アンジェス---2Qは2ケタ増収、新型コロナウイルス感染症に対する予防用ワクチンと治療薬の二軸で開発を進める
アンジェス<4563>は6日、2021年12月期第2四半期(21年1月-6月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比37.1%増の0.23億円、営業損失が75.40億円(前年同期は17.66億円の損失)、経常損失が73.30億円(同18.96億円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が74.50億円(同18.96億円の損失)となった。
同社グループ(同社及び連結子会社3社)は当第2四半期連結累計期間において、新型コロナウイルス感染症に対する予防用ワクチンと治療薬の二軸で国内外において開発を進めている。HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン(R)」は適用拡大及び米国での承認を目指して、国内外で臨床試験を進めている。また新規ゲノム編集技術を有するEmendoBioを完全子会社化し、戦略的提携先との共同開発を進めて開発パイプラインの拡充を図り、遺伝子医薬のグローバルリーダーを目指した事業を進めていくとしている。なお、2020年12月に子会社化したEmendoBioの業績は当第2四半期連結累計期間より連結損益計算書に含めている。
2020年に採択した日本医療研究開発機構(AMED)が公募する「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発」及び厚生労働省の「ワクチン生産体制等緊急整備事業」の補助金としての15億円の入金があり、前受金が合わせて57億になったが、これは治験費用と採択した新型コロナワクチンの研究開発への補助金等が順に入金されており、その内容には、基礎研究、非臨床試験、臨床試験及びコロナワクチンの製造費用が含まれている。
また流動負債に計上された57億は、採択した内容に使用した費用実績を同社から厚労省、AMEDに報告し、報告内容が適正なものであると審査された時点で初めて収益計上、損益計算書に反映できることになり、現在、令和2年(2020年)分の使用実績を報告しているが、これに関しては、今後売上ではなく、営業外収益の補助金収入として計上を予定している。
当第2四半期連結累計期間の製品売上高は前年同期比37.1%増の0.23億円、研究開発事業収益の計上はなかった。一方、事業費用は、同324.2%増の75.63億円、売上原価は同50.0%増の0.13億円、研究開発費は同349.1%増の49.61億円となった。
2021年12月期通期の連結業績予想については、現時点で合理的な業績予想の算定ができないことから、記載していない。
《EY》
提供:フィスコ