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【市況】東京株式(大引け)=414円高、日銀副総裁発言で一時1100円超高後に失速

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 7日の東京株式市場で日経平均株価は続伸。日銀の内田真一副総裁が講演で「金融資本市場が不安定な状況で利上げすることはない」と発言したことを受け、先物への買い戻しが加速した。朝安後にプラス圏に浮上し、上げ幅を一時1100円超に拡大させたが、後場後半に急速に伸び悩んだ。

 大引けの日経平均株価は前日比414円16銭高の3万5089円62銭。プライム市場の売買高概算は32億9536万株。売買代金概算は7兆3744億円となった。値上がり銘柄数は1092と全体の約66%となり、値下がり銘柄数は526、変わらずは28銘柄だった。

 函館市金融経済懇談会での内田副総裁のあいさつの内容が午前中に伝わった。7月30~31日の金融政策決定会合後、日銀が今後も利上げを続けるとの警戒感が広がっていたが、内田副総裁の発言内容はハト派色の強いものと受け止められ、市場に一時的に安心感をもたらした。米国の株価指数先物が時間外取引で上昇していたことも、日本株の支援材料となった。

 日経平均は前日に過去最大の上昇幅を記録していたこともあり、朝方は一時900円を超す下げとなるなど、反動売りが優勢だった。日中の高安値幅は2100円超とボラティリティは高く、短期的な相場の急変に対する投資家の警戒感も強い状況が続いた。短期筋主導の相場展開となるなかで、内田副総裁の記者会見の内容が午後2時半過ぎに伝わった。内田副総裁は追加利上げに関し、個人的には慎重に考えるべき状態だとの認識を示したが、これを受けて買い向かう姿勢は限られた。後場後半に入ると短期筋による利益確定売りが出て日経平均の上値を圧迫した。

 個別銘柄では、三井住友フィナンシャルグループ<8316>と三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、みずほフィナンシャルグループ<8411>などメガバンクが大幅高。三菱重工業<7011>やディスコ<6146>、キヤノン<7751>が上値指向を強めたほか、三井物産<8031>や東京電力ホールディングス<9501>、フジクラ<5803>が水準を大きく切り上げた。東レ<3402>や大和ハウス工業<1925>が後場に上げ幅を拡大。NISSHA<7915>がストップ高に買われ、ソフトバンクグループ<9984>やコマツ<6301>、日立製作所<6501>が堅調に推移した。

 半面、ダイキン工業<6367>とNTTデータグループ<9613>、リコー<7752>が急落。スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>やブリヂストン<5108>、住友ゴム工業<5110>が売られたほか、マツダ<7261>やユニ・チャーム<8113>が下値を模索。東京エレクトロン<8035>やアドバンテスト<6857>が冴えない展開となった。

出所:MINKABU PRESS

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