日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
16日の東京株式市場で、日経平均株価は一進一退の展開が見込まれる。国内3連休中に米国株は上昇し、NYダウ平均株価は4万ドルの大台を回復後、過去最高値を更新した。13日に米国のトランプ前大統領への銃撃事件が発生。トランプ氏は耳を負傷したが、命に別状はなかった。銃撃事件後に市場ではトランプ氏が大統領選で勝利するとの見方が強まり、エネルギー関連株や金融株に資金を振り向ける流れが強まっている。一方、外国為替市場ではドル高・円安の流れが一服。米国時間15日には瞬間的に1ドル=157円10銭台まで円高に振れる場面があった。米連邦準備制度理事会(FRB)による年内2回の利下げ観測が強まるなかで、パウエル議長は同日、第2四半期の経済指標から、インフレが目標の2%に向かって鈍化していることへの自信を深めたとの認識を示し、一時的にドル売りが膨らんだ。更に、市場では前週後半に日本政府・日銀が連日で為替介入を行ったとの推測が出ている。前週末の日経平均は急速な円高進行や米ハイテク株の調整を背景に、1033円安と急落していた。その後、米国市場ではハイテク株が持ち直し、全体相場にリスク選好ムードが強まったとあって、16日朝方の東京市場では主力株に自律反発狙いの買いが見込まれる。金融やエネルギー関連銘柄には「トランプラリー」を意識した資金が流入することへの期待も高まっている。もっとも、円安基調の一服が輸出関連株の上値を圧迫する要因となるほか、全体相場は6月下旬以降の急ピッチな上昇を受けて引き続き短期的な過熱感が強まった状況にある。前週末に急伸したグロース市場の主要銘柄には、目先の利益を確定する目的の売りが膨らむ可能性もある。日経平均株価は4万1000円台での値固めの展開となるか、注目されることとなりそうだ。
15日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比210ドル82セント高の4万0211ドル72セントと4日続伸。ナスダック総合株価指数は同74.120ポイント高の1万8472.566と続伸した。
日程面では、きょうは国内では2014年1~6月分の日銀金融政策決定会合の議事録が公表されるほか、5月の第3次産業活動指数の発表を控えている。海外ではドイツの7月ZEW景況感指数とユーロ圏5月貿易収支、米6月小売売上高、米6月輸出入物価指数、米7月NAHB住宅市場指数などが公表される予定。バンク・オブ・アメリカ<
BAC>やモルガン・スタンレー<
MS>、ユナイテッドヘルス・グループ<
UNH>が決算を発表する。
出所:
MINKABU PRESS
最終更新日:2024年07月16日 08時15分