Iスペース Research Memo(8):インターネット広告事業とメディア運営事業の営業利益構成50:50を掲げる
■今後の見通し
2. 成長戦略
インタースペース<2122>はインターネット広告事業の安定成長に加えて、メディア運営事業の成長を加速していくことで、中期的に営業利益の構成比を50:50とし、バランスの取れた事業構成にすることを目指している。今後の取り組むべきテーマとして、インターネット広告事業では、組織の最適化による収益力強化、付加価値プロダクトの拡販、自社ストック商材の強化、海外事業の収益化とさらなる成長を掲げている。一方、メディア運営事業では、コンテンツ型メディアにおいて「ママスタ」に続く収益柱となるメディアの育成、比較・検討型メディアへのコンテンツ投資と収益力強化、課金型サービスなど新たな収益モデルの確立などを挙げている。
主力のアフィリエイト広告市場は、インフルエンサーマーケティングも含めて費用対効果の高い広告手法として今後も引き続き年率1ケタ台後半のペースで成長していくものと予想される。特に東南アジア市場に関しては、業界に先駆けて市場を開拓してきたアドバンテージを生かし、年率2割以上の高成長を目指していく。国内でのストアフロントアフィリエイトについても、継続課金型モデルで新規商品・サービスを創出することで着実な成長を目指す。
一方、メディア運営事業については、「ママスタ」が子育て世代の女性に対する圧倒的なリーチ力を背景に安定した収益を獲得するなかで、これらの収益を新規事業開発への投資に振り向けてきた。コンテンツ型メディアでは、「saita」「4MEEE」「ヨガジャーナルオンライン」などが着実に成長し、一定程度の開発費を投入しても利益を生み出せる構造に変わってきている。今後は「ママスタ」との連携強化によるシナジーも高めながら成長を目指していく。課金型サービスも含めてフェムテック領域での取り組みが軌道に乗れば、成長ポテンシャルもさらに高まっていくものと予想される。
現在、海外事業やメディア運営事業で抱えている課題を解消できれば収益成長スピードもさらに加速していく可能性があり、豊富な手元キャッシュを活用したM&A戦略の動向も含めて今後の展開に注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《SI》
提供:フィスコ