【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―
京極運 <日足> 「株探」多機能チャートより
■京極運 <9073> 860円 (+150円、+21.1%) ストップ高
京極運輸商事 <9073> [東証S]がストップ高。同社は25日の取引終了後、株主優待制度を拡充すると発表しており、材料視されたようだ。新たな優待制度では3月31日を基準日とし、100株以上保有する株主に対してENEOSプリカを贈呈する。保有期間が1年未満の場合は4000円分、1年以上の場合は5000円分とする。従来は9月30日を基準日として100株以上を1年以上保有する株主を対象に、QUOカードを1000円分贈呈するという内容だった。
■ビジコーチ <9562> 1,457円 (+227円、+18.5%) 一時ストップ高
ビジネスコーチ <9562> [東証G]が5日ぶり急反騰、一時ストップ高となった。25日取引終了後、株主優待制度を導入すると発表した。3月末と9月末時点で300株以上を保有する株主を対象に、デジタルギフトを各5000円分(年間合計1万円分)贈呈する。来年3月から始める。これを好感した買いが膨らんだ。
■ブランドT <7067> 1,038円 (+150円、+16.9%) ストップ高
ブランディングテクノロジー <7067> [東証G]がストップ高。25日取引終了後、日本アジア投資 <8518> [東証S]と資本・業務提携すると発表した。投資運用事業におけるファンド組成や投資先のバリューアップに関する協業、潜在的な投資候補先や取引候補先の相互紹介などを進める。ブランドTは、アジア投資が運営に携わる投資事業有限責任組合に対し、第三者割当による自己株式の処分を行う。
■アイスペース <9348> 675円 (+77円、+12.9%)
アイスペース <9348> [東証G]が4日ぶり急反騰。26日、イタリア宇宙機関のAgenzia Spaziale Italianaとペイロードサービス契約を締結すると発表。これを材料視した買いが入ったようだ。契約金額は35万ユーロ(約5600万円)。25年3月期の業績予想には織り込み済みとしている。
■ジャパニアス <9558> 2,312円 (+221円、+10.6%)
ジャパニアス <9558> [東証G]が続急騰。25日取引終了後、24年11月期単独業績予想について売上高を118億円から112億1100万円(前の期比13.4%増)へ、営業利益を10億2000万円から9億4500万円(同13.0%増)へ下方修正すると発表した。エンジニアの継続的な採用に伴い一定の研修期間が必要な対象者の割合が増加し、稼働率が低下したため。採用する人材を厳選し、足もとは稼働率が改善し収益が回復してきているという。第3四半期累計の実績値は営業利益が前年同期比で減益だった。今回、通期予想を下方修正したものの、2ケタ営業増益を達成する見通しにあり、想定よりも下振れ幅が小さいとの見方から買いが優勢となった。
■ユカリア <286A> 893円 (+83円、+10.3%)
ユカリア <286A> [東証G]が急反騰。医療経営総合支援事業を展開する同社は12日に東証グロース市場に新規上場したニューフェース。同日に公開価格(1060円)を8%下回る975円で初値を形成した後、株価は公開価格割れの水準で切り下がり、23日には756円まで調整した。同社は24年12月期について、売上高は前期比10.0%増の198億6300万円、経常利益は同33.5%増の24億7300万円、最終利益は同91.7%増の20億1500万円と見込む。モルガン・スタンレーMUFG証券は25日付で、ユカリアについて投資判断「オーバーウェート」で新規に調査を開始した。成長性はJMDC <4483> [東証P]に匹敵する最も高い部類と評価したうえで、株価は低位にあり、投資魅力度は高いとの見解を示している。目標株価は1200円に設定した。
■タウンズ <197A> 591円 (+52円、+9.7%)
タウンズ <197A> [東証S]が続急伸。25日取引終了後、スイス製薬大手ロシュの診断薬事業部門の日本法人であるロシュ・ダイアグノスティックスとの間で取引基本契約に関する基本合意書を締結したと発表した。この契約はタウンズがロシュに自社製品を販売するにあたり、両社間の基本的な取引条件と権利義務を定めるもの。契約締結を目指し、今後協議・検討を進めていく。これが材料視された。
■伊勢化 <4107> 32,700円 (+2,740円、+9.2%)
伊勢化学工業 <4107> [東証S]が続急伸。そのほか、K&Oエナジーグループ <1663> [東証P]が急伸した。足もと積水化学工業 <4204> [東証P]によるペロブスカイト太陽電池の量産に向けた動きが話題となるなか、株式市場ではこれが刺激材料となり、ペロブスカイト太陽電池関連に位置づけられる銘柄群に物色の矛先が向かった。同太陽電池の主原料であるヨウ素の生産を手掛ける伊勢化、K&Oエナジの両銘柄にも思惑的な買いが入った。
■Jフロント <3086> 2,159円 (+165円、+8.3%)
東証プライムの上昇率2位。J.フロント リテイリング <3086> [東証P]が続急伸。同社は25日取引終了後に25年2月期第3四半期(24年3-11月)の決算を発表、最終利益は前年同期比71%増の370億4100万円と大幅な伸びを達成した。訪日外国人が増勢一途となるなかで、インバウンド消費が収益を押し上げている。通期の最終利益見通しは365億円(前期比22%増)で第3四半期時点で既にこれを超過している状態だが、第4四半期に構造改革費用やカード発行などの経費計上を見込み、上方修正は見送っている。
■三越伊勢丹 <3099> 2,711.5円 (+191.5円、+7.6%)
東証プライムの上昇率4位。三越伊勢丹ホールディングス <3099> [東証P]が続急伸。高島屋 <8233> [東証P]やエイチ・ツー・オー リテイリング <8242> [東証P]が買われ、百貨店株が物色人気化した。日本時間25日午後4時30分から約1時間10分の間、岩屋毅外相と中国の王毅外相らが参加する第2回日中ハイレベル人的・文化交流対話が実施された。中国が日本人に対する短期滞在ビザの免除措置を再開したことを受けて、ハイレベル対話のなかで日本側は中国人に対する観光に関するビザ緩和措置の実施を決めたと表明。10年間有効の観光ビザの新設が打ち出された。富裕層を念頭に発給するとみられる10年観光ビザにより、国内百貨店などで中国人による消費活動が活発化するとの思惑が広がり、買いが集まったようだ。パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス <7532> [東証P]やマツキヨココカラ&カンパニー <3088> [東証P]なども上昇した。
■積水化 <4204> 2,632.5円 (+178.5円、+7.3%)
東証プライムの上昇率6位。積水化学工業 <4204> [東証P]が4日続急伸。日本経済新聞電子版が26日未明、「積水化学工業は薄くて曲げられる次世代の太陽電池『ペロブスカイト型』の量産に約3100億円を投じ、堺市に新工場を建設する」と報じた。中期的な業績拡大を見込んだ買いを集めたようだ。記事によると、新工場は2030年までに稼働し、生産能力は電池の発電容量で年100万キロワット分程度と、原子力発電所1基分に相当。政府は投資の5割にあたる約1600億円を補助するという。
■トヨタ <7203> 3,142円 (+177.5円、+6.0%)
トヨタ自動車 <7203> [東証P]が続急伸。連日の大幅高に買われたほか、日産自動車 <7201> [東証P]、ホンダ <7267> [東証P]、SUBARU <7270> [東証P]、マツダ <7261> [東証P]など自動車株が軒並み高となった、業種別騰落では全業種中で断トツの上昇率を示した。業種別上昇率では前日も自動車セクターが群を抜いていた。台湾の鴻海精密工業による日産自に対する買収に向けた動きが思惑として依然としてくすぶるなか、自動車業界全体の株価を刺激する格好となった。直近ではホンダが上限1兆1000億円の大規模な自社株買い発表が話題を呼んだほか、前日はトヨタがROEを20%に引き上げるという観測報道がなされており、にわかに投資マネーの食指を動かしている。自動車セクターは会社解散価値を大幅に下回るPBRが1倍未満の企業がひしめいており、企業価値向上に向けた方策が打ち出されることに対する期待もあるようだ。
■ライトアップ <6580> 1,437円 (+77円、+5.7%)
ライトアップ <6580> [東証G]が急反発。同社は26日、北空知信用金庫(北海道深川市)と業務提携し、補助金・助成金自動診断システム「Jシステム」の提供を開始したと発表。提供先の拡大が買い手掛かりとなったようだ。Jシステムは、パソコンやスマートフォンによる簡単な操作で診断でき、受給可能性が高い補助金・助成金の情報を瞬時に知ることができるシステム。同システムの活用により、オンライン上でいち早く公的支援制度(補助金・助成金)の情報提供を行うことが可能になる。
■ミツバ <7280> 968円 (+46円、+5.0%)
ミツバ <7280> [東証P]が4日続急伸。ホンダ <7267> [東証P]向けを主力に二輪車や自動車向け汎用電装品を手掛けており、電気自動車(EV)シフトの動きにも対応している。ホンダと日産自動車 <7201> [東証P]の経営統合に向けた動きが明らかとなり、自動車周辺の関連メーカーにも物色の矛先が向いている。有配企業にもかかわらず、PERやPBRが極めて割安な水準に位置する銘柄は多く、業界再編の思惑が改めて強まったことで水準訂正余地がクローズアップされている。そのなか、同社は25年3月期は減益予想ながら、PERが4倍程度、PBRが0.5倍前後と超割安圏にあり、時価1000円未満は見直し必至とみた買いが流入した。
■トランスGG <2342> 174円 (+8円、+4.8%)
トランスジェニックグループ <2342> [東証G]が5日ぶり大幅反発。26日正午ごろ、東証スタンダード市場への市場区分変更を申請したと発表しており、手掛かり材料視された。持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指すステージがより適切であると判断し、変更申請することにしたという。なお、同社はスタンダード市場上場の形式基準は全て充足しているが、東京証券取引所による承認の可否及び時期は、現時点において不確定であるとしている。
※26日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。
株探ニュース