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7860 エイベックス

東証P
1,448円
前日比
-4
-0.28%
PTS
1,453.8円
21:52 12/26
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
13.6 1.17 3.45 1.26
時価総額 663億円
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近づく“イベント復活の日”、人数制限前倒し緩和で募る期待 <株探トップ特集>


―関連企業苦境脱出へ一歩、見え始めた業績回復の行方―

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、相次いで中止や延期を余儀なくされた大規模イベントだが、現在は一定の制限を設けて再開されつつある。また今後、この制限も緩和が進むとみられており、9月9日の複数のメディアでは、「政府が新型コロナウイルス対策として行っているイベント開催の人数制限について、9月末まで継続する予定だったが19日にも前倒しで緩和する方向で検討していることがわかった」と伝えられた。

 これを受けて、アミューズ <4301> やエイベックス <7860> などがライブイベント開催への思惑から大幅高するなど関連銘柄への関心が高まっている。

 更に、来年開催予定の東京オリンピック・パラリンピックについても、国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ調整委員長が7日、再延期や中止はないとの見方を示したこともプラスに働く。今後、東京五輪に関連したさまざまなイベントが開催され始めれば、苦境に陥っていた関連銘柄への物色意欲も高まりそうだ。

●イベント開催制限の経緯

 イベントの開催に関しては、5月25日に緊急事態宣言が全国で解除されて以降、開催のための制限が段階的に緩和されており、7月10日からは収容率を屋内は50%以内、屋外は十分な間隔(できれば2メートル)、また人数の上限を5000人とし、そのいずれか小さいほうを限度としている。

 この制限は、当初は8月には人数要件が撤廃される見通しだった。しかし、大規模イベントを開催することに伴う全国的な移動による感染リスクの拡散や、イベント前後の交通機関における3密の発生などにより、感染リスクが拡大する可能性があることや、感染状況などを踏まえて、政府は7月22日に8月末まで延長することを決定。8月24日には、更に9月末まで延長した経緯がある。

●9月19日にも開催制限緩和か

 全国的に新型コロナウイルスの感染者数が減少傾向にあることを受けて検討されている、今回明らかになった制限の緩和では、プロ野球やサッカーなどの大規模イベントは5000人の人数制限を緩和し、1万人かそれ以上に引き上げられるもよう。また、観客が大声を出さないクラシックコンサートや歌舞伎などでは50%としている収容率を緩和する方針と伝わっている。

 政府は、早ければ連休が始まる19日にも制限を緩和したい意向で、11日に開かれる新型コロナウイルス感染症対策分科会で専門家の意見を聞いたうえで判断する方針という。もちろん、引き続きマスクの着用や検温の実施、消毒の徹底などの対策は必要となるが、制限緩和が進めばイベント関連銘柄の更なる活性化につながることになろう。

●マイナス要因は相当織り込み済み

 関連銘柄として注目したいのは、前述のアミューズやエイベックスのようにライブを開催する企業のほか、さまざまなイベントの企画や展示を支援する企業だ。こうした企業はコロナ禍による業績悪化を免れ得ないものの、これらは株価に相当程度織り込まれているとみられ、緩和とともに今後の業績回復への期待が高まることになろう。

 博展 <2173> [JQG]は、新型コロナウイルス感染症の影響で展示会出展、商談会・プライベートショー、カンファレンス・セミナーなどで開催自粛・延期の影響が相次いだことを受け、21年3月期連結営業損益は4億円の赤字(前期6億4500万円の黒字)を見込む。ただ、イベント関連の事業環境は悪化したが、第1四半期(4-6月)で大手企業のショールームなどの受注状況は堅調に推移。また、オンライン上でのイベントプロモーションサービスの提供を開始するなど新たな取り組みも行っている点に注目したい。

 セレスポ <9625> [JQ]は、スポーツを中心にしたイベントの企画・運営会社だが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてイベント開催の自粛が相次いだことで、第1四半期(4-6月)は営業損益7億5400万円の赤字(前年同期6600万円の赤字)と赤字幅拡大を余儀なくされた。近年、国際的スポーツ大会などの大型案件の受注が増加していただけに自粛の影響が大きいが、今後、東京五輪開催に向けた議論が深まれば、同社への関心も増そう。

 SKIYAKI <3995> [東証M]は、ライブ制作収入が減少するなどの影響があったものの、ライブの中止などを受けて、アーティストのオンライングッズ販売が加速しており、ECサービスの売上高が大幅に増加し、第1四半期大幅営業増益の牽引役となった。また、ライブ配信なども増えており、延期されていたライブ・コンサートが再開されれば、更に業績に好影響を与えよう。

 丹青社 <9743> は、新型コロナウイルス感染症拡大による工事の中断や工期の変更などで、主に商業その他施設や文化施設の売り上げが減少。また、コロナ禍の収束時期の見通しが立っていないことを理由に、21年1月期通期業績予想を未定としている。ただ、足もと業績は、収益性を重視した事業活動を行ったことや経費の抑制に取り組んだことが奏功し、8月28日には上期(2-7月)業績について、営業利益が従来予想の25億円から34億円(前年同期比35.6%増)に上振れたようだとしており、通期業績もまた上振れ期待が強い。

 乃村工藝社 <9716> は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、複数の大型案件の完工が第2四半期へ繰り越しとなったことなどが響き、第1四半期(3-5月)の営業利益は13億9200万円(前年同期比46.2%減)となった。同社は21年2月期通期業績予想で営業利益50億円(前期比54.9%減)を見込むが、イベント制限緩和のプラス影響に期待だ。

 このほか、ディスプレー業界大手のスペース <9622> やラックランド <9612> 、船場 <6540> なども関連銘柄として注目したい。

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