Jトラスト Research Memo(4):第3四半期に通期利益予想をほぼ達成も、保守的な観点から通期予想を据え置く
■業績見通し
● 2022年12月期の業績見通し
Jトラスト<8508>の2022年12月期の連結業績については、営業収益79,000百万円(前期比86.7%増)、営業利益13,000百万円(同147.1%増)、税引前利益16,000百万円(同171.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益12,000百万円(同968.4%増)とする修正予想を据え置いた。金融事業が予想を上回って好調に推移していることから、2022年5月に続き8月に2度目の上方修正を発表しており、営業利益については2014年3月期以来の100億円超を見込んでいる。
同社は業績予想を保守的に発表する傾向があることから、2022年12月期についても修正予想をさらに上回る可能性が高いと弊社では見ている。実際、通期予想に対する進捗率は、営業収益で71.5%、営業利益で97.3%、税引前利益で98.4%、親会社の所有者に帰属する当期利益で99.9%となっており、利益項目は通期予想をほぼ達成している。同社では保守的な観点から業績予想を据え置いているものの、貸出や保証残高の拡大に伴い金融収益は増加することから、予想を大きく上回って着地する可能性が高いと弊社では見ている。
セグメント別営業利益予想について、東南アジア金融事業は268百万円の損失(前期は6,372百万円の損失)としているものの、第3四半期は大幅な収益改善により黒字化を実現し、BJIで貸出金残高が計画以上に伸びているほか、JTRBも順調な推移が見込まれていることから、保守的な予想であり、計画を上回り黒字化する可能性が高いと見られる。また、日本金融事業は3,739百万円の利益(前期比18.5%減)の予想ながら、安定的な業績貢献が見込まれる。韓国及びモンゴル金融事業は、2022年12月期第2四半期のJT親愛貯蓄銀行の子会社化に伴い13,039百万円の利益(同306.5%増)を予想しており、収益基盤強化により一層の業績貢献が期待される。
新たに2022年4月に子会社化したJTG証券についても、中長期的に収益貢献が見込まれ、同社グループの連結業績に相応の影響を与えると考えられるが、金融商品取引業の業績を適正に予想し、開示することは極めて困難であることから、業績予想には含めていない。さらに投資事業では、Group Lease PCL(以下、GL)向け債権を全額引き当て済みであることから、今後も判決次第では債権回収が進み利益計上されることになる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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提供:フィスコ