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7992 セーラー万年筆

東証S
98円
前日比
-1
-1.01%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
1.39
時価総額 29.1億円
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平成最後の“低位株戦略”、驚速モードで駆け上がる「最強5銘柄」 <株探トップ特集>


―さらば平成、令和の訪れを前に輝き放つダイヤの原石、“低位株急騰の宴”が今始まる―

 東京株式市場は新年度入りで上値期待が膨らむ場面。桜は既に満開、春爛漫を演出する南風と陽光にあやかりたいところだが、なかなか一筋縄ではいかないのが相場というもの。今月下旬から始まる10連休はそれ自体がビッグイベントであり、「令和」への改元と合わせ発揚効果が大きく期待されるが、必ずしもマーケットに順風が吹くとは限らない。得てして5月は国内企業の決算発表も絡み不安定な時期に入るだけに、慎重に構えてしまうのが人情ともいえる。

 世界景気が先行きリセッションに陥ることへの警戒感が投資家心理を弱気に傾ける要因であることは論をまたない。しかし、冷静に見れば弱気にいざなう材料ばかりではない。各国の中央銀行が経済実勢を勘案して緩和的な金融政策に舵を切っており、いったんは投資家の意識の外に押し出された“流動性相場”復活への期待感が再燃している。

●楽観と悲観の狭間で取るべき戦略は

 新年度相場は開始早々に、売り方(空売り筋)がこの流動性相場に対する目測を誤ったことで買い戻しを余儀なくされた。景気は減速しても失速するほどではなく、各国足並みを揃えた低金利環境が程良く担保されている今の相場は強気に分がある。

 とはいえ、買い方全面勝利と胸を張れるような地合いには遠いことも事実だ。日経平均は依然として3月4日につけたザラ場高値2万1860円の奪還すら果たしていない。今後の展望として、全体相場は今後ボックス圏が切り上がることはあっても、一直線に株価水準を浮上させるような展開は見込みにくい。上下にボラティリティは高まっているが明確な方向性はなく、日経平均2万500~2万2500円のレンジ相場が続きそうだ。こう考えた場合、例えば2万1000円台後半で主力株をバイ&ホールドしてジッと待つようなスタンスは、投資家サイドとしてあまり賢明な作戦とはいえない。やはり、ここは柔軟な立ち位置で機動的な売買が求められる局面といえる。

●低位株の入り江に流れ込む投資マネー

 こうした環境下で注目されるのは、株価が低位に放置された銘柄群だ。1年のうちに何度か不特定多数の投資マネーが、この低位株の入り江に一気に流れ込む時期がある。そして、再び“ゴルディロックス相場”の号砲が鳴った今、そのタイミングが近づいている。

 売買単位の100株単位統一に伴う株式併合の動きが相次いだこともあって、昔ながらの低位株の範疇に含まれる銘柄は激減した。しかし、それだけに“低位株物色”のムードが高まった際には、希少エリアとしてボトルネック的に資金の流入速度が増幅されやすい強みがある。平成最後の大相場をこの低位株の領域で堪能できる可能性が高まってきた。

 東証1部、2部、ジャスダック、マザーズ市場に上場する合計3600銘柄あまりのなかで、仮に300円台(50円以下は除外)までを低位株として位置づけた場合、わずか360銘柄前後、全体の10分の1程度に過ぎない。このうち業績予想が営業赤字見通しの企業を外すと更に100銘柄減って280銘柄前後になる。しかし、この280銘柄を改めて篩(ふるい)にかけてみると、ファンダメンタルズ面で好実態の企業、もしくは今後大きく業績を伸ばす可能性のある企業というのは意外に多いことに気づかされる。これらはマーケットの視線が向くことによって自然と株高コンセンサスが醸成されやすい。低位株は、ひとたび投機筋の琴線に触れれば大きくその居どころを変えて何の違和感もない、埋もれた変身銘柄の宝庫ともいえるのだ。

●目を見張る上昇パフォーマンスの連続

 直近、低位株の一群で人気化した銘柄を探すと、東証1部では住石ホールディングス <1514> やサノヤスホールディングス <7022> などが挙げられる。また、東証2部ではピーエイ <4766> [東証2]が3月初旬にマドを開けて急騰、その後調整を入れたものの4月初旬に再び急動意となり、高値を奪回する大立ち回りを演じた経緯がある。このほか新興市場では文教堂グループホールディングス <9978> [JQ]や岡本硝子 <7746> などが派手な上昇パフォーマンスで目を引いた。低位株は値がさ株と比べ、上げ足に勢いがついた時の“値幅効率”が格段に高いことを肌で感じている個人投資家は多いはずだ。もちろん上記の人気化した銘柄もその驚くべき足の速さ、瞬発力の高さを浮き彫りにした。こうした動きに追随する銘柄が今後相次ぐ可能性がある。

 今回は、ここから上値が狙えそうな“驚速モードの低位株”を5銘柄選出した。

●奔りだす低位株“次の5銘柄”

【ユビテックはIoT・AI関連究極の低位株】

 ユビテック <6662> [JQ]はIoT関連分野で幅広い技術基盤を擁し、その実力は折り紙付き。次世代技術であるIoT分野に特化した銘柄の中で、300円近辺の時価は最も低い位置に放置されているといっても過言ではなく、中期的に大幅な株価変貌余地を内包している。同社の収益を支えているのは、オリックス自動車のカーリース事業を支えるカーシェア車載機と、オリックス自動車が販売している自動車に搭載するテレマティクス車載機だ。テレマティクスプラットフォームでは独自のクラウド技術を駆使、全国14万台運用の実績を有し、今後コネクテッドカーの本格普及に際して同社は必然的に脚光を浴びる存在となる。また、働き方改革法施行で時流に乗るウェアラブル端末活用の「Next Work」や、工場設備のリアルタイム自動監視システムの「D-COLLECT」などに注力、今後の需要開拓に会社側も自信をみせている。19年6月期は営業利益段階で前期比3.8%増の1億3600万円を見込むが、20年6月期はIoT・AI関連システムやサービスの拡張で利益成長が加速、30~40%程度の高成長軌道に乗る可能性がある。

【セーラーは大勢2段上げへカウントダウン】

 セーラー万年筆 <7992> [東証2]は3月下旬に急動意、同月25日に213円まで買われた後調整を入れていたが切り返しに転じてきた。時価190円近辺は大勢2段上げへの踊り場である公算が大きい。上昇第2波突入を前にこのチャンスを捉えたい。高級万年筆がブームとなり国内外で需要が高水準の伸びを示している。会社側では「(高級万年筆は)現在フル生産で対応している状態」としており、収益寄与が期待される。また、同社は速度と精度が求められる取り出しロボットでも実績が高く、射出成形機分野で業界指折りの高シェアを有する。産業ロボット関連株全般が中国の景気減速懸念の後退を受け相次いで戻り足を強めるなか、同社株にも早晩光が当たることが予想される。株価は今年1月4日の大発会に129円まで売り込まれた後は戻りに転じたが、200円未満は依然としてここ20年来の大底圏だ。昨年5月の段階で370円台に位置しており、今はその半値水準に過ぎず上値の伸びしろは大きい。

【ゼットはビッグイベント追い風に快足発揮へ】

 ゼット <8135> [東証2]の時価近辺は割安感が際立つ。26週移動平均線が上向きに変わりつつあるなかで13週線とのゴールデンクロスを示現、これを契機に持ち前の“快足”を発揮しそうだ。同社はスポーツ用品の卸売大手で自社ブランド製品も展開。野球用品が主力だが、バスケットボール用品の「コンバース」の拡販にも注力し、販促努力もあってゲームウェアが伸びている。今年9月のラグビーW杯を皮切りに、来年は東京五輪・パラリンピック、更に21年にはワールドマスターズゲームズが控えている。これらについて会社側でも「当社はスポンサーとはなっていないが、(相次ぐビッグイベント効果には)追い風を意識している」と期待の色を隠さない。また、自社ブランドの付加価値を高めることにも傾注しており、昨年12月に加圧筋力トレーニング事業を手掛ける子会社ゼノアを吸収合併して、「一般ユーザー向けと合わせて学校(高校向け)などの需要取り込みを強化する」(会社側)構えだ。時価予想PER10倍台、PBRは解散価値の半値を意味する0.5倍に過ぎない。年4円の配当を考慮するとPBR1倍に向けた株価見直しは必然となろう。

【TACの人材ビジネスはここから上り坂に】

 TAC <4319> も割安感が強く、底値圏に位置する今が狙い目となろう。会計や法律分野の資格取得学校を首都圏中心に全国展開している。構造的な人材不足を背景に法人研修事業が順調な伸びをみせており、今後も拡大基調が見込まれる。また、資格試験対策書籍を手掛けるTAC出版の売り上げも増勢。足もとは公務員講座が不調だが、国内企業業績の伸び悩みで採用市場の盛り上がりが一巡するとみられる20年3月期は、同講座需要も回復することが予想される。人材教育のノウハウを駆使し、企業の求人需要と専門化・高度化する人材ニーズに対応した人材紹介ビジネスも手掛け、時流に乗るだけに今後に期待が大きい。同社も株価指標面で訂正高を示唆、PERはわずか7倍台だ。19年3月期は年間配当も3円増配の年8円を計画しており、配当利回りは3.5%台と高い。時価総額40億円と小型で、17年11月には200円台から400円台まで短期間で駆け上がった実績がある。

【NaITOは好決算“反動安”も仕込み絶好】

 NaITO <7624> [JQ]は好決算発表後に利益確定売りでバランスを崩したが、200円トビ台を横に走る75日移動平均線をサポートラインに切り返す公算大。機械工具の専門商社で、親会社は名古屋の岡谷鋼機で抜群の展開力を持つ。主力部門で業界トップシェアである金属加工用の切削工具が自動車業界向け中心に旺盛な需要を取り込んでおり、19年2月期の売上高は前の期比7.4%増の500億1400万円、経常利益は同22.4%増の11億7500万円と高変化を示した。続く20年2月期も収益成長トレンドに変化はなく、売上高は508億円と増収を確保し、経常利益は前期比6.4%増の12億5000万円を見込んでいる。好決算を事前に株価に織り込んでいたこともあって、3月28日の決算発表翌日は大きく水準を切り下げた。しかし、好業績銘柄の典型であるにも関わらず200円近辺の株価は値ごろ感が際立ち、ここは絶好の仕込み場となる。21年2月期に売上高500億円、経常利益15億円の中期計画を打ち出している点は見逃せない。

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