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【特集】差別化戦略の隠れた切り札、「CX」関連株に上昇機運 <株探トップ特集>

同業他社との差別化が難しくなっており、企業が一段と成長するためには自社の商品やサービスに触れる顧客に魅力ある体験価値を提供することが重要となっている。そこで注目度が高まっているのが「CX」だ。

―欠かせない感情へのアプローチ、顧客体験価値の向上が経営課題に―

 あらゆる産業で新たなデジタル技術を利用して、これまでにないビジネスモデルを展開する新規参入者が登場し、企業は変化に素早く対応しなければ存続し続けることすら難しいような状況となっている。こうしたなか、テクノロジーにより産業構造を変化させることを意味するデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みが進んでいるが、そこで重要となるのがDXを推進する具体的な目的。同業他社との差別化が難しくなっている現在、急速に注目を集めているキーワードが「カスタマー・エクスペリエンス(CX)」だ。

●コト消費の需要増で注目度アップ

 CXとは、商品やサービスの価値を高める顧客体験のこと。機能・性能・価格といった「合理的な価値」だけでなく、購入するまでの過程や使用する過程、購入後のフォローアップなどの過程における「感情的な価値」なども含まれる。似たような言葉で混同されやすいCS(顧客満足度)は、商品やサービスに対してどの程度満足しているかを数値化したもので「Customer Satisfaction(カスタマー・サティスファクション)」と表現される。CXが感情的・心理的な体験に対する価値であるのに対し、CSは商品やサービスに対する満足度を図る指標である点に違いがある。

 総務省が7月に公表した2022年版の情報通信白書によると、DXに関する取り組みを進めている国内企業は約56%で、その目的は「生産性向上」が約75%と最多。「顧客体験の創造・向上」は約32%にとどまっているが、中国企業は約59%、米国企業は約49%となっており、今後は日本企業の間でも重要視する動きが強まりそうだ。

 国内消費の成熟化が進み、商品やサービスが消費しきれないほど市場にあふれ、欲しいものが容易に手に入るようになったことで、モノの価値から精神的な豊かさ(いわゆるコト消費)が求められるようになっている。企業が一段と成長するためには魅力ある体験価値を提供することが必要となっており、それを支援する企業に注目したい。

◎ネットイヤーグループ <3622> [東証G]

 モスバーガーのCX最大化を総合支援

 ネットイヤーは、デジタル時代のマーケティングコンサルティング、デザイン思考によるUX、サービスデザイン、システム開発、マーケティングツールの企画販売などを通じ、企業のロイヤルティーマーケティングやエンゲージメント強化を支援している。直近ではモスフードサービス <8153> [東証P]の良質な顧客体験の提供に貢献するため、あらゆる顧客データを一元管理するCRM基盤システムの構築からCXデザインまで、領域を横断した総合支援を行っており、今後の動向が注目される。

◎プレイド <4165> [東証G]

 経産省のIT導入補助金対象ツールに登録

 プレイドは、Webサイトやアプリケーションを利用する顧客の行動をリアルタイムに解析して一人ひとり可視化し、個々の顧客にあわせた自由なコミュニケーションをワンストップで実現するCXプラットフォーム「KARTE」を提供している。経済産業省が推進するサービス等生産性向上IT導入支援事業「IT導入補助金2022」の対象ツールとして登録されており、中小企業や小規模事業者などは導入費用の一部について補助を申請することができる。

◎Kaizen Platform <4170> [東証G]

 NTT西日本のプロジェクトを共同実施

 カイゼンは、デジタル上の顧客体験を改善し、重要業績評価指標(KPI)の向上を実現するソリューションの提供を通じて、あらゆる企業の事業成長のパートナーとしてセールス・マーケティング・カスタマーサービス領域のDXに取り組んでいる。NTT <9432> [東証P]傘下のNTT西日本が取り組むCX改善の一環として、Web上での顧客体験向上に向けたDXプロジェクトを共同で実施した実績があり、同プロジェクトではWebサイトのリニューアルを皮切りに、申し込みフォームの改善や集客、CRM領域まで、CXの上流から下流までを支援した。

◎インテージホールディングス <4326> [東証P]

 CXモニタリングサービスの提供開始

 インテージHの傘下、インテージはCXマネジメント支援サービスの一環として、このほどCXモニタリングサービスの提供を開始した。このサービスは、CS調査などを通じて蓄積してきたノウハウを生かし、CX推進で重要なリサーチとモニタリングの手法を標準化したもの。CXへの取り組みの状況に関わらず簡単に活用することができ、どう取り組みを始めるか迷っている企業やスピーディーに取り組みを始めたい企業にとってはスタートアップキットとなる。

◎サイジニア <6031> [東証G]

 グループ会社が各種ソリューションを手掛ける

 サイジニアのグループ会社、ZETAは消費者のあらゆる体験を包括したマーケティングを実践するソリューション「ZETA CXシリーズ」の開発・提供を行っている。今夏には、商品説明やクチコミなどからホットなキーワードを抽出し、CX向上及びSEO(検索エンジン最適化)改善が期待できるハッシュタグ活用エンジン「ZETA HASHTAG」の提供を開始。「ZETA CXシリーズ」の既存のプロダクトであるEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」やレビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」との連携により更なる効果が発揮できるという。

◎エフ・コード <9211> [東証G]

 CX向上を通じたCVR改善を幅広く支援

 エフ・コードはこのほど、有人チャットサービスを提供するnene(宮崎県宮崎市)と業務提携した。neneはWebサイトでの対応(受注・CS)で、コンバージョン(CV=商品購入や資料請求など売り上げ拡大につながるユーザーの行動全般)改善やコスト削減のノウハウや実績を豊富に持っており、エフ・コードは提携を機に顧客のマーケティング課題の解決に向けて、両社の強みを組み合わせることで、CX向上を通じたコンバージョン率(CVR)の改善を幅広く支援していく構えだ。

●シルバエッグ、パークシャなどにも注目

 このほか、リアルタイム・レコメンドサービス「アイジェント・レコメンダー」を手掛けるシルバーエッグ・テクノロジー <3961> [東証G]、グループ会社がMS&ADインシュアランスグループホールディングス <8725> [東証P]傘下のあいおいニッセイ同和損害保険にAI音声対話エンジンを提供したPKSHA Technology <3993> [東証S]、SOMPOホールディングス <8630> [東証P]傘下の損害保険ジャパンのモバイルデバイス向け代理店システムでチャットシステムや連携システムの構築を行ったモビルス <4370> [東証G]、顧客の声をチャネル横断的に一元管理する「VOCマーケティング」を扱うトランス・コスモス <9715> [東証P]なども関連銘柄に挙げられる。

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