【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):ダイドー、ユーグレナ、三越伊勢丹
ダイドー <日足> 「株探」多機能チャートより
ダイドーリミテッド<3205>がストップ高。同社は4日の取引終了後、25年3月期の配当予想の修正を発表した。今期の年間配当予想を95円増額して100円(前期は2円)に見直した。27年3月期までの3年間は年間100円の配当実施を基本方針とする。加えて自社株取得方針も示しており、これらをサプライズ視した買い注文が大量に集まった。同社は投資ファンドのストラテジックキャピタル(東京都渋谷区)との定期的な面談を通じ、企業価値の向上策について意見交換を進めていた。また、南青山不動産(同)とそのグループ会社の大株主、村上世彰氏とも企業価値の向上に向けた議論を行っていた。株主の意見を踏まえ、一定期間内の配当の増額とともに自社株買いを決議した。自社株買いは最大50億円程度を想定。詳細が決まり次第、速やかに開示するとしている。
■ユーグレナ <2931> 557円 +49 円 (+9.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
ユーグレナ<2931>は急騰。4日の取引終了後、中性子線を照射することで、バイオ燃料の原料となる油脂の生成量を増やすことが可能な藻類の品種改良を行うことに世界で初めて成功したと発表。これを材料視した買いが膨らんだ。今回の取り組みは日本電信電話<9432>との共同研究によるもの。品種改良によって藻類の油脂生成量は最大1.3倍に増加したという。今回確立した品種改良技術は温室効果ガスの削減など、気候変動問題の解決に向けて広範囲での活用が期待されるとしている。
■三越伊勢丹 <3099> 3,528円 +250 円 (+7.6%) 本日終値 東証プライム 上昇率4位
三越伊勢丹ホールディングス<3099>が9日続伸し、年初来高値を更新。SMBC日興証券が4日付で、投資評価「1」を継続しつつ、目標株価を2700円から3800円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券による営業利益予想を、25年3月期は571億円から787億円へ、26年3月期は582億円から812億円へ増額したことが要因という。地方百貨店や金融事業の収益改善により、24年3月期第4四半期の実績が同証券の従来予想を12億円上振れたことや、免税売上前提の引き上げ、岩田屋三越の売り上げ好調を踏まえた地方百貨店の利益伸長などを想定したとしている。
■キユーピー <2809> 3,400円 +236 円 (+7.5%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位
キユーピー<2809>が続急伸し年初来高値を更新。4日の取引終了後、24年11月期の連結業績予想について、売上高を4800億円から4860億円(前期比6.8%増)へ、営業利益を310億円から340億円(同72.6%増)へ、純利益を174億円から207億円(同57.1%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を27円から31円に引き上げたことが好感された。中国・北米・東南アジアが想定を上回って伸長していることに加えて、調味料の新価格の定着により、上期において市販用、業務用、海外それぞれのセグメントで売り上げが伸長したことが要因。また、それに伴い収益改善が想定を上回って進捗していることも寄与する。なお、年間配当は54円(前期50円)となる予定だ。同時に発表した第2四半期累計(23年12月~24年5月)決算は、売上高2368億3400万円(前年同期比7.5%増)、営業利益188億8200万円(同2.8倍)、純利益125億1300万円(同2.6倍)だった。
■キユーソー流通システム <9369> 1,792円 +102 円 (+6.0%) 本日終値
キユーソー流通システム<9369>が3日続伸。4日の取引終了後、24年11月期の連結業績予想について、売上高を1880億円から1920億円(前期比4.0%増)へ、営業利益を46億円から54億円(同34.0%増)へ、最終利益を16億円から22億円(前期13億3400万円の赤字)へ上方修正しており、好材料視された。前年の鶏卵供給不足に対する回復の動きに加えて、適正料金施策や関連事業の海外における新規・既存取引の拡大などが寄与する。また、下期は想定を上回るコストアップを見込むものの、前年上期の電気代高騰に対する政府の緩和措置などもあり、利益も上振れる見通しとした。なお、同時に発表した第2四半期累計(23年12月~24年5月)決算は、売上高953億5100万円(前年同期比5.7%増)、営業利益32億3900万円(同75.2%増)、最終利益16億5500万円(同2.8倍)だった。
■トーメンデバイス <2737> 8,090円 +430 円 (+5.6%) 本日終値 東証プライム 上昇率9位
トーメンデバイス<2737>が急反発し上場来高値を更新した。同社は韓国のサムスン電子製の半導体・電子部品を国内外に販売する。サムスン電子は5日、24年4~6月期の売上高が前年同期と比べ23.3%増の74兆ウォン、営業利益が約16倍となる10兆4000億ウォンとなったと発表した。半導体メモリー市況の改善を背景に好決算となり、発表後のサムスン電子の株価は堅調に推移している。同社の製品を取り扱うトーメンデバに対しては業績への好影響を期待した買いが入ったようだ。
■日本システム技術 <4323> 1,699円 +63 円 (+3.9%) 本日終値
日本システム技術<4323>は8日ぶりに反発。4日の取引終了後、循環型養殖設備の販売を行うLand Aqua Culture Innovation(沖縄県浦添市、以下「LAC社」)への出資を実施したと発表しており、好材料視された。LAC社が発行するA種株式2万株(発行済株式の37.5%)を取得した。沖縄県における陸上養殖ビジネスの成長を図るのが狙いで、出資を通して海洋資源の持続可能な管理と活用を進めるとともに、陸上養殖技術の更なる革新を目指し、他地域への技術拡散を推進するとしている。
■住友林業 <1911> 5,327円 +181 円 (+3.5%) 本日終値
住友林業<1911>が続伸。SMBC日興証券が4日付で、投資評価を「2」から「1」とし、目標株価を6000円から6400円へ引き上げたことが好材料視された。同証券によると、米国住宅ローン金利の高止まりは続くものの、慢性的な住宅ストック不足や人口増加を背景に米国住宅の底堅い需要は継続するとみており、今後も同社の力強い利益成長が続くとの見通しを継続。足もとでは、米国金利の高止まりによる住宅需要減速リスクが意識され株価は調整基調にあるが、今後の成長見通しを考慮すれば割安感が高まったと判断している。
■LINEヤフー <4689> 399.5円 +12 円 (+3.1%) 本日終値
LINEヤフー<4689>が高い。松本剛明総務相が5日の閣議後記者会見で、ラインヤフーが総務省に提出した情報漏えい問題の再発防止策について「具体的な取り組み内容が示されており、評価できる」と述べたことがこの日、複数のメディアで報じられた。これを手掛かりに買われた。
■アルペン <3028> 2,028円 +46 円 (+2.3%) 本日終値
アルペン<3028>が6営業日ぶりに反発。同社は4日、6月度の月次情報を公表。既存店売上高は前年同月比10.8%増となり、2カ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感されたようだ。梅雨入りが遅く気温が高く推移したことに加え、休日数が前年より2日多かったことが売り上げ増につながったとしている。なお、全店ベースの売上高は同16.8%増で、5カ月連続のプラスだった。
株探ニュース