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【注目】前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

エアロエッジ <日足> 「株探」多機能チャートより

■エアロエッジ <7409>  1,883円 (-225円、-10.7%)

 AeroEdge <7409> [東証G]が10日続急落。同社は航空機エンジン部品などの製造・販売やエンジニアリングサービスの提供を手掛ける。先月14日に発表した25年6月期単独業績予想は営業利益が前期比29.1%減の5億円と、最高益だった前期から一転大幅減益となる見通しを示した。売上高は増加を見込むものの、新規案件や新材料開発の強化に伴う費用が先行するという。株価は8月の全体暴落局面でツレ安した後、戻り歩調にあったものの足もと再び下落に転換。4日は大幅安で8月5日安値(1971円)を下回り、約1ヵ月ぶりに上場来安値を更新した。

■古河電 <5801>  3,312円 (-335円、-9.2%)

 東証プライムの下落率10位。古河電気工業 <5801> [東証P]が5日ぶりに急落。そのほか、フジクラ <5803> [東証P]、住友金属鉱山 <5713> [東証P]が急落。非鉄金属株が総じて安かった。中国景気の先行き懸念が広がるなかで、3日発表の8月の米ISM製造業景況感指数は5ヵ月連続で好不況の分かれ目となる50を下回り、米国の景気減速に対する警戒感が強まった。これらを背景にロンドン市場では銅先物相場に下押し圧力が掛かり、非鉄金属株の売りを促す要因となったようだ。三井金属 <5706> [東証P]や三菱マテリアル <5711> [東証P]も下値を探る動きとなった。

■日経レバ <1570>  24,335円 (-2,360円、-8.8%)

 NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [東証E]が7日ぶり急反落。前日3日の米国株市場ではハイテク株中心に全面的に売られる展開となり、ナスダック総合株価指数は3%を超える下げに見舞われた。これを受けて東京市場でもリスク回避ムード一色となり、日経平均は半導体関連の値がさ株など指数寄与度の高い銘柄の下げに引きずられ、大きく水準を切り下げた。日経レバは日経平均株価に連動する仕組みで組成されたETFで、価格変動率が日経平均の2倍に設定されていることで、下落率は一時7%を超える場面があった。足もとでは2万4800円近辺に位置する25日移動平均線が下値サポートラインとして機能するかどうかが注目される。

■SBG <9984>  7,781円 (-652円、-7.7%)

 ソフトバンクグループ <9984> [東証P]が続急落。前日3日の米国株市場では米景気減速への懸念からハイテク株中心に売りが売りを呼ぶ状況となり、ナスダック総合株価指数が3.3%安と急落した。米ハイテク株への積極投資を行う同社は、ナスダック市場の動向と株価連動性が高く逆風となっている。足もと日経平均は先物主導の急落を強いられており、日経平均寄与度の高い同社株はインデックス売り圧力も下げを助長する形となった。

■レーザーテク <6920>  24,455円 (-2,040円、-7.7%)

 レーザーテック <6920> [東証P]が5日続急落。そのほか、ディスコ <6146> [東証P]、東京エレクトロン <8035> [東証P]など半導体製造装置関連の主力銘柄は波乱含みの下げに見舞われた。前日3日の米国株市場ではハイテク株中心に売りが噴出、NYダウなど主要株価指数が揃って大幅安に売られたが、そのなかでエヌビディア <NVDA> やインテル <INTC> などをはじめ半導体セクターの下落が際立った。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は7.8%安と暴落しており、これが東京市場にも波及した。外国為替市場では足もと1ドル=145円近辺の推移と円高が急速に進んでいることも、リスク回避ムードを増幅させたようだ。

■INPEX <1605>  2,032円 (-145円、-6.7%)

 INPEX <1605> [東証P]が続急落。そのほか、石油資源開発 <1662> [東証P]が安かった。3日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の10月限が前日比3.21ドル安の1バレル=70.34ドルに下落した。一時70.1ドルと1月以来の水準に値を下げた。産油国であるリビアの石油生産停止の背景となっていた政治対立が近く解消される可能性がある、との見方から原油需給の緩和観測が強まった。また、3日発表の米8月ISM製造業景況感指数が市場予想に届かず、米景気減速に対する警戒感が強まったことも需要減少思惑から原油価格の下落要因となった。

■三菱UFJ <8306>  1,509円 (-90円、-5.6%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]が7日ぶりに急反落。そのほか、三井住友フィナンシャルグループ <8316> [東証P]、みずほフィナンシャルグループ <8411> [東証P]など銀行株が軒並み安となった。米国の8月ISM製造業景況感指数の公表後に米国の景気減速懸念が再燃し、米長期金利は3.83%に低下した。4日の円債市場でも長期金利は0.885%に低下し、直近の上昇が一服する格好となった。銀行株に対しては、内外金利の上昇に伴う事業環境の好転を見込んだ買い持ち高を圧縮する目的の売りが膨らんだようだ。

■T-BASE <3415>  244円 (-14円、-5.4%)

 TOKYO BASE <3415> [東証P]が急落。3日取引終了後、8月度の月次売り上げ速報を発表。既存店売上高(実店舗・EC合計)は前年同月比5.2%減と4ヵ月連続で前年を下回った。猛暑の影響で秋物の出足が鈍ったことが響いた。これが売り材料視された。

■ネクソン <3659>  2,802.5円 (-131円、-4.5%)

 ネクソン <3659> [東証P]が4日ぶり大幅反落。3日取引終了後、株主還元方針の内容を一部変更すると発表した。あわせて今期配当予想の増額修正を発表したが、全体波乱相場のなかツレ安する格好で同社株も下落している。還元方針の一部変更では、減損損失を除く前連結会計年度の営業利益のうち33%以上を目標に利益還元を実施することに加え、連結上の親会社所有者帰属持ち分当期利益率(ROE)目標を最低限10%、将来的に15%を目指すとする新たな方針を掲げた。これに伴い、24年12月期期末配当予想を7円50銭から15円に増額。中間配当7円50銭とあわせ、年間配当額は22円50銭(前期10円)となる見通しとなった。

■資生堂 <4911>  3,094円 (-116円、-3.6%)

 資生堂 <4911> [東証P]が大幅安で6日続落。SMBC日興証券が3日付で投資評価を「1」から「2」へ、目標株価を6200円から3800円へ引き下げたことが売り材料視された。同証券によると、トラベルリテール(TR)や中華圏での在庫調整の長期化で利益回復が遅れるとし、海外戦略の再策定や欧米など新たな成長ドライバーの顕在化を待ちたいという。国内化粧品市況の追い風を、中華圏需要の遅れや米国での生産トラブルで打ち消す形となり、2025年以降の中国需要の底打ちまで株価の調整局面が長期化する見込みとしている。

■ファストリ <9983>  45,740円 (-1,240円、-2.6%)

 ファーストリテイリング <9983> [東証P]が5日ぶり反落。3日の取引終了後に発表した8月度の国内ユニクロ売上速報で、既存店とEコマースを合わせた売上高は前年同月比25.3%増となり、5ヵ月連続で前年実績を上回ったものの、全般相場にツレ安する格好となった。気温が高く推移し、夏物商品の販売が好調だったことに加え、ニュース性のある新商品の販売が好調だった。内訳では、客単価が同5.8%増と上昇したほか、客数も同18.4%増と伸長した。

■ナルミヤ <9275>  1,255円 (-16円、-1.3%)

 ナルミヤ・インターナショナル <9275> [東証S]が反落。3日の取引終了後に発表した8月度の月次売上概況で、既存店売上高が前年同月比2.9%減と2ヵ月連続で前年実績を下回ったことが嫌気された。引き続き浴衣、甚平などのオケージョン(行事)商品の売り上げが伸びたが、猛暑の影響により子どもの外出を控える傾向が続き、実店舗への客足が伸びなかった。また、台風により営業を行えなかった地域や日にちがあった影響もあり、百貨店、SCともに前年の売り上げに届かなかった。なお、猛暑や台風の影響を比較的受けにくいEコマースは前年を上回った。

※4日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋

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