【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):牧野フ、ディーエヌエ、BASE
牧野フ <日足> 「株探」多機能チャートより
牧野フライス製作所<6135>はストップ高。ニデック<6594>が27日、牧野フに対し、完全子会社化を目的に1株1万1000円で株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。牧野フの株価はTOB価格にサヤ寄せする格好となった。買付予定数の下限は1169万4400株(自己株式を除いたベースで所有割合50.00%)で、上限は設定しない。ニデックはTOBへの賛同を得るための時間を確保したうえで、2025年4月4日のTOB開始を想定する。牧野フの前日終値は7750円。ニデックはこれまでM&Aを通じ工作機械事業の強化を図ってきたが、国内工作機械大手の牧野フを買収することで、更なる事業拡大を狙う。TOBが成立した場合は、所定の手続きを経て、牧野フは上場廃止となる見込み。東京証券取引所はニデックの公表を受け、牧野フの株式売買を午前8時30分から午前8時45分の間、一時停止した。
■ディー・エヌ・エー <2432> 3,115円 +420 円 (+15.6%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
ディー・エヌ・エー<2432>は急騰。26日取引終了後、ゲーム事業で大幅な業績変動が生じる見込みになったと発表した。同事業の25年3月期第3四半期の売上高を250億円以上とし、第1四半期(112億円)や第2四半期(113億円)と比べ急拡大する見通しを示しており、これを好感した買いを集めた。10月30日からスマートフォン向けポケモンカードゲーム「Pokemon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)」のサービスを正式に開始し、全世界累計6000万ダウンロードを突破する(12月12日公表)など順調に推移していることが寄与する。通期の連結業績予想は非開示としているが、ゲーム事業については前期比で増収増益の見込みとしている。
■BASE <4477> 339円 +32 円 (+10.4%) 本日終値
BASE<4477>が大幅高。26日の取引終了後、日本成長投資アライアンス(JGIA、東京都港区)傘下のJG27によるEストアー<4304>の完全子会社化を目的とするTOBを含む一連の取引完了後、JG27からEストアー株式のすべてを取得し子会社化すると発表しており、好材料視された。BASEのEC・決済・金融に関する課題解決の強みやEストアーが提供するサービスの強みを生かすことで、Eストアーが「Eストアーショップサーブ」の加盟店に提供する付加価値を更に向上させることが可能であると判断したという。株式取得は25年7月中旬の予定。なお、同件に伴う24年12月期業績予想の変更はないとしている。
■科研製薬 <4521> 4,500円 +326 円 (+7.8%) 本日終値 東証プライム 上昇率4位
科研製薬<4521>が大幅高。関節機能改善剤や爪白癬治療薬など皮膚・整形外科領域で強みを持つ旧リケングループの名門だが、グローバル展開に傾注し足もとの業績も絶好調に推移している。26日取引終了後に、米ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>とアトピー性皮膚炎などに対する新薬候補として開発中のSTAT6阻害剤に関するライセンス契約を締結したことを発表。今期中に契約一時金3000万ドルを受領するほか、今後の開発の進捗および売上高目標の達成に応じて最大で12億1750万ドルのマイルストーン収入、ロイヤリティを受け取る可能性がある(受け取る権利を有する)ことを開示した。これが足もとの株価を強く刺激する格好となった。
■サンバイオ <4592> 764円 +46 円 (+6.4%) 本日終値
日経平均株価が700円を超す上昇となり、4万円の大台に乗せた。株価指数の上昇率では東証グロース市場250指数が前日比で2%を超え、小型成長株の物色意欲の高まりが鮮明となっている。この日から受け渡しベースで2025年の新年相場入りとなる。節税を目的とした損益通算の売りが前日までに一巡し、グロース市場全体で需給環境が好転に向かうとの期待感を支えに、個人投資家の資金が流入しているようだ。サンバイオ<4592>やジーエヌアイグループ<2160>が急伸。タイミー<215A>やエヌ・ピー・シー<6255>、インテグラル<5842>などが大幅高となっている。
■タイミー <215A> 1,554円 +91 円 (+6.2%) 本日終値
タイミー<215A>が大幅続伸。日本証券金融が26日の取引終了後、同社株の貸株利用などに関する注意喚起の取り消しを発表しており、売買の自由度が増すとの思惑から買われたようだ。
■さくらインターネット <3778> 4,390円 +230 円 (+5.5%) 本日終値
さくらインターネット<3778>が3日ぶりに急反発した。テレビ東京が26日夜、次世代半導体の量産を目指すラピダスが、国内AI開発大手のプリファード・ネットワークス(東京都千代田区)と、さくらネットの2社と協業することを検討していることがわかったと報じた。これを材料視した買いがさくらネットの株価を押し上げたようだ。報道によると、プリファード・ネットワークスが設計したAI向け半導体を、さくらネットが手掛けるAI向けデータセンターに納入。ラピダスにとっては大型の国内受注につながるとしている。
■西武ホールディングス <9024> 3,228円 +142 円 (+4.6%) 本日終値
西武ホールディングス<9024>が大幅続伸。SBI証券が26日、西武HDの目標株価を5370円から6070円に引き上げた。投資判断は「買い」を継続している。東京ガーデンテラス紀尾井町の流動化に続き、26年3月期以降もダイヤゲート池袋などの流動化により毎期500億円程度の売却益が続くと予想。会社発表の自己株式取得の影響なども加味して同証券はEPS(1株利益)予想を引き上げている。なお、西武HDは27日、11月の月次営業概況を公表。鉄道業の運輸収入は前年同月比5.0%増の84億3600万円、国内ホテル業のRevPAR(1室当たりの収入)は1万7800円(前年同月比18.1%増)、客室稼働率は77.7%(同2.7ポイント増)となった。
■ティーケーピー <3479> 1,255円 +37 円 (+3.0%) 本日終値
ティーケーピー<3479>が続伸。26日の取引終了後、システムソフト<7527>及びAPAMAN(東京都千代田区)が展開するレンタルオフィス事業「fabbit」を会社分割により25年2月28日付で承継すると発表しており、好材料視された。fabbit事業は、レンタルオフィス、コワーキングスペース、バーチャルオフィス、会議室、イベントスペース、これらに関わるフランチャイズの各事業を運営する事業。TKPは今後、「fabbit」と共同で新たな出店を進めることに加えて、TKPの貸会議室の稼働状況に応じてフレキシブルに「fabbit」へ転換する施策や、TKP施設の共有部を「fabbit」のラウンジとして活用するなど、多角的な取り組みを進めるとしており、これにより27年までに100拠点の出店を目指すとしている。なお、25年2月期業績への影響は精査中としている。
■バイタルKS <3151> 1,240円 +33 円 (+2.7%) 本日終値
バイタルケーエスケー・ホールディングス<3151>が上げ幅を拡大。午後1時ごろ、連結子会社2社が保有する投資有価証券の一部を売却したのに伴い、25年3月期第3四半期に投資有価証券売却益32億3500万円を特別利益として計上すると発表しており、好材料視された。なお、25年3月期業績予想は修正が必要となった場合には速やかに発表するとしている。
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