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4080 田中化学研究所

東証S
475円
前日比
-8
-1.66%
PTS
470円
21:17 12/20
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.0 0.85 0.84
時価総額 155億円
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勝率9割の11月相場突入!「攻めの好業績テーマ株」急先鋒6銘柄 <株探トップ特集>


―好業績と成長性の原動力は何か、ここから本領発揮が期待される本命株を探し出せ―

 企業の決算発表たけなわとなっているが、この時期は好決算銘柄に対するマーケットの視線が一段と熱を帯びる。好決算であっても決算発表直後は利食い急ぎの動きが表面化して株価が下に振られるケースも少なくないが、実態が伴う株は拾われ、結局上昇トレンドに復帰する。また、強い株は決算発表を契機に更なる高みを目指す動きとなる。こちらは順張り投資の典型であり、潜在的な売り玉が少ない実質品薄状態の銘柄に多くみられる。いずれにせよ、11月は株式市場にとって上値を指向しやすい月で個別株投資にも有利に働く。ここは決算発表を通過した銘柄の中から、好業績でなおかつテーマ性の高い銘柄に焦点を絞り、キャピタルゲイン獲得を狙いたい。

●先駆する欧米株へのキャッチアップを狙う

 週末5日の東京株式市場は日経平均が反落したが、週明けに750円あまりの急騰をみせていたことを考慮すれば、目先上昇一服は予想されたところ。3万円大台手前では、いったんキャッシュポジションを確保したいという機関投資家の思惑もあって戻り売り圧力が強く、ここで全体株価が逡巡することは想定の範囲といってよい。

 海外に目を向けると欧米株市場は上値追い指向が強い。主要3指数が最高値圏で強調展開を示す米国はもとより、ドイツ株式指数(DAX)が直近で史上最高値を更新、フランスの株価指数CAC40も最高値更新が続く状況にある。アジア株市場は、中国の不動産バブル収縮を警戒するムードが重荷となってはいるものの、不動産大手・恒大集団がもたらしたネガティブ・シナリオについては、これまでの経緯で株式市場への織り込みが相応に進んでいる。過度な弱気に与(くみ)する必要はない。

●4-6月期絶好調で7-9月期も勢い継続

 コロナ禍で前期の企業業績は落ち込んだが、今期はその反動がプラス方向に大きく顕在化している。グローバル規模で巨額の財政出動や超緩和的な金融政策が打ち出されたことが大きい。足もとでは21年7-9月期の決算が次々と明らかになっているが、「製造業を中心に概ね想定以上の健闘が目立つ」(ネット証券アナリスト)状況にある。1四半期前の4-6月期の決算はどうだったかというと、上場企業の最終利益の合計は11兆3000億~11兆4000億円規模に膨らみ、前年同期比で約3倍弱となり同期間としては過去最高を記録している。そして7-9月期もこれと遜色のない結果が予想される。当然ながら通期見通し上方修正の動きも活発化することになる。

 ここにきて世界の中央銀行が引き締め方向に動き、米国でもFRBが直近行われたFOMCでテーパリング(量的緩和縮小)の開始を正式決定したが、それでも過剰流動性の実態にしばらく変化は出ない。FRBのバランスシートは来年前半も依然として膨張を続ける状態にある。企業業績が好調な中にあって、流動性も維持された環境下にあるわけで、株式市場は上値指向の強い地合いが継続しそうだ。途中波乱含みの下げがあっても、それはあくまでガス抜きであり、後で見れば拾い場となっていたというパターンとなるのは、これまで何度も繰り返されてきた情景だ。

●11月相場はこの6銘柄に要注目

 そうしたなか、11月は日経平均・TOPIXともに過去10年間で見た騰落(月末比)が9勝1敗という高勝率の月となる。ここは個別株も攻めの姿勢で果実を手にしたい。その際に決算発表前に好決算を先取りする狙いで買いを入れるのはリスクが大きい。株価は当該企業の実態をどこまで織り込んでいるのか、市場の事前コンセンサスまで読み込まなければ、決算内容だけで株価の方向性を見極めるのは困難だからだ。しかし、決算発表を通過した企業(もしくは開示前でも修正発表済みの企業)については、純粋に好業績銘柄に対する視点で、見直し余地が大きいと思われる株を選別することが可能となる。

 そして、業績好調銘柄には必ず収益を押し上げる役割を担う成長エンジンがある。今回のトップ特集では、その成長エンジンにもスポットを当て、株価の先高期待が強い有望株を6銘柄選りすぐった。

【日本特殊陶業】半導体パッケージの特需に沸く

 日本特殊陶業 <5334> は自動車用点火プラグの世界トップメーカーだが、半導体パッケージでも高い実績を有する。半導体パッケージはICチップ保護や電気信号伝達などで必須のデバイスとなっている。22年3月期業績は会社側の想定を上回る利益率向上を受けて、営業利益を従来予想の500億円から685億円(前期比45%増)に大幅上方修正した。高速通信規格5Gサービスの本格離陸や企業のリモートワーク導入加速を背景としたデータセンター増設が半導体需給を逼迫させている。これを受けて半導体設備投資需要が旺盛となるなか、同社の半導体製造装置用部品が高水準の伸びを示し業績に貢献している。好決算を背景に株主還元も強化し、年間配当は従来計画の74円から96円に大幅増額しており、前期実績比で実に36円の大幅増配となる。配当利回りは5%台と非常に高い。株価は直近急動意しているが、年初来高値2154円奪回に向け上値追いが続きそうだ。

【コムチュア】DX投資需要囲い込み驚異の成長

 コムチュア <3844> は独立系のシステムインテグレーターで、クラウドを主力にビッグデータとAI・IoTを駆使したソリューション事業を展開、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資需要を捉え、躍進という形容がふさわしい収益成長を続けている。22年3月期は2ケタ増収効果により営業利益が38億円(前期比21%増)予想と過去最高利益を大幅更新見通しにある。連結決算に移行した12年3月期をスタート地点に今期で11期連続の増益、10期連続の過去最高利益更新という成長ぶりである。クラウドソリューションは時代のニーズを捉え需要開拓余地が大きい。足もとでは不動産会社向け顧客情報システム構築に加え、ネット系情報サービスや建設業界向けクラウド化・デジタル化案件が増勢で収益を押し上げている。株価は今月2日に3420円で上場来高値をつけた後一服していたが、直近ここを上回り最高値街道に復帰。目先の押し目は強気に買いで対処して報われる公算が大きい。

【東京製鐵】鉄鋼需給逼迫背景に値上げ効果浸透

 東京製鐵 <5423> は独立系の電炉 大手で業界トップの実績を有する。鉄鋼需給は世界的に逼迫しており、同社は市況高を背景に値上げによる鋼材マージン拡大効果で業績は絶好調に推移。世界的なカーボンニュートラル志向も低炭素な電炉鋼材へのニーズ発現につながっている。22年3月期業績見通し(単独)は10月下旬に期中2度目となる増額修正を行っており、売上高は従来予想の2440億円から2740億円(前期比94%増)と300億円も上乗せ、営業利益は220億円から310億円(同7.8倍)に増額し、驚異的回復を果たす見込み。株価は上方修正をサプライズに急動意し、10月26日に1368円の年初来高値を更新。これはリーマン・ショック前の2008年6月以来約13年4ヵ月ぶりの高値水準となる。その後は目先筋の利益確定売りで調整を入れているものの、ここは狙い目。時価はPER5倍前後と超割安であり、早晩切り返し新高値圏への再浮上を狙う。

【有沢製作所】EV向けFPC材料の需要開拓へ

 有沢製作所 <5208> はプリント基板向けを主力に樹脂加工製品主体の電子材料を手掛けるほか、ディスプレー材料も展開する。世界的に5Gサービスが本格化するなか、基地局や5G対応スマートフォン、データセンター増設需要などが電子材料のニーズを高め業績は回復色が強い。また、電気自動車(EV)の普及加速を背景に自動車業界においても電子部品軽量化や小型化を目的としたFPC材料の採用が進んでいるが、同社は回路基板に必要な高電流に対応したフレキシブル銅張り積層板を独自ノウハウで生産し、今後の需要開拓が期待されている。22年3月期業績は営業利益段階で33億円(前期実績31億1800万円)と増益を見込むが、今上期時点では営業利益が20億4800万円と従来計画を1億5000万円程度上回って着地した。来期は2ケタの利益成長が有力視され、株価は4ケタ大台回復から、今年3月16日につけた年初来高値1118円の奪回が見込める。

【霞ヶ関キャピタル】太陽光発電にフォローの風

 霞ヶ関キャピタル <3498> [東証M]は不動産コンサルティング事業と、太陽光・風力・バイオマスなどの再生可能エネルギーを対象とした開発・事業投資を展開する。再生エネ発電施設の需要が増加するなか、インフラファンド市場の市場規模は拡大の一途をたどっており、同社の収益環境に吹くフォローの風は強い。足もとの業績も成長加速局面にあり、21年8月期はトップラインが8割近い伸びを確保し、営業利益は前の期比4倍となる13億2800万円と急拡大した。続く22年8月期も電子商取引(EC)市場の拡大などを背景としたファンド向け物流施設売却などが好調に進み、大幅増収増益トレンドに変化はない。営業利益は前期比39%増の18億5000万円を見込んでいる。株価は10月初旬にマドを開けて大きく上放れたが、その後も利益確定売りを吸収し強力な上昇波動を形成。直近では10月29日につけた4175円の上場来高値を突破し青空圏への再突入を果たしている。

【田中化学研究所】リチウムイオン電池材料で飛躍

 田中化学研究所 <4080> [JQ]は2次電池材料の専業大手メーカーで、リチウムイオン電池向け正極材料を主力に製造販売を手掛けている。世界的なEVシフトの動きを背景に、その基幹部品であるリチウムイオン電池の需給が逼迫した状態にあり、同社の商機拡大につながっている。業績は前期まで3期連続営業赤字だが、足もとでは収益環境が急改善している。中長期的にもEVの生産台数はうなぎ登りで、収益成長を後押しする可能性大。同社はリチウムイオン電池正極材料で、コバルトをニッケル、マンガンに置き換えた三元系正極材料やアルミニウムを添加したニッケル系正極材料の量産化に成功している。ここニッケルやコバルトの市況高騰を背景に利益が急増しており、22年3月期営業利益は従来予想の6億5000万円の赤字から一転8億円の黒字に修正した。株価は異色の上昇トレンドを形成中。目先押し目形成場面は買い好機で、年初来高値水準である1700円どころが目標に。

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