貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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7201 日産自動車

東証P
406.3円
前日比
-5.7
-1.38%
PTS
407円
23:57 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
0.26 2.43
時価総額 15,090億円
比較される銘柄
ホンダ, 
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日本勢の巻き返しなるか、急成長するEV支える部品妙味株6選 <株探トップ特集>


―普及加速に市場環境の整備進む、タクシー業界も国内普及の加速を後押しへ―

 2023年も引き続き電気自動車(EV)市場の急拡大が続くことは間違いない。しかし、日本の自動車メーカーのEV領域における世界的な苦戦はよく耳にするところだ。一方、そんな局面を打開するための動きが足もとで徐々にみられている。12月には主要7ヵ国(G7)が気候変動対策を推進するべく、新たに「気候クラブ」を設立するなど、脱炭素やカーボンニュートラル達成に向けた取り組みの加速も意識されている。環境重視の時代の流れのなか、新市場を開拓するEV業界の潮流を探った。

●出遅れ懸念の日本、トヨタが反転攻勢に打って出る

 一部報道によれば、22年上半期のメーカー別EV販売台数は、米国のテスラ<TSLA>が首位で55万台超、第2位は中国のEV大手である比亜迪(BYD)の30万台超、米ゼネラル・モーターズ<GM>やドイツのフォルクスワーゲン(VW)がその後に続いたようだ。ちなみに気になる日本勢の立ち位置だが、結論から言えば、日産自動車 <7201> [東証P]・三菱自動車工業 <7211> [東証P]・ルノー(フランス)による3社連合の6位が最上位で13万台超という結果だった。21年通年でも海外メーカーが上位10社のうち9社を占める状況となっているという。

 この報道は、日本の自動車メーカーの厳しい先行きを暗示しているかのように映る。しかし、日本企業も当然手をこまねいているわけではない。特に注目されているのがトヨタ自動車 <7203> [東証P]だ。同社は今年5月の発売後、翌月にはリコールを届け出ていたEV「bZ4X」の「KINTO(トヨタが展開する車のサブスクサービス)」での申し込み受け付けを10月26日から再開した。法人契約も新たに開始し、引き合いは上々のようだ。また、同社はEVに関して、23年の早いタイミングで新たな計画の大枠を取りまとめることが伝わっている。30年までのEV戦略のうち、25年度までの3年間の計画を練り直し、特に駆動装置、電子制御、車内の熱管理などに関する先進技術を前倒しで取り入れていくもようだ。

●国内タクシー業界によるEV導入で普及加速へ

 更に、 タクシー業界も今後の日本勢の巻き返しに一役買うかもしれない。タクシーが呼べるアプリ「GO」で知名度を一気に高めたモビリティテクノロジーズ(東京都港区)は12日に「タクシー産業GX(グリーントランスフォーメーション)プロジェクト」を開始すると発表した。プロジェクトへの参画表明をしているGO加盟事業者に対し、トヨタの「bZ4X」や日産自の「アリア」「リーフ」といったEVを急速充電器の提供なども同時に行い31年まで最大2500台提供し、一気に業界のEV利用率を高めていくきっかけとする。モビリティテクノロジーズの中島宏社長は記者会見で、運輸業界のCO2(二酸化炭素)排出量は全産業中17%と大きな割合を占めており、そのなかで日常的に使われるタクシーをEV化し脱炭素化を進めることの意義を強調している。全国ハイヤー・タクシー連合会の川鍋一朗会長もタクシー業界におけるカーボンニュートラル達成について強い意気込みを述べており、今後の展開に期待感が高まりそうだ。タクシーに限らず、運輸業界全体にEV化の波が波及していくなかで、CO2削減に対する具体的な取り組み事例と実績を示すことができれば、日本勢のプレゼンスも大きく躍進することになるだろう。

●海外では72秒で充電できるEVバッテリー技術の発表も

 また、海外においてもEV普及が一段と加速することにつながる心強いニュースフローがみられている。スイスのスタートアップ企業がEVを72秒で充電できるバッテリー技術を発表したほか、自動車のロードサービスを提供する全米自動車協会(AAA)は、航続距離への不安を解消することなどを目的として、EV所有者向けに、モバイル充電などの新たなサービスを展開すると発表した。このように安心してEVが利用できる技術的・環境的な整備が進むなか、日本勢がこれまで築き上げてきた「ジャパンクオリティー」が日の目を見る局面も徐々に近づいているようだ。そこで、以下ではEVの本格普及や日本勢の巻き返しという意味においてカギを握る次世代電池のほか、EVに係る各製品を手掛けている幅広い銘柄に焦点を当てた。

●特殊陶、ジェイテクト、NOKなど注目

 日本電産 <6594> [東証P]~エンジンに代わって駆動力を発生させるモーターはもとより、電動パワーステアリングシステム、センシング用のカメラモジュールやミリ波レーダーユニットなどを幅広く手掛けるほか、これらを載せる車台の開発に着手している。米アップル<AAPL>やソニーグループ <6758> [東証P]などに見られるように多くの新興メーカーがEVに参入することが想定されるなか、パッケージ化されているEVプラットフォームの需要が高まる可能性はありそうだ。

 日本特殊陶業 <5334> [東証P]~EV化加速によって需要減少が見込まれる脱スパークプラグに向けた取り組みの一つとして、 全固体電池が挙げられ、同社では酸化物系固体電池でクラス最高水準の容量・サイズの固体電池を開発。既存のリチウムイオン電池は、液体の有機系溶剤を電解質として用いていることから液体が漏れて発火する懸念が指摘されている。一方で全固体電池は発火の恐れがないほか、劣化も少なく小型で大容量化が可能となるため、市場を大きく変える可能性がある。

 ジェイテクト <6473> [東証P]~自動車部品や工作機械、ベアリングなどの製造・販売を手掛ける。EVの市場拡大を見据え、従来のトルク伝達を行う差動装置であるデファレンシャル(デフ)を超小型化した「JTEKT Ultra Compact Diff.(JUCD)」を新たに開発。e-アクスルと呼ばれる電動駆動一体化システムの採用が急拡大しており、超小型デフの需要が高まることが見込まれる。

 ローム <6963> [東証P]~炭化ケイ素(SiC)パワーデバイスを手掛ける。SiCの持つ高周波特性と高温度性能により、充電システムの小型化や低損失化を実現する。同社とマツダ <7261> [東証P]、今仙電機製作所 <7266> [東証P]は今年11月に、SiCパワーモジュールを搭載したインバーターの共同開発契約を結んだと発表している。

 NOK <7240> [東証P]~オイルシールで高いシェアを誇るが、EVではエンジンが不要になることから、需要減速は避けられない。そのなかで、駆動力損失を低減し、低燃費・低電費に寄与する低フリクションシール、EVに求められている静粛性・腐食対策・熱マネジメントなどに貢献するシール製品やグリース「RUSTECTOR(ラステクター)」シリーズなどを開発している。

 リョービ <5851> [東証P]~EVがガソリン車と同等の航続距離を得るためには、電力消費率の向上が大きな課題となっており、同社ではeアクスルケース、モーターケース、車載充電器ケース、バッテリーケースなど、軽くて丈夫なアルミダイカスト製品を手掛けている。アルミニウムの比重は鉄の3分の1であり、多くの自動車部品が鉄製からアルミダイカスト製に置き換わる可能性が高い。

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