1日の米国市場ダイジェスト:NYダウは194ドル安、景気後退懸念が重し
■NY株式:NYダウは194ドル安、景気後退懸念が重し
米国株式市場はまちまち。ダウ平均は194.76ドル安の34395.01ドル、ナスダックは14.45ポイント高の11482.45で取引を終了した。11月ISM製造業景況指数がパンデミック以降で最低水準に落ち込んだため景気後退入りを懸念した売りに寄り付き後、下落。同時に、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ減速の思惑に長期金利がさらに低下したためハイテクが買い戻され、相場の下値を支えた。ダウは終日軟調も、ナスダック総合指数はプラス圏を維持し、まちまちで終了。セクター別では、耐久消費財・アパレルが上昇した一方で食・生活必需品小売りが下落した。
カルバンクラインやトミーヒルフィガーなどのブランドを運営する(PVH)は、通年の売り上げが予想レンジの上限で終了する可能性を示す楽観的な見通しが好感され、上昇した。インターネット・アプリケーション・ソフトウエア開発会社のオクタ(OCTA)は四半期決算で損失予想に反し横ばいにとどまったほか、見通しも予想を上回り、大幅高。また、ソフトウエア・ソリューションのスノーフレーク(SNOW)はアナリストが長期にわたる同社に対する強気の見方を再確認したため、上昇した。一方で、会員制倉庫型卸売・小売会社のコストコホールセール(COST)は11月の売り上げが9月、10月に比べ減少したため年末商戦の売り上げに悲観的見方が広がり、下落。ディスカウント小売りのダラー・ゼネラル(DG)は四半期決算で1株利益が予想を下回ったほか、コストの上昇を理由に通年の見通しを引き下げ、下落した。投資会社のブラックストーン(BX)は富裕層対象とした同社の不動産投資ファンドの引き出しが限度に達したことが警戒され、下落。
NY連銀のウィリアムズ総裁はインタビューで、インフレが連邦準備制度理事会(FRB)が直面している最大の課題で、かなり高過ぎるとの見解を繰り返した。
HorikoCapitalManagementLLC
■NY為替:米経済指標悪化で利上げ減速正当化、ドル全面安
1日のニューヨーク外為市場でドル・円は、136円32銭から135円21銭まで下落して135円35銭で引けた。米10月コアPCE価格指数が予想通り前月から鈍化。さらに、11月ISM製造業景況指数が予想以上に低下しパンデミックによる経済封鎖直後の20年5月来で初めて活動縮小となったほか、米10月建設支出も伸びが予想以上に鈍化したため景気後退懸念が一段と強まり、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ減速の思惑に長期金利低下に伴うドル売りが加速。
ユーロ・ドルは、1.0433ドルから1.0534ドルまで上昇し1.0525ドルで引けた。ユーロ・円は143円13銭まで上昇後、142円07銭まで反落。米景気後退懸念にリスク回避の円買いが加速。ポンド・ドルは、1.2181ドルから1.2312ドルまで上昇した。ドル・スイスは、0.9453フランから0.9365フランまで下落した。
■NY原油:続伸で81.22ドル、ドル安などを意識した買いが入る
NY原油先物1月限は続伸(NYMEX原油1月限終値:81.22 ↑0.67)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物1月限は、前営業日比+0.67ドルの81.22ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは79.93ドル-83.34ドル。アジア市場で79.93ドルまで下げたが、ドル安と米長期金利の低下を受けた買いが強まり、ニューヨーク市場で83.34ドルまで一段高となった。通常取引終了後の時間外取引ではやや上げ渋り、81ドル台で推移。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 36.55ドル -1.08ドル(-2.87%)
モルガン・スタンレー(MS) 93.00ドル -0.07ドル(-0.08%)
ゴールドマン・サックス(GS)383.81ドル -2.34ドル(-0.61%)
インテル(INTC) 29.83ドル -0.24ドル(-0.80%)
アップル(AAPL) 148.31ドル +0.28ドル(+0.19%)
アルファベット(GOOG) 101.28ドル -0.17ドル(-0.17%)
メタ(META) 120.44ドル +2.34ドル(+1.98%)
キャタピラー(CAT) 235.69ドル -0.72ドル(-0.30%)
アルコア(AA) 49.10ドル -1.03ドル(-2.05%)
ウォルマート(WMT) 153.37ドル +0.95ドル(+0.62%)
《ST》
提供:フィスコ