【材料】エクスモーション:自動車分野を中心にET開発の課題解決支援を展開、売上高の2桁成長続くか
エクスM <日足> 「株探」多機能チャートより
エクスモーション<4394>は、自動車を筆頭に組込みソフトウェア(ET)開発の課題を解決する新しいスタイルのコンサルティングファーム。
コンサルティング事業を主軸とし、そこで得られた知見を人材育成事業に展開することで、多様な支援を実現しており、子会社も加わりソフトウェア開発の幅広い支援を担っている。ソフトウェア開発に有効な多くの技術について豊富な経験と技術を有するコンサルタントを擁し、自動車業界を中心に提案から課題解決までをワンストップで提供、顧客を支援するコンサルティング会社である。特に自動車分野に大きな実績を持ち、車載システムの多くの分野に対し、主に上流工程を中心とした開発技術の導入を支援してきた。直近はコンサルタントが直接支援する従来型のビジネスモデルに加えて、コンサルタント数の制約を受けないコンテンツサービスを拡大することで、高まるET開発の内製化需要に対応するとともに安定的な収益基盤を構築している。
24年11月期上期累計の売上高は586百万円(前年同期比9.8%増)、営業利益は25百万円(同71.2%減)で着地した。連結子会社buboの寄与により売上規模が拡大して増収となった一方で、新たな生成AIサービス「CoBrain」の開発投資の前倒しによる原価増や採用費等の増加、及びのれん代により減益となった。ただ、主要取引先の自動車関連では、引き続き需要が旺盛なため通期の連結業績予想に対して概ね8割程度の受注が確保できている。通期業績予想は、売上高は1,258百万円(前期比13.9%増)、営業利益は136百万円(同3.8%増)を見込む。
同社の顧客には、トヨタ自動車<7203>や日産自動車<7201>などの国内主要自動車メーカー、デンソー<6902>や日本精工<6471>などのサプライヤーなどが名を連ねており、そのほか自動二輪や医療、産業機器などの各領域にも顧客基盤が構築されている。今後の成長戦略では、従来型の大規模・複雑化を解決するためのソリューションのほかに、売上の3割を占めるようになったソフトウェアファーストを実現するためのソリューションを強化していく。また、自動車産業のDX支援に注力し、そこで得られたノウハウと実績を基により多くの分野・顧客層へ支援を拡大する。さらに、コンサルティング事業で得られた知見をナレッジとして蓄積し、トレーニングやオンライン育成、生成AIツールというストックビジネスにつなげる。コンサルティングの知見を落とし込んだオンライン学習サービス「Eureka Box」の会員数は、既に増加基調で推移している。配当利回りが2.5%を超えるなか、顧客拡大とともに中長期的にトップラインの2桁成長が続いていくか注目しておきたい。
《NH》
提供:フィスコ