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苦手のまま→親から借金、「苦手回避」→7000万円の膨張
目指せ億トレ、頑張り投資家さんの稼ぎ技 めそさんの場合-第2回
第1回「ちょっと変わった分散ポートフォリオで、10倍株やTOB株もゲット」を読む
上がったものは下がり、下がったものは上がる。
これが、株式相場の常だ。リーマン・ショックでこの相場の大きなうねりに丸ごと飲み込まれてしまっためそさん(ハンドルネーム)は、それまで増やした運用資金1000万円をすべて吹き飛ばしただけでなく、借金300万円を背負い、債務超過に転落するというドン底状態にまで落とされる。
いったい、どうしてそんな目にあったのか。そして、そのドン底からどう復活し、学び、ステップアップしていったのか。
今回は、その内容を見ていく。
ちぐはぐなやり方が債務超過を招く
リーマン・ショックの「100年に1度」クラスの大暴落とはいえ、債務超過にまで陥っためそさんのヤラレ具合はかなり大規模なものだ。ここまで食らった原因は、本人が本来とるべき投資スタイルにフィットしないやり方で向かってしまったことにある。
その様は、真冬の寒さが襲う険しい山に、防寒具を装備しないまま出かけてしまったようなもの。そんな無謀な事をしでかしてしまったのは、これまでの成功体験に慢心してしまったことがある。
めそさんのしくじりは、「損切りが苦手」であるにもかかわらず「新高値ブレイク」と呼ばれるトレンドフォロー型の順張り投資に、「信用2階建て」と呼ばれる高リスクのレバレッジ投資を掛け合わせて挑んでしまったことだった。
損切りできないのは致命的
新高値ブレイク&信用2階建ての投資法は、株価がぐんぐん上がっていく場面では、含み益も加速度的に拡大していく。だが、反対に株価暴落の場面では、あっという間に含み損は拡大してしまう。だからこそ、人一倍、早めの損切りないし利確が欠かせない。
しかし、損切りが苦手な本人は、対応が結果的に後手に回る。100年に1度レベルの大暴落となったリーマンの時には、信用取引の委託保証金(担保)の評価額が急減、保証金の維持率が急低下を引き起こして、半ばパニック状態になってしまった。
早めに損切りを実行する覚悟なしに、高リスクの取引をしたツケがもろに出てしまった。
不動産に浮かれ、不動産にヤラレる
もう1つ、めそさんがリーマンでやられた原因を挙げると、特定のセクターや分野に集中投資していたことがある。リーマン直前に集中していたのがREIT(不動産投資信託)銘柄だった。
その中でも、経営破綻したニューシティ・レジデンス(現大和ハウスリート<8984>)に加え、日本レジデンシャル(現アドバンス・レジデンス<3269>)などに積極的に資金を注ぎ込んでいた。
REITに資金を集中投資したのは、それまでの投資経験が影響している。2001年、17歳の高校生だった頃に50万円を元手に投資を始めためそさんは、鳴かず飛ばずの数年間を過ごした後、03年頃から少しずつ儲けを出せるようになる。
きっかけとなったのは不動産株の購入。当時、書店で手に取ったマネー誌の記事を参考にした。この頃、不動産活用でキャッシュフローを生み出すビジネスが脚光を浴びており、記事では関連銘柄がいくつか紹介されていた。
めそさんはその事業モデルに将来性を感じ、早速、クリード(現在は上場廃止)、レーサム<8890>株を購入。うまく株価は上がり、この成功を弾みとし、利益拡大の流れに乗って陽のステージを進んでいく。
■レーサムの週足チャート(02年9月~07年3月)
成長株への順張り投資を会得
新高値ブレイクの成長株投資は、05年夏頃から始めた。投資に詳しい人から成長株投資を行う米国の著名投資家、ウィリアム・J・オニール氏が唱える投資法を教えてもらったことがきっかけだった。
この時、仕込んだ成長株には、ソフトウェア開発のサイボウズ<4776>、薬局向けにデータ管理システムを提供するEMシステムズ<4820>、携帯電話・デジタル家電などの販売促進を行うバックスグループ(上場廃止)など。積極的に成長株に食らいつき、ここでもリターン拡大を加速させた。
■EMシステムズの週足チャート(04年10月~08年2月)
しかし、あることをきっかけに、めそさんは「成長株はヤバイ」と思い、資金を別の分野に移さなくてはならないと考えるようになる。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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登場する銘柄
編集・構成/真弓重孝(株探編集部)、文・イラスト/福島由恵(ライター)
めそさん(ハンドルネーム・30 代・男性)のプロフィール:
祖母などからもらったお年玉で貯めた50万円を元手に17歳から株式投資を開始、現在は投資歴22年目に突入のサラリーマン投資家。マクロ的視野からその時々のトレンドを見極め、自身で味付けを加えて選別した170銘柄に分散投資し長期でバイ&ホールドするのが投資スタイル。リーマン・ショック時は1000万円の運用資産を全て溶かす大ヤラレを食らいながらも、完全復活を遂げる。現在は、割安で仕込んだ5つの10倍株を筆頭に着実に資産拡大中。投資家向けの勉強会にも積極的に参加しスキルアップも図る。普段は、国内経済や産業動向をウォッチする職業に就き、その知識や分析力を株式投資に生かしている。
祖母などからもらったお年玉で貯めた50万円を元手に17歳から株式投資を開始、現在は投資歴22年目に突入のサラリーマン投資家。マクロ的視野からその時々のトレンドを見極め、自身で味付けを加えて選別した170銘柄に分散投資し長期でバイ&ホールドするのが投資スタイル。リーマン・ショック時は1000万円の運用資産を全て溶かす大ヤラレを食らいながらも、完全復活を遂げる。現在は、割安で仕込んだ5つの10倍株を筆頭に着実に資産拡大中。投資家向けの勉強会にも積極的に参加しスキルアップも図る。普段は、国内経済や産業動向をウォッチする職業に就き、その知識や分析力を株式投資に生かしている。
第1回「ちょっと変わった分散ポートフォリオで、10倍株やTOB株もゲット」を読む
上がったものは下がり、下がったものは上がる。
これが、株式相場の常だ。リーマン・ショックでこの相場の大きなうねりに丸ごと飲み込まれてしまっためそさん(ハンドルネーム)は、それまで増やした運用資金1000万円をすべて吹き飛ばしただけでなく、借金300万円を背負い、債務超過に転落するというドン底状態にまで落とされる。
いったい、どうしてそんな目にあったのか。そして、そのドン底からどう復活し、学び、ステップアップしていったのか。
今回は、その内容を見ていく。
ちぐはぐなやり方が債務超過を招く
リーマン・ショックの「100年に1度」クラスの大暴落とはいえ、債務超過にまで陥っためそさんのヤラレ具合はかなり大規模なものだ。ここまで食らった原因は、本人が本来とるべき投資スタイルにフィットしないやり方で向かってしまったことにある。
その様は、真冬の寒さが襲う険しい山に、防寒具を装備しないまま出かけてしまったようなもの。そんな無謀な事をしでかしてしまったのは、これまでの成功体験に慢心してしまったことがある。
めそさんのしくじりは、「損切りが苦手」であるにもかかわらず「新高値ブレイク」と呼ばれるトレンドフォロー型の順張り投資に、「信用2階建て」と呼ばれる高リスクのレバレッジ投資を掛け合わせて挑んでしまったことだった。
損切りできないのは致命的
新高値ブレイク&信用2階建ての投資法は、株価がぐんぐん上がっていく場面では、含み益も加速度的に拡大していく。だが、反対に株価暴落の場面では、あっという間に含み損は拡大してしまう。だからこそ、人一倍、早めの損切りないし利確が欠かせない。
しかし、損切りが苦手な本人は、対応が結果的に後手に回る。100年に1度レベルの大暴落となったリーマンの時には、信用取引の委託保証金(担保)の評価額が急減、保証金の維持率が急低下を引き起こして、半ばパニック状態になってしまった。
早めに損切りを実行する覚悟なしに、高リスクの取引をしたツケがもろに出てしまった。
不動産に浮かれ、不動産にヤラレる
もう1つ、めそさんがリーマンでやられた原因を挙げると、特定のセクターや分野に集中投資していたことがある。リーマン直前に集中していたのがREIT(不動産投資信託)銘柄だった。
その中でも、経営破綻したニューシティ・レジデンス(現大和ハウスリート<8984>)に加え、日本レジデンシャル(現アドバンス・レジデンス<3269>)などに積極的に資金を注ぎ込んでいた。
REITに資金を集中投資したのは、それまでの投資経験が影響している。2001年、17歳の高校生だった頃に50万円を元手に投資を始めためそさんは、鳴かず飛ばずの数年間を過ごした後、03年頃から少しずつ儲けを出せるようになる。
きっかけとなったのは不動産株の購入。当時、書店で手に取ったマネー誌の記事を参考にした。この頃、不動産活用でキャッシュフローを生み出すビジネスが脚光を浴びており、記事では関連銘柄がいくつか紹介されていた。
めそさんはその事業モデルに将来性を感じ、早速、クリード(現在は上場廃止)、レーサム<8890>株を購入。うまく株価は上がり、この成功を弾みとし、利益拡大の流れに乗って陽のステージを進んでいく。
■レーサムの週足チャート(02年9月~07年3月)
注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同
成長株への順張り投資を会得
新高値ブレイクの成長株投資は、05年夏頃から始めた。投資に詳しい人から成長株投資を行う米国の著名投資家、ウィリアム・J・オニール氏が唱える投資法を教えてもらったことがきっかけだった。
この時、仕込んだ成長株には、ソフトウェア開発のサイボウズ<4776>、薬局向けにデータ管理システムを提供するEMシステムズ<4820>、携帯電話・デジタル家電などの販売促進を行うバックスグループ(上場廃止)など。積極的に成長株に食らいつき、ここでもリターン拡大を加速させた。
■EMシステムズの週足チャート(04年10月~08年2月)
しかし、あることをきっかけに、めそさんは「成長株はヤバイ」と思い、資金を別の分野に移さなくてはならないと考えるようになる。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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