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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):デンカ、パンパシHD、アドテスト

デンカ <日足> 「株探」多機能チャートより
■デンカ <4061>  2,184円  +8 円 (+0.4%)  本日終値
 デンカ<4061>が5日続伸。同社は19日、クロロプレンゴムなどの値上げの実施を発表しており、収益面でのポジティブな効果を期待した買いを誘ったようだ。クロロプレンゴムは9月2日出荷分より1キログラムあたり円ベースで120円以上、値上げする。ドルベースでは1トンあたり500ドル以上、ユーロベースでは1トンあたり460ユーロ以上、価格を引き上げる。原燃料や物流費などのコストが上昇するなか、製品の安定供給と事業の維持継続に向けて価格改定せざるを得ないと判断した。あわせて「デンカアルミナセメント1号」などの価格についても9月2日納入分より1キログラムあたり40円値上げする。

■パンパシHD <7532>  3,525円  -197 円 (-5.3%)  本日終値
 パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532>は3日ぶり反落。前週末16日の取引終了後、25年6月期連結業績予想について売上高を前期比6.0%増の2兆2200億円、純利益を同2.5%減の865億円と発表した。最高益だった前期から一転減益となる見通しを示しており、これを嫌気した売りが優勢となっている。配当予想は、前期分について記念配当9円を上乗せして年30円とした上で、今期は年34円を見込んだ。同時に発表した24年6月期決算は売上高が前の期比8.2%増の2兆950億円、純利益が同34.1%増の887億100万円だった。インバウンドの増加などが追い風となった。

■アドバンテスト <6857>  6,524円  -137 円 (-2.1%)  本日終値
 アドバンテスト<6857>は売り優勢の展開。前週末は400円を超える上昇で6661円まで上値を伸ばし、8月1日の戻り高値7000円から8月5日安値5313円まで今回の波乱相場で下げた分の3分の2以上の戻りを達成、半導体製造装置大手のなかでも特に株価の復元力が目立っていた。しかし、きょうは目先ポジション調整の売り圧力に押されている。前週末の米国株市場ではNYダウなど主要株価指数は小幅ながら上値指向を維持したものの、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)はわずかにマイナスだった。米半導体株に上昇一服感が出るなか、東京市場でも半導体セクターは上値が重い。足もとで円安が一服していることも買い手控え要因となっている。

■シーアールイー <3458>  1,462円  -18 円 (-1.2%)  本日終値
 シーアールイー<3458>は冴えない。前週末16日の取引終了後、物流施設「ロジスクエア成田」に関連する信託受益権を売却すると発表した。売却価格は非公表とするものの、24年7月期の売上高予想の10%未満になるという。売却による売上高と売却益は25年7月期第1四半期(8~10月)での計上を予定する。もっとも同社株は直近では戻り歩調にあったこともあり、発表を受けて買い上がる姿勢は限られ、目先の利益を確定する目的の売りに押される格好となった。

■シンバイオ製薬 <4582>  320円  +80 円 (+33.3%) ストップ高   本日終値
 シンバイオ製薬<4582>が大幅続伸。この日の寄り前に、再発または難治性のリンパ腫患者(NK/T細胞リンパ腫などの悪性リンパ腫)を対象としたブリンシドフォビル(以下BCV)の国際共同第1b/2相臨床試験を開始したと発表しており、好材料視された。同社では、これまでシンガポール国立がんセンターと BCVに関する共同研究を行ってきたが、非臨床試験でBCVのNK/T細胞リンパ腫及びPTCL(末梢性T細胞リンパ腫)などの悪性リンパ腫に対する優れた抗腫瘍活性を確認。今回の試験では、BCVのがん領域において、ヒトPOC(有用性や効果が確認されること)を確立することを目的としているという。なお、同件が24年12月期業績に与える影響はないとしている。

■アスマーク <4197>  2,366円  +400 円 (+20.4%) ストップ高   本日終値
 アスマーク<4197>はストップ高。消費者の動向などを調査し分析するマーケティング・リサーチ事業を主力展開するが、足もとの業績は好調で24年11月期は売上高、営業利益ともに2ケタ成長を見込む。そうしたなか、前週末16日取引終了後に、株主優待制度の新設を発表。毎年11月末時点で100株以上を保有する株主を対象に、保有株数と保有期間に応じて1000~3万円分のQUOカードを贈呈するというもので、これをポジティブ視する買いが集中する格好となった。同社はもとより株主還元に積極的で、前週末終値換算で配当利回りは3.6%台と高いこともポイントとなっている。

■ピアラ <7044>  274円  +41 円 (+17.6%) 一時ストップ高   本日終値
 ピアラ<7044>が一時ストップ高。前週末16日の取引終了後、ITbookホールディングス<1447>と業務提携したと発表した。地方公共団体に対するDX化やAI・IOTに関するコンサルティングサービスを提供しているITbookと、ピアラが培ってきたマーケティングのノウハウを生かし、地方公共団体などのブランディングや認知向上、利用者・顧客の獲得などの施策を実施するという。これが買い材料視された。

■ダブルエー <7683>  2,510円  +375 円 (+17.6%)  本日終値
 ダブルエー<7683>が急騰し、年初来高値を更新。前週末16日の取引終了後、8月31日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表したことが好感された。投資単位当たりの金額を引き下げることで投資家がより投資しやすい環境を整え、株式の流動性の向上と投資家層の更なる拡大を図ることが目的という。あわせて、25年1月末時点の株主から株主優待制度を拡充すると発表した。従来制度では、100株以上を保有する株主を対象に自社ブランド「ORiental TRaffic ONLINE STORE」で利用できる靴1足無料券を贈呈していたが、新制度では靴以外にもバッグ及びシューケア商品などに拡大するほか、株式分割後に600株以上を保有する枠を設定し、また株主優待対象ブランドを卑弥呼・NICALに拡充するとしている。

■セルシード <7776>  671円  +100 円 (+17.5%) ストップ高   本日終値
 セルシード<7776>がストップ高に買われたほか、サンバイオ<4592>、プレシジョン・システム・サイエンス<7707>、住友ファーマ<4506>、ラクオリア創薬<4579>などバイオ関連が一斉高に買われた。きょうは主力大型株が戻り一巡となるなか中小型株に物色の矛先が向いており、中でも個人投資家の投げが出たバイオ関連株の上値が軽く、投資資金を誘導している。市場では「バイオベンチャーは投資先行型で足もとは利益が伴わない銘柄が多く、決算発表を跨ぐ形では買いにくい面がある。目先決算発表期間を通過したことで、その足かせが外れたこともポイント」(中堅証券ストラテジスト)と指摘する声がある。

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