信用
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)のみができる銘柄
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4320 CEホールディングス

東証S
543円
前日比
-5
-0.91%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
10.0 1.35 4.05
時価総額 84.3億円
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明日の株式相場に向けて=恒大破綻のシナリオと次の一手

 3連休明けとなった21日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比660円安の2万9839円と急反落し3万円大台を割り込んだ。中国不動産大手・恒大集団の資金繰り不安がついにというべきか、世界株市場におけるリスク要因としてその姿を現してきた。

 この話自体はこれまで死角に入っていたということでは全くない。かなり以前から常にグローバルマネーにとって視界の片隅には見えていた問題である。だが、中国政府が何とかするはず、と高を括っていた部分があったこと、これが何よりもリスクであった。根拠なき楽観ではあったが、今月中旬まで上海株市場が年初来高値圏で堅調な値動きを示していたことも、そのムードを支えていた。しかし、当欄では前週16日に「目先はキャッシュポジションを高めておくべき」とした。それはあす22日に控えるFOMCでテーパリング前倒しについて言及があった場合、恒大集団の債務不履行問題の懸念と共鳴して深押す可能性があるとみたからである。

 中国・習近平政権は米国との覇権争いに精力を注いでいたが、一方で内政、いわゆる貧富の差を背景として国民の不満が高まりをみせていることを放置していた。内憂外患というが、今の習政権にとって外患(米中摩擦)よりも、国民からの支持低下(内憂)の方が優先しなければならない課題となっていた。それが、降って湧いたようなネット企業や教育関連企業への統制強化の動きにつながった。「これは米国を意識して防御体制を強めたというようなことではなく、単純に富の象徴となっているような企業を締めあげて、国民の不満に対応した政権維持の政策と思われる」(ネット証券アナリスト)という。不動産の総量規制については、これと同じ俎上には載っていないが、源流をたどれば共同富裕路線、つまり共産回帰への道筋ということで軌道は一致する。この流れに従えば、恒大集団を中国政府はおそらく救済しない。「恒大を潰して国有企業として再生させる手順を踏むはず」(中堅証券ストラテジスト)という声がある。なお、TPPの加盟申請については驚かされたが、「米国に牽制球を投げただけ。ブラフ以外の何ものでもない」(同)という見方だ。

 個別株投資の観点では、全体相場が大揺れの状態で敢えてリスクを取りに行くのは勇気ではなく、蛮勇に過ぎない可能性がある。したがって深入りは避けたい。ただ、凧の糸を出し切るようなスタンスは論外としても、短期的に大きく下に突っ込めばリバウンド局面も見込まれるのが株式市場の常であり、それに合わせる形で資金を投下するのは投資作戦として有効である。今回の調整は一筋縄ではいかない気もするが、事前にキャッシュポジションを高めておけば状況に応じて“強いところ”に新たに資金を振り向けることができる。

 押し目買いとして有効な銘柄は、まず日本CMK<6958>。プリント配線板のトップメーカーで車載向けに高水準の需要を取り込んでいる。取引先需要に半導体不足に伴う影響がみられていないこともポイント。売り残が多く、踏み上げ相場の余地がある。

 波乱相場の中の“赤札銘柄”として強さを発揮しているCEホールディングス<4320>もマーク。電子カルテを手掛け医療DX関連の有望株だ。業績も21年9月期営業利益は前期比65%増予想と回復色が鮮明。同社の業態にして600円台の株価は値ごろ感が強い。

 また、売り板は厚いものの、ユーグレナ<2931>も買いやすい水準に株価を下げている。同社株は業績面では買いにくいがバイオジェット燃料という夢のある材料を内包している。バイデン米政権が11月上旬から渡航を一部解禁するとの声明を出したことで、空運株に買いが誘導されたが、そのなか空運各社は脱炭素をテーマにSAF導入の動きを加速しつつあり、ユーグレナにも思惑が及びやすい。このほか、水素関連では、長野計器<7715>、澤藤電機<6901>、木村化工機<6378>、東洋エンジニアリング<6330>などに注目。

 あすのスケジュールでは、日銀金融政策決定会合の結果発表と黒田日銀総裁の記者会見が行われる。また、IPOが3社予定されており、東証1部にシンプレクス・ホールディングス<4373>、東証マザーズにユミルリンク<4372>、コアコンセプト・テクノロジー<4371>が新規上場する。海外では、FOMCの結果発表とパウエルFRB議長の記者会見が要注目となる。このほか、8月の米中古住宅販売件数なども発表される。なお、香港、韓国市場は休場となる。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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