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9066 日新

東証P
4,665円
前日比
-105
-2.20%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
6.5 0.70 4.29 13.22
時価総額 946億円
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日新 Research Memo(1):2022年3月期の各利益は過去最高を更新。第7次中期経営計画を始動


■要約

1. 会社概要
日新<9066>は1938年に創業し、優れた海外ネットワーク網が強みの独立系総合物流企業である。国際総合物流のパイオニアとして海上輸送、航空輸送、鉄道輸送、トラック輸送、倉庫、引越、通関など物流全般にかかわる事業を幅広く展開している。強みである海外ネットワークと国際物流を生かし、海外事業展開及び顧客ニーズに合致した新たなビジネスモデルをグループ一体となって創出することで、顧客から信頼され評価される「グローバル・ロジスティクス・プロバイダー」を目指している。

2. 業績動向
2022年3月期の連結業績は、売上高が前期比23.6%増の192,699百万円、営業利益は同248.4%増の9,098百万円となり、各利益は過去最高を更新した。また期初計画比では、売上高で31.1%増、営業利益で127.5%増となり、計画を大きく上回って着地した。物流事業では、海上コンテナ不足と米国西海岸の混雑によって2021年3月期第3四半期から急増している航空シフトの需要を着実に捉えたことに加え、好調な荷動きが継続し、需給逼迫のなかでも輸送スペースを確保した結果、取扱いが増加した。旅行事業においては、厳しい経営環境が続くなかで経費削減施策を進めた結果、営業損失額は大幅に改善した。

2023年3月期の連結業績については、売上高で190,000百万円(前期比1.4%減)、営業利益で8,500百万円(同6.6%減)を見込んでいる。物流事業では旺盛な貨物需要は当面継続すると見込まれるものの、スポット案件の剥落等が予想され減収減益見込み。一方、旅行事業においては、徐々に海外業務渡航の取扱人数は回復に向かうと同社では予想しており、営業利益の黒字化は2024年3月期の見込みとなっている。

3. 中期経営計画
第6次中期経営計画は2022年3月期が最終年度となり、2023年3月期から第7次中期経営計画「Nissin Next 7th」(NN7)が始動した。第6次中期経営計画の最終年度となる2022年3月期はこれまでから一転し、物流事業では旺盛な貨物需要の下、同社の専門性とネットワーク力を生かしたスポット案件(代替輸送、緊急輸送)を着実に受注に結びつけ、旅行事業では徹底的な経費削減の努力をした結果、短期間で収益が改善し、過去最高益を達成した。重点3分野も全分野で当初計画を超過達成するなど、好調に推移した。

第7次中期経営計画では、これまでの物流事業の「規模の経済」から脱却して、「利益/キャッシュフロー」重視へ方向転換し、経営の効率化と安定的高収益体質の確立を目指している。フェーズ1(2023年3月期~2024年3月期)の2年間で強固な経営基盤を確実に構築し、フェーズ2(2025年4月期~2027年3月期)の3年間で大きな飛躍の実現とより高い企業価値の創造を目指す。数値目標としては、フェーズ1※では、2024年3月期に売上高1,900億円、営業利益85億円、経常利益90億円、親会社株主に帰属する当期純利益65億円、自己資本利益率(ROE)8.0%程度、フェーズ2では、2027年3月期に売上高2,750億円、営業利益110億円、経常利益115億円、親会社株主に帰属する当期純利益86億円、ROE9.0%程度を目指す。

※第7次中期経営計画策定時は、数値目標として2024年3月期に売上高2,140億円、営業利益75億円、経常利益80億円、親会社株主に帰属する当期純利益60億円、ROE7.8%程度としていたが、物流事業では旺盛な貨物需要が当面の間継続が見込まれること、旅行事業でも入国規制の緩和等により海外業務渡航の回復が予想されることから、2022年5月に修正した。


■Key Points
・2022年3月期の各利益は過去最高益を更新
・2023年3月期より第7次中期経営計画「Nissin Next 7th」(NN7)を始動。フェーズ1は事業基盤・経営基盤の構築、フェーズ2で成長を軌道に乗せる計画
・将来の成長ドライバーとなるDX推進を強化

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)

《YM》

 提供:フィスコ

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