【市況】後場に注目すべき3つのポイント~半導体株が下支えも40000円を挟んだもみ合いに
日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより
19日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は3日続落、半導体株が下支えも40000円を挟んだもみ合いに
・ドル・円は小じっかり、米金利高で
・値下り寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はソフトバンクG<9984>
■日経平均は3日続落、半導体株が下支えも40000円を挟んだもみ合いに
日経平均は3日続落。前日比173.73円安(-0.43%)の39952.62円(出来高概算7億5000万株)で前場の取引を終えている。
18日の米国株式市場は下落。ダウ平均は533.06ドル安(-1.29%)の40665.02ドル、ナスダックは125.70ポイント安(-0.70%)の17871.22、S&P500は43.68ポイント安(-0.78%)の5544.59で取引を終了した。雇用や製造業関連指標が予想を上回り早期利下げ期待の後退で、寄り付き後、下落。連日高値を更新していたダウは利益確定売りに加え、企業決算への警戒感がさらなる売りに拍車をかけ、終盤にかけて下落幅を拡大した。ハイテクセクターも引き続き売られ、ナスダックも続落し終了。
米国株安を受けて、東京市場は引き続き売り優勢で取引を開始。日経平均は40000円台を割り込んだ後は、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が反発したことなどから、足元急落していた東京エレクトロン<8035>やアドバンテスト<6857>など半導体関連銘柄が切り返したことが下支えとなり、40000円を挟んだもみ合いに。指数一段安は回避されたが、プライム市場の値下がり銘柄数が7割を超える弱い地合いとなった。
日経平均採用銘柄では、前日発表した決算で7-9月期見通しがコンセンサスを下回ったディスコ<6146>が大幅続落となったほか、円高ドル安一服を受けてニトリホールディングス<9843>、ニッスイ<1332>が売られた。このほか、アステラス製薬<4503>、東海カーボン<5301>、清水建設<1803>、川崎汽船<9107>が下落した。
一方、東京エレクトロン、アドバンテスト以外の半導体関連では、ルネサスエレクトロニクス<6723>、レーザーテック<6920>、SUMCO<3436>などが上昇。また、TDK<6762>、日東電工<6988>などアップル関連も買われた。このほか、HOYA<7741>、フジクラ<5803>、キーエンス<6861>が上昇した。
業種別では、電気・ガス業、空運業、海運業、不動産業、医薬品などが下落した一方、精密機器、電気機器の2セクターのみ上昇した。
為替が1ドル157円40銭台と前日比では1円ほど円安ドル高に振れているが、市場では円安推移を材料に輸出関連銘柄が買われるような動きは限定的。むしろ円高メリット銘柄が売られるなど為替に対するネガティブな動きの方が目立っている。11日、12日の政府・日本銀行と見られる円買いドル売り介入実施以降、為替市場に対する神経質な見方が続いている。日銀金融政策決定会合の開催も迫っていることから、日本株に対する積極的な売買は手控えられよう。後場の東京市場は40000円を挟んだもみ合い相場が続きそうだ。
■ドル・円は小じっかり、米金利高で
19日午前の東京市場でドル・円は小じっかりとなり、157円07銭から157円52銭まで値を上げた。日本のインフレ率が前回から上昇し、利上げ期待の円買いが先行。日本株安も円買いを支援。ただ、米10年債利回りの上昇を受けドル買い地合いを強めた。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は157円07銭から157円52銭、ユーロ・円は171円18銭から171円53銭、ユーロ・ドルは1.0886ドルから1.0901ドル。
■後場のチェック銘柄
・Chordia Therapeutics<190A>、WOLVES HAND<194A>など、6銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値下り寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はソフトバンクG<9984>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・日・6月全国消費者物価指数(生鮮食品除く):前年比+2.6%(予想:+2.7%、5月:+2.5%)
【要人発言】
・デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「最近のデータは非常に良好」
「米国経済はインフレで目標に達していない」
「金融政策の選択には双方にリスク」
<国内>
・特になし
<海外>
・15:00 英・6月小売売上高(自動車燃料含む)(前月比予想:-0.6%、5月:+2.9%)
《CS》
提供:フィスコ