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【特集】繁忙期突入で快走する「カー用品」関連株、帰省シーズン控え大点検 <株探トップ特集>

カー用品関連銘柄は、コロナ禍でのニーズを果敢に取り込んできた。そして経済正常化を追い風に再び成長ロードを走り出そうとしている。

―メンテナンス需要取り込み、成長ロード復帰に向けエンジン始動へ―

 3年ぶりとなる、行動制限のない年末年始を迎えようとしている。こうしたなか、第8波突入で新型コロナウイルスの感染が拡大しており、今年もまた非接触ニーズから自動車による帰省や旅行が増加する可能性が高い。また、今冬も大雪・厳冬となることが懸念されており、冬用タイヤへの交換を始めとするカー用品需要や、自動車の点検などへのニーズが拡大することが予想される。帰省シーズンを前に活躍期待の高まる 「カー用品」関連株を点検した。

●“大雪感応度”で抜群の存在

 今年も寒い冬が訪れようとしている。気象庁が11月22日に発表した3ヵ月予報によると、年末年始にかけて寒さが強まる見通しだ。特に1月は「東・西日本日本海側では、冬型の気圧配置が強いため、平年に比べ曇りや雪または雨の日が多い」としており、今冬も大雪が警戒される。ここ数年、強烈な寒波により各地で大雪が発生し、車の立ち往生など交通の混乱が頻発したことは記憶に新しい。こうした状況に備えることで、スタッドレスタイヤなどの需要が高まり、カー用品関連株にとっては大きな収益機会となっている。国土交通省は先月29日、今冬の混乱を抑止するために「大雪時の大型車立ち往生防止対策」を発表。冬用タイヤの装着やチェーンの携行・装着の徹底などの指導・監査を今年も実施するという。

 「カー用品」関連株は、いわゆる“大雪関連”の一角としても注目され、そのなかでも極めて株価感応度の高い銘柄群だ。急激な寒波の流入により大雪をもたらすような気象状況の変化に、株価は敏感に反応してきた。大雪への警戒が強まることでカー用品関連株には思惑買いが流入、折に触れて投資家の熱い視線が向かうだけに、ここからの季節は注視が必要だ。

●新車不足でメンテナンス需要捉える

 「カー用品」関連株を巡る状況は、コロナ禍で大きく変化した。感染拡大による非接触ニーズの高まりは車による通勤需要などを掘り起こしたことで利用頻度が向上、つれてカー用品に絡む銘柄の株価も刺激することになった。更に、半導体不足による新車の納入遅れは中古車需要の拡大につながり、中古車購入ユーザー及び従来から利用する車のメンテナンス需要を捉えることになった。車の半導体不足については、解消までにはもう少し時間を要するとの見方が多いが、今後についてカー用品大手に聞くと、「将来的には、(新車納入回復ならば)メンテナンス需要は落ち着くとみている。ただし、ユーザーに根付いたメンテナンス意識に加えて、新車によるカーナビなどカーエレクトロニクス商品や車内のアクセサリー用品需要の復活が期待される」と話す。

●オートバクス、イエロハットはボリュームゾーン突入

 こうしたなか、カー用品関連銘柄の株価は、11月中旬から後半にかけて上値を指向したものの、ここ急速に調整を強いられているものも少なくはない。ただ、旅行需要の復活や強まるリオープンの動きに加えて、中・長期的視点に立てば新車需要の回復も期待されるだけに、カー用品関連株への追い風は強まりそうだ。

 オートバックスセブン <9832> [東証P]では、旅行需要の回復について「ポジティブな影響を受けると考えている。あわせて、車による移動が増加すれば、自動車用品やタイヤの消耗も発生することが考えられ、取り替え需要なども増加するのではないか。また、ロングドライブグッズに関連するカテゴリーの商品も拡大が見込まれる」(広報・IR部)という。下期については、「やはり降雪が関連することから、カー用品業界にとって、第3四半期が売上高及び利益のボリュームゾーンとなる」(同)としており、ここからの季節が勝負どころになる。

 同社の23年3月期上期(22年4-9月)決算は、営業利益で前年同期比20.2%増の35億400万円で着地。通期計画に対する進捗率は35%にとどまってはいるが、繁忙期はここからだけに今後の動向に注目が集まりそうだ。株価は長らく続いた1400円近辺でのもみ合いを経て、11月28日に1482円まで買われ年初来高値を更新。しかし、その後は再び調整局面入りし往って来いの状況に。ただ、10月度の月次売上高は既存店ベースで前年同月比6.9%増と好調継続のまま第3四半期に突入している。また、11月にはインターネットショッピングモール「楽天市場」へ、オフィシャルショップ「オートバックス楽天市場店」をオープンしていることも業績に寄与しそうだ。

 イエローハット <9882> [東証P]の23年3月期通期は、営業利益段階で前期比2.9%増の145億円を計画し最高益更新を目指す。上期(22年4-9月)決算の連結営業利益は、前年同期比35.4%増の58億4900万円となり、従来予想の45億円を上回って着地。カーナビやドライブレコーダーなどオーディオビジュアル商品は新車販売数の減少が響くものの、タイヤの販売は好調に推移。また、取付・整備作業やメンテナンスメニューを拡充、加えて需要が拡大している二輪事業の強化で攻勢をかけている。株価は9月に1883円まで買われ年初来高値を更新したあとは調整局面入りしたが、ここにきては浮上機運が漂う場面もあった。きょうで株価は6日続落となったが、とはいえこちらもボリュームゾーンを迎えており注目は怠れない。

●オートW、足もと業績は好調

 千葉県を地盤にカー用品店を展開するオートウェーブ <2666> [東証S]は、11月11日に業績予想の修正を発表。23年3月期営業利益を、従来予想の1億5400万円から2億4700万円(前期比66.0%増)へ、純利益を1億4600万円から2億2100万円(同57.1%増)へ上方修正した。タイヤ・車検を中心に旺盛な需要を取り込むほか、業務スーパーのフランチャイズ(FC)事業も手掛けており足もとの業績は好調だ。8月後半には100円水準に位置していた株価だが、上昇一途の波に乗り11月21日には長い上ヒゲで210円まで買われ年初来高値を更新。ほぼ3ヵ月で株価は倍化した。ここ上昇一服も180円近辺で頑強展開となっており、目が離せない状況が続いている。

●クルーバーはじわり煮詰まり感も

 中古カー用品の買い取り販売を手掛けるアップガレージと、新品カー用品卸売りのネクサスジャパンなどを運営するクルーバー <7134> [東証S]にも注目したい。上期(22年4-9月)の連結営業利益は前年同期比15.5%増の2億9100万円で着地。直営店売上高が好調に推移しており、中古の買い取り販売強化によって売上総利益率や客単価が向上した。足もとの既存店売上高は直営店、フランチャイズ店ともに堅調に推移しており、下期業績に期待感が出ている。株価は1600円台中盤に位置する75日移動平均線が下値抵抗ラインとなる形で1700円台前半でもみ合うが、じわり煮詰まりムードも漂う。

●フジコーポ、通期進捗率は99%

 関東圏を中心にして、タイヤやホイールの専売店を直営展開しているフジ・コーポレーション <7605> [東証P]も業績好調だ。タイヤは製品値上げによる利益の上積みが業績に貢献している。9月5日に発表した22年10月期第3四半期累計(21年11月-22年7月)の決算は営業利益が39億8700万円(前年同期は30億5700万円)と好調な伸びを示し、通期業績予想40億円に対する進捗率は99%に達した。加えて、売上高及び利益のボリュームゾーンとなる冬を迎えることから、業績の上振れ期待が高まりそうだ。また、PERは8倍程度と株価指標面でも割安感がある。

●成長ロードを快走するKeePer

 KeePer技研 <6036> [東証P]は、カーコーティング材料の製造・販売を行っているほか、サービスショップを直営及びFCで展開しており、カー用品関連の一角として注目してみたい。中古車市場が活況に沸くなかユーザーのニーズをがっちり捉え成長ロードを快走しており、投資家の視線も熱い銘柄だ。23年6月期通期の単独営業利益は前期比26.3%増の54億6300万円を計画。11月10日に発表した第1四半期(7-9月)の営業利益は、前年同期比46.6%増の11億7000万円で着地。9月1日から販売を開始した“キレイ”と“楽する”が両立できる新サービス「フレッシュキーパー」では、女性ドライバーや軽自動車ユーザーなど新しいニーズの掘り起こしにも懸命だ。11月からは、キーパーLABOのWebサイトで新コンテンツとして「お見積りシミュレーション」がスタート。既に最需要期の12月に入っているが、顧客の受け入れ態勢も万全だ。

 そのほかでは、「オートバックス」と「業務スーパー」を2本柱にFC展開しており切り口多彩なG-7ホールディングス <7508> [東証P]、商いは薄いものの大雪感応度が高く埼玉県を地盤にオートバックスのFC店を展開するバッファロー <3352> [東証S]などにも目を配っておきたい。

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