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1961 三機工業

東証P
2,876円
前日比
+6
+0.21%
PTS
2,878.8円
13:31 11/27
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
13.1 1.50 3.82 23.32
時価総額 1,572億円
比較される銘柄
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グリーン成長戦略に新局面、脱炭素テーマに乗る中小型株は出世株の宝庫 <株探トップ特集>


―150兆円投資でチャンス到来、「2050年カーボンニュートラル」へ突き進む日本―

 脱炭素 に向けた取り組みが世界的に加速している。今夏も世界中で猛暑や豪雨などの異常気象が頻発し、地球温暖化による気候変動への早急な対策が迫られている。一方、ロシアのウクライナ侵攻を契機とした資源価格の高騰によって、再生可能エネルギーのコスト競争力は高まっている。ウクライナ危機で欧州各国はロシアからの天然ガスパイプライン供給停止という地政学リスクを思い知らされ一時的に石炭依存が強まる状況にあったが、化石燃料の使用を減らすという脱炭素のテーマには背くことになる。今、改めて世界は危機感を持って脱炭素に向けて舵を切りつつある。

●脱炭素経営は投資マネーも取り込む

 国内に目を向けると、政府は「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定し、今年6月にはGX(グリーントランスフォーメーション)の推進を掲げた「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」を閣議決定した。今後10年間に官民で150兆円規模のGX投資を実現するロードマップを年内にも取りまとめる方針で、脱炭素の推進に向け資金面で強く後押しする構えにある。この「前例にない規模・期間」の支援措置は、カーボンニュートラル 達成に向けた中小企業をはじめとする産業全体の競争力を底上げさせる狙いがあり、政府の本気度の表れといってもよい。

 民間では、これまで中小企業の企業経営において、気候変動対策はコスト増加につながると捉えられ敬遠されがちであったが、コロナ禍を経て意識の変化が見られる。政府による資金や税制、人材などへの支援を追い風に、大企業でなくても脱炭素に取り組みやすい環境が整えられつつある。また、株式市場目線では、積極的に脱炭素経営に取り組むことはESGの観点から企業イメージの向上につながり、投資マネーも集まりやすい。

 こうしたなか、エネルギー大手企業は相次いで再生可能エネ部門を強化しており、トヨタ自動車 <7203> [東証P]などではサプライヤーに対して、二酸化炭素(CO2)削減目標を要請している。また、大手ハウスメーカーは、戸建て住宅のZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)標準化や太陽光発電 の導入を促進している。今後は30年代に本格導入されるCO2の排出に負担を求める「カーボンプライシング」に関する議論の行方も注目される。ここからは将来有望とみられる関連銘柄を紹介していく。

●研究開発投資により成長機会獲得のマイクロ波

 今年6月に東証グロース市場に新規上場したマイクロ波化学 <9227> [東証G]は、電子レンジなどで使われるマイクロ波プロセスの研究開発やマイクロ波プロセスを用いた製造・販売及びライセンス事業を手掛け、マイクロ波による省エネ製造技術などで注目を集めている。カーボンニュートラルへの関心の高まりなどから、同社の新規契約獲得数は21年3月期9件、22年3月期18件と順調に推移し、23年3月期は25件を計画している。株価は10月初旬を境に急動意、初動時から11月21日の高値形成まで約3.5倍化した。

●電力コンサルで中小企業をサポートするグリムス

 グリムス <3150> [東証P]は中小製造業向けを中心に電力料金削減などを提案する電力コンサルティングや太陽光発電システムの販売を手掛けている。また、蓄電池の販売や電力小売り事業も行っている。10月31日に発表した23年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結営業利益は、11億9900万円(前年同期比37.4%減)だった。6月下旬から9月中旬にかけて電力市場価格が急騰したことにより減益を余儀なくされたが、太陽光発電システムや蓄電池の需要が旺盛で期初計画の10億4800万円から上振れて着地している。

●商業施設回復が追い風となる三機工や高砂熱

 三機工業 <1961> [東証P]は産業空調やビル空調衛生、電気設備、搬送システム、上下水処理設備などを幅広く展開するが、省エネとともに快適性を追求したシステムで付加価値を高めている。11月11日に発表した23年3月期第2四半期累計(4-9月)の受注高は1189億1400万円(前年同期比23.2%増)と伸長した。今後インバウンド需要の復活などを背景に商業施設の回復が予想されるなか、同社の収益環境に追い風が期待できる。また、空調設備工事大手の高砂熱学工業 <1969> [東証P]も注目度が高い。コロナ禍などを受け23年度までの中期経営計画を取り下げたが、23年度に新ビジョンを公表する予定。カーボンニュートラルに向けた取り組みが重要性を増している足もとの状況を踏まえ、一段と「環境事業」などへの投資を推進していくとしている。

●住宅分野でZEH関連に注目

 政府は住宅ローン「フラット35」の新築住宅への融資について、23年4月からは断熱性能などで一定の省エネ基準を満たすことを条件とする方針で、今年10月からは省エネ性能が高いとされるZEHの金利を最大0.5%引き下げた。この分野で強みを持つ注文住宅のタマホーム <1419> [東証P]やウレタン断熱材「アクアフォーム」の施工・販売を手掛ける日本アクア <1429> [東証P]、ZEHの普及に向け温熱エネルギー計算サービスを提供するエヌ・シー・エヌ <7057> [東証S]などが注目される。

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