率は12.5%と前年同期比で0.7ポイント低下したものの、同社は「手持ち工事の採算性が悪化しているわけではなく売上が進捗してくれば改善する見通しで、懸念される内容ではない」としている。一方で販管費は、人材投資の継続等による人件費増、IT投資やコロナ禍からの回復による経費増により10,422百万円(前年同期比3.9%増)となった。この結果、営業損益は1,260百万円の損失を計上した。

(2) セグメント別損益状況
建築設備事業の売上高は59,208百万円(前年同期比11.7%減)となった。サブセグメント別では、ビル空調衛生は23,612百万円(同2.0%増)と微増に止まったが、前年同期が好調であったこともあり、ほぼ想定内の結果であった。産業空調は21,751百万円(同23.8%減)となった。過去2年間が堅調であったため元々減収予想であったことに加え、客先での工程見直しの影響を受けたことで大幅減収となったが、想定内であり特に懸念される結果ではなかった。電気は9,953百万円(同9.8%減)であったが、こちらも過去2年間が大型データセンター向けを中心に堅調であったことから、減収は予想の範囲内であった。ファシリティシステムは3,890百万円(同9.8%減)とほぼ前年同期並みとなった。

プラント設備事業の売上高は13,068百万円(同17.5%減)となった。サブセグメント別では、機械システムは3,151百万円(同36.4%減)となった。前年同期に比べて大型案件がなかったことに加えて、一部のコンベヤ等の搬送機器販売で部品不足の影響を受けたこと等による。環境システムは、前年同期に下水処理施設や産業廃棄物処理施設の大型案件が完工した影響で反動減となり、9,916百万円(同8.9%減)となった。また、不動産事業の売上高は1,235百万円(同3.2%増)、その他が240百万円(同6.8%減)となった。

※DBO(Design Build Operate)とは、設計・建設と運営・維持管理を民間の事業者(同社など)に委託する方式で、公設民営の1つの方式。


セグメント別の利益については、建築設備事業の売上総利益は7,138百万円(同18.4%減)となった。サブセグメントの内訳としては、ビル空調衛生・産業空調・電気の売上総利益は減収に伴い、6,514百万円(同20.1%減)となった。ファシリティシステムは623百万円(同4.9%増)であった。プラント設備事業の売上総利益は1,581百万円(同15.8%減)となったが、内訳は機械システムが244百万円(同70.2%減)、環境システムが1,337百万円(同26.2%増)となった。不動産事業及びその他の売上総利益は、各々491百万円(同2.7%減)、4百万円(同74.6%減)となった。

(3) セグメント別受注状況
建築設備事業全体の受注高は100,893百万円(前年同期比45.8%増)と大幅増となった。サブセグメント別では、ビル空調衛生は36,361百万円(同35.6%増)と高水準となった。特に第2四半期(会計期間)に大型案件を獲得したことが寄与した。さらに好調だったのが産業空調で、受注高は43,334百万(同97.5%増)とほぼ倍増となった。半導体関連を中心とした電機業界からの受注が好調であった。電気は14,578百万円(同5.3%減)であったが、前年同期がデータセンター向けを中心に比較的高い水準(15,393百万円)であったことを考慮すれば、決して悪い結果ではなかった。ファシリティシステムは6,618百万円(同31.3%増)となり、こちらも堅調と言えるだろう。

プラント設備事業の受注高は17,021百万円(同35.3%減)となったが、下記のように環境システムの影響が大きく、内容としてはほぼ計画線であったと言える。機械システムの受注高は5,353百万円(同7.7%増)と堅調であった。環境システムの受注高は11,667百万円(同45.3%減)と大幅減となったが、これは前年同期に大型案件を受注したことの反動に加えて、手持ち工事が豊富であることから意図的に受注を抑制したことにもよる。したがって、環境システムの受注状況は見かけの数字ほど悪くはなかったと言える。

設備工事以外の受注高は、不動産事業1,235百万円(同3.2%増)、その他242百万円(同12.2%減)となった。この結果、調整額を含めた2023年3月期第2四半期の総受注高は118,914百万円(前年同期比23.2%増)となり、2023年3月期第2四半期末の次期繰越高は196,142百万円(前年同期末比27.3%増)と高水準を維持した。業種別では、サービス、官公庁を除いてすべての業種で前年同期比増となった。

大型案件(10億円以上)の受注は、計13件、35,409百万円となった。受注件数、金額ともに前年同期より大幅に増加したが、1件当たり平均金額は2,723百万円(前年同期は2,837百万円)とほぼ前期並みであった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《SI》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均