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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):伊藤忠、M&A総研、クラダシ

伊藤忠 <日足> 「株探」多機能チャートより
■伊藤忠商事 <8001>  7,373円  +21 円 (+0.3%)  本日終値
 伊藤忠商事<8001>が3日続伸。岩井コスモ証券は7日、同社株の投資判断を新規「A」でカバレッジを開始した。目標株価は8500円とした。同社は大手総合商社の一角で、生活消費分野に強みを持つ。24年3月期の連結純利益は前の期比0.2%増の8017億7000万円と3期連続で8000億円台を達成。25年3月期の同利益は8800億円(前期比9.8%増)を計画している。4月に公表した長期経営方針では、業績や株主還元の拡大などで企業価値の持続的向上を目指すことを明らかにしており、25年3月期の株主還元については、総還元性向50%を目途に1株当たり200円(前期比40円増)の配当、自己株式取得約1500億円を計画していることなども評価している。

■M&A総研 <9552>  3,450円  -455 円 (-11.7%) 一時ストップ安   本日終値  東証プライム 下落率トップ
 M&A総研ホールディングス<9552>が一時ストップ安に売られ、年初来安値を更新した。政府が7日に公表した「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」の2024年改訂版案において、中小・小規模事業者の事業承継に関し、民間の仲介事業者について「買い手とは複数回のビジネスであるため、買い手の意向を強く反映するという、利益相反の問題が指摘されている」としたうえで、「利益相反構造を軽減する報酬体系の検討や、売り手・買い手が納得しやすい手数料水準を実現していく方向で具体的な検討を進める」と記載した。これを受け、M&A関連企業の収益性に及ぼす悪影響が警戒されたようだ。ストライク<6196>やM&Aキャピタルパートナーズ<6080>も急落している。

■アイル <3854>  2,319円  -211 円 (-8.3%)  本日終値  東証プライム 下落率3位
 アイル<3854>は大幅反落。前週末7日の取引終了後、24年7月期連結業績予想について、売上高を169億円から173億5000万円(前期比9.0%増)へ、営業利益を40億円から42億5000万円(同19.8%増)へ、純利益を26億8300万円から28億5100万円(同15.3%増)へ上方修正したが、営業利益で45億円強を見込んでいた市場予想を下回ることから、失望売りが出たようだ。上期に続き、下期も各事業ともに期首の計画を上回り堅調に推移していることに加えて、製販一体体制による案件回転率の向上、新パッケージの投入、機能強化及びオプションの充実による売上総利益率の向上などが寄与する。なお、あわせて期末配当予想を20円から24円へ引き上げており、年間配当予想は40円(前期31円)となる。

■KADOKAWA <9468>  3,233円  -132 円 (-3.9%)  本日終値
 KADOKAWA<9468>が反落。9日、自社グループの複数のウェブサイトが利用できない事象が発生していると発表した。8日未明からサーバーにアクセスできない障害が発生し、データ保全のため関連するサーバーを至急シャットダウンした。同日中に社内で分析調査を実施した範囲ではサイバー攻撃を受けた可能性が高いという。情報漏洩の有無についても調査を進めているとした。これを受け、先行き不透明感が高まったようだ。

■巴工業 <6309>  4,340円  -105 円 (-2.4%)  本日終値
 巴工業<6309>が反落。前週末7日の取引終了後、24年10月期の連結業績予想について、売上高を518億円から527億8000万円(前期比6.4%増)へ、営業利益を41億8000万円から45億4000万円(同12.2%増)へ、純利益を29億3000万円から31億3000万円(同14.5%増)へ上方修正し、あわせて中間・期末各60円の年120円としていた配当予想を中間・期末各63円の年126円にすると発表したが材料出尽くし感から売られたようだ。化学工業製品販売事業で機能材料関連、化成品関連及び工業材料関連を中心に好調が見込まれることが要因。また、機械製造販売事業で収益性の高い部品・修理の販売が伸長していることも寄与する。

■クラダシ <5884>  310円  +80 円 (+34.8%) ストップ高   本日終値
 クラダシ<5884>がストップ高。前週末7日の取引終了後、24年6月末時点の株主から株主優待制度を導入すると発表したことが好感された。毎年6月30日時点で1単元(100株)以上を保有する株主を対象に自社サイトで利用可能なギフトカード「Kuradashi Gift」を保有株数に応じて2000円または4000円分贈呈する。

■光・彩 <7878>  3,090円  +501 円 (+19.4%) ストップ高   本日終値
 光・彩<7878>が急騰。ジュエリーとジュエリーパーツを製造・販売しているが、ジュエリーパーツが国内外で旺盛な需要を獲得しており、足もとの業績は極めて好調に推移している。同社が前週末7日に発表した25年1月期第1四半期(2~4月)の決算は営業利益が前年同期比4.2倍の6300万円と大幅な伸びを達成、対通期進捗率も第1四半期段階で約55%に達しており、好決算を好感する買いを呼び込んでいる。株価は5月22日に急動意をみせ底値圏離脱を明示、その後も長い上ヒゲ形成が相次ぐなど荒い値動きながら、上値追いトレンドを強めていた。きょうは売り物薄のなか一気に上げ足に弾みがついた格好だ。

■ジェイフロンティア <2934>  2,675円  +412 円 (+18.2%) 一時ストップ高   本日終値
 ジェイフロンティア<2934>が急反発。午前10時ごろ、医療機関・薬局向けオンライン診療・服薬指導・処方薬配送サービス「SOKUYAKU(ソクヤク)」が、ウエルシアホールディングス<3141>子会社のウエルシア薬局に採用されることになったと発表しており、好材料視された。「SOKUYAKU」はスマートフォンを活用し、自宅やオフィスにいながらオンライン診療、服薬指導の受診、最短当日中の薬の受け取りを可能にするオンライン診療・服薬指導・処方薬宅配サービス。ウエルシア薬局は39都道府県に1921店舗(24年4月15日現在)の調剤併設型ドラッグストアを展開しており、「SOKUYAKU」はうち19都府県1692店舗で導入されるという。

■ファンペップ <4881>  176円  +17 円 (+10.7%)  本日終値
 ファンペップ<4881>が急反騰。7日の取引終了後、開発中のアレルギーワクチン「FPP004X」について、第1相臨床試験開始時期を25年12月期第1四半期を目標とすると発表したことで、今後の進捗に対する期待感から買われたようだ。また、「FPP004X」に関するオプション契約を締結し、全世界での全疾患に対する独占的研究開発・商業化権の取得に関するオプション権を保有している塩野義製薬<4507>が同日開催の「R&D Day 2024」で、「FPP004X」のアレルギー性鼻炎モデルでの非臨床試験における有効性などを紹介しており、これも好材料視されている。

■ベステラ <1433>  1,033円  +94 円 (+10.0%)  本日終値  東証プライム 上昇率4位
 ベステラ<1433>が続急伸。前週末7日の取引終了後、25年1月期の連結業績予想について、売上高を100億円から110億円(前期比17.1%増)へ、営業利益を4億2000万円から5億円(同2.0倍)へ、純利益を3億5000万円から4億円(同73.1%増)へ上方修正したことが好感された。プラント解体の豊富な工事需要を背景に、受注状況は過去最高水準で推移していることに加えて、前期に受注した大型工事が想定を上回るペースで順調に進捗していることが要因。また、強みであるスクラップ取引において、工事中盤から終盤にかけてスクラップの搬出と共に利益額が大きく上振れる予定であることも寄与する。なお、同時に発表した第1四半期(2~4月)決算は、売上高29億5800万円(前年同期比92.4%増)、営業利益1700万円(前年同期3500万円の赤字)、最終損益2900万円の赤字(同3100万円の赤字)だった。

●ストップ高銘柄
 三ッ星 <5820>  1,935円  +400 円 (+26.1%) ストップ高   本日終値
 ジェイック <7073>  4,080円  +700 円 (+20.7%) ストップ高   本日終値
 ジオコード <7357>  1,027円  +150 円 (+17.1%) ストップ高   本日終値
 など、6銘柄

●ストップ安銘柄
 なし

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