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4366 ダイトーケミックス

東証S
616円
前日比
+7
+1.15%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
19.5 0.46 1.62
時価総額 69.0億円
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猛烈スタートダッシュ! 1Q絶好調の「上方修正有望株」に勝機あり <株探トップ特集>


―22年3月期見通しの上方修正有力、上値期待が膨らむ業績絶好調&高進捗株をロックオン!―

 上場企業の業績は一段と回復が進んでいる。先週までに一巡した3月期決算企業の21年4-6月期決算は、全体の8割近い企業が経常利益ベースで増益または黒字転換となった。世界的な経済活動再開による需要回復を追い風に、製造業を中心に収益が大きく改善し、新型コロナウイルス感染拡大前の19年4-6月期を上回る企業が相次いだ。また、第1四半期決算から早くも通期見通しを上方修正する動きも多くみられ、業績回復が鮮明となっている。今回は4-6月期に2ケタ増収増益と絶好のスタートを切った企業のなかから、第1四半期実績の通期計画に対する進捗率が高水準で、業績上方修正が期待できる銘柄を探った。

●4-6月期経常利益は2.5倍、幅広い業種で回復

 20日までに4-6月期決算を発表した3月期決算企業2366社を集計したところ、経常利益の合計額は前年同期の2.5倍に膨らんだ。中国や米国などの需要回復やコスト構造改革の効果が大きく、前年同期に新型コロナ感染拡大の影響で利益が半減した反動もあった。業種別にみると、自動車生産の拡大で利益額が急改善した輸送用機器を筆頭に、鉄鋼、海運、機械、卸売、化学、サービスなど幅広い業種で回復がみられた。ただ、足もとでは新型コロナ変異種(デルタ株)が猛威を振るうなか、企業業績にピークアウト懸念が台頭するなど先行き不透明感が強まっている。

 以下では、3月期決算企業を対象に(1)4-6月期経常利益の通期計画に対する進捗率が35%以上、(2)同進捗率が過去5年間の平均値を10ポイント超上回っている、(3)4-6月期に売上高が前年同期比10%以上増収、かつ経常利益が同50%以上増益、といった条件を満たした6社を業績が絶好調な“上方修正先回り候補”として選出し、通期計画に対する進捗率の高い順に紹介していく。買い一巡後に利益確定売りに押されている銘柄もあるが、波乱含みの相場展開を警戒しながら押し目狙いの候補としてマークしておきたい。

【ダイトーケミックス】対通期進捗率:90.5%

 ダイトーケミックス <4366> [東証2]は半導体集積回路などのフォトレジストに使用される感光性材料を主力とするファインケミカルメーカー。直近3ヵ月の4-6月期は、イメージング材料の受託製造が拡大したうえ、電子材料や医薬中間体も伸び、売上高40億4500万円(前年同期比17.2%増)、経常利益7億6900万円(同2.2倍)と好決算を打ち出した。経常利益は既に上期計画(6億円)を大幅に上回り、対通期計画でも進捗率が9割に到達している。同社は期中に通期予想を引き上げる傾向が強く今期も上方修正が濃厚だ。足もとの業績が好調に推移するなか、半導体用感光性材料をはじめとする電子材料の新工場建設を明らかにするなど、成長投資にも余念がない。

【サンフロンティア不動産】対通期進捗率:63.3%

 サンフロンティア不動産 <8934> は東京都心部の中小型オフィスビルに特化した不動産再生ビジネスを展開。稼働率の低い不動産を取得し、リノベーション工事をしたうえでテナントを誘致し、高収益ビルに再生して売却するリプランニング事業を主軸としている。4-6月期はコロナ禍においても高稼働・高収益物件の販売が進んだほか、仲介部門を中心に不動産サービス事業も収益を伸ばし、売上高312億1300万円(前年同期比2.3倍)、経常利益72億7700万円(同3.7倍)と業績高変化を遂げた。経常利益は第1四半期実績だけで通期計画に対する進捗率が6割を超える好調ぶりをみせ、業績上振れが有力視される。

【石原産業】対通期進捗率:51.8%

 石原産業 <4028> は白色顔料として使われる酸化チタンのシェア3割を握る国内最大手。12日に発表した4-6月期の経常利益は前年同期の5億9400万円から24億3600万円に急拡大して着地。無機化学事業で自動車や建築関連を中心に酸化チタンの需要が回復し、機能性材料も導電性材料や電子部品材料の販売が好調だった。また、有機化学事業で殺菌剤や除草剤などの海外販売が伸びたことに加え、円安進行による採算改善も利益を押し上げた。好調な業績を踏まえ、赤字予想だった上期の経常損益を31億円の黒字へ大幅上方修正したが、通期計画(47億円の黒字)は据え置いた。同社は8月に上期予想を上方修正した後、11月に通期計画を増額するケースが多く上方修正の確度は高いとみられる。

【KADOKAWA】対通期進捗率:49.2%

 KADOKAWA <9468> の4-6月期業績は、ゲーム事業が好調だった前年同期からの反動減で営業赤字となったものの、出版事業と映像事業の収益拡大でカバーし、経常利益61億4400万円(前年同期比59.5%増)と四半期ベースの過去最高を記録した。主力の出版事業は利益率の高い電子書籍が他社ストアでのキャンペーン効果などを背景に絶好調だったほか、紙書籍は新刊、コミックス、児童書が2ケタ伸び、返品率の改善が続いた。また、映像事業では自社アニメIPのゲーム化による権利許諾収入が膨らんだ。株価は足もとの好調な業績を受けて、上場来高値近辺で強調展開をみせている。
※対通期進捗率は予想レンジの中央値で算出

【東和薬品】対通期進捗率:43.8%

 東和薬品 <4553> は循環器系に強みを持つ後発医薬品メーカーで国内大手3社の一角をなす。4-6月期業績は薬価引き下げの影響があったものの、品質不正が発覚した日医工 <4541> の供給停止などを背景に需要が拡大するなか、前期に発売した医薬品を中心に販売が大きく伸びた。また、デリバティブ評価益が増加したことも利益を押し上げ、経常利益は77億1500万円と前年同期比で6割を超える大幅な伸びをみせた。同社は6月に創業70周年を迎えたことを記念して、9月末時点の株主にクオカード(保有株数に応じて2000~1万円分)を贈呈するほか、中間配当で記念配当3円(普通配当含め27円)の実施を予定しており、来月の権利確定に向けて株価を下支えする材料になりそうだ。

【芝浦電子】対通期進捗率:35.3%

 芝浦電子 <6957> [JQ]は温度センサー部品のサーミスタで世界シェア首位を走るグローバルニッチトップ企業。4-6月期業績は電動化が進む自動車向けやエアコンなど省エネ家電向けの販売が急増し、経常利益は14億3000万円(前年同期比3.7倍)と3四半期連続で四半期ベースの最高益更新を果たした。22年3月期は世界規模で高まる環境ニーズを追い風に、経常利益40億5000万円(前期比28.1%増)と2期連続の最高益更新を見込むが、好調な滑り出しを受けて、一段の利益拡大期待が高まっている。株価は10日に約3年5ヵ月ぶりの高値となる5890円まで上値を伸ばしたが、その後は全体相場に押される形で1000円幅の調整を強いられている。指標面では予想PER14倍台と割安感も出てきており、押し目買い候補として注視したい。

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