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無風通過がコンセンサスも楽観視できない状況/後場の投資戦略


日経平均 : 28745.42 (+266.41)
TOPIX  : 1987.17 (+10.57)


[後場の投資戦略]

 日経平均は、前日の25日移動平均線をサポートとしたリバウンドから綺麗に続伸し、5日線も上回ってきている。今晩のジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長による講演の無風通過、その後のあく抜け相場を期待した動きが強まっているようだ。テクニカル面でも強気派を勢いづかせそうな形となっている。

 前日の米株式市場では、ハイテク・グロース株を中心に大幅に上昇。8-10月見通しが市場予想を下回り、株価下落が懸念された半導体大手エヌビディアは+4%と想定に反して上昇し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)も+3.66%となった。エヌビディアは世界景気の減速でパソコンやゲーム向けの需要が低迷する見通しを示したが、モルガン・スタンレー証券では「ゲーム部門は8-10月が業績の底になる」と指摘しているという。こうした見方や、タカ派発言を警戒して上昇してきた米金利が、パウエル議長講演後には低下に転じるとの期待が、前日の株価上昇の背景にあるようだ。

 しかし、半導体市場の先行きについては見方が分かれており、クレディ・スイス(CS)などはメモリから始まった在庫調整が今後、現在は好調なロジック分野にも秋口からは波及し始めるとし、最終需要の弱さを前提とした深刻な半導体在庫調整サイクルの見解を維持している。

 金利も、ジャクソンホール会議後は再び低下することを見込む向きがいるようだが、果たしてどうだろうか。来週末には米8月雇用統計を控えており、前回7月が予想を大幅に上振れた経緯を踏まえれば、事前の警戒はそれなりに高いだろう。雇用統計前に金利が再びハイテク・グロース株の追い風になる程に大きく低下するとはやや想定しにくいのではないだろうか。

 今晩のパウエル議長の講演は無風通過が予想されている。むしろ、当初はタカ派を警戒する声が多かっただけに、イベント通過後はあく抜けで短期的には上昇の可能性が高いとすら考えられている。連日で、複数の米連銀総裁からタカ派発言が相次いでいる中、株式市場はほとんど意に介さず、結局利下げに転じるのではないかという期待を持ったままでいるようだ。ブルームバーグが算出している米国での金融緩和の度合いを示す金融状況指数(US financial conditions)は、利上げが開始された今年の3月よりも緩和的な状況に転じていることが示されている。

 こうした中、中央銀行としてのインフレ抑制の決意を示し、市場の楽観を修正するためにパウエル議長がよりタカ派な発言を行う可能性も捨てきれない。仮に無風通過となっても、今後控える米雇用統計をはじめとした経済指標を前に、あく抜け相場の持続性は短いものと想定される。今はまだ買いの攻勢に出る時でないと考える。(仲村幸浩)
《AK》

 提供:フィスコ

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