ウェーブロックHD Research Memo(8):関連会社株式の売却により財務体質の改善が進む
■業績動向
3. 財務状況と経営指標
ウェーブロックホールディングス<7940>の2023年3月期第2四半期末の資産合計は前期末比1,718百万円増加の25,974百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産ではクレアネイトの株式売却により現金及び預金が782百万円増加したほか、工場移設に備えて備蓄生産を行ったこともあり棚卸資産が809百万円増加した。固定資産ではクレアネイトの株式売却により投資有価証券が361百万円減少した一方で、エイゼンコーポレーションの連結化に伴いのれんが230百万円増加したほか、保険積立金が225百万円増加した。
負債合計は前期末比545百万円減少の9,948百万円となった。支払手形及び買掛金が117百万円、未払法人税等が691百万円それぞれ増加した一方で、有利子負債が1,572百万円減少した。純資産合計は同2,264百万円増加の16,025百万円となった。親会社株主に帰属する四半期純利益の計上2,289百万円に対して、配当金127百万円を支出した。
経営指標を見ると、株式売却で得た資金を活用し有利子負債を返済したことにより、有利子負債比率が前期末の34.4%から18.0%に低下し、自己資本比率が同56.6%から61.5%に上昇した。また、ネットキャッシュ(現金及び預金-有利子負債)も173百万円のプラスに転換するなど、財務体質の改善が進んでいる。なお、売却で得た資金については、有利子負債の返済だけでなくM&Aを含めた成長投資に活用しており、2022年4月にエイゼンコーポレーションを完全子会社化したほか、同年9月には業務用ビニールカーテン・シートのECサイトを運営するチームライクの株式を11.21%取得した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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提供:フィスコ