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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):サン電子、シャープ、日立

サン電子 <日足> 「株探」多機能チャートより
■サン電子 <6736>  4,390円  +700 円 (+19.0%) ストップ高   本日終値
 サン電子<6736>が急騰。米投資会社のTrue Wind Capital傘下のファンドが10日、関東財務局に公開買付届出書を提出し、サン電子に対し1株4400円でTOB(株式公開買い付け)を実施することが明らかになった。値上がり益や配当金の取得を目的とするほか、経営陣や取締役会との建設的な対話を通じ、中長期的な観点での潜在的な企業価値など最大化に貢献することを目指すとしている。これを材料視した買いがサン電子に集まったようだ。買付予定数の下限は379万3400株(所有割合17.00%)で、上限は423万9500株(同19.00%)。応募株数が下限に満たない場合、応募株券の全部の買い付けは実施しない。サン電子の上場は維持される予定。買付期間は10日から7月22日までとしている。

■カナモト <9678>  2,989円  +424 円 (+16.5%)  本日終値  東証プライム 上昇率トップ
 カナモト<9678>が急動意。同社は北海道を地盤に建設機械レンタルを主力に手掛け、関東エリアにも営業展開を図るなど業容拡大に積極的だ。建機レンタルの単価改善などが寄与して足もとの収益は好調に推移、前週末7日取引終了後に発表した24年10月期上期(23年11月~24年4月)決算は営業利益が前年同期比16%増の61億8800万円と2ケタ伸長をみせており、これを手掛かり材料に上値を見込んだ投資資金が流入した。PBR0.7倍台とバリュー株の側面をもっており、水準訂正狙いの買いが入りやすい。

■シーイーシー <9692>  2,055円  +264 円 (+14.7%)  本日終値  東証プライム 上昇率2位
 シーイーシー<9692>が急伸。前週末7日取引終了後、取得上限200万株(自己株式を除く発行済み株数の5.95%)、または30億円とする自社株買いの実施を発表した。あわせて決算発表を行っており、これらが好感され買われた。自社株買いの期間は6月10日から12月31日まで。取得した株式は来年1月17日付で消却する。あわせて発表した2~4月期連結決算は売上高が前年同期比6.3%増の140億4900万円、営業利益が同4.2%増の19億1900万円だった。顧客企業の堅調なICT投資が追い風となった。なお、通期の増収減益見通しは据え置いた。

■安田倉庫 <9324>  1,783円  +158 円 (+9.7%)  本日終値  東証プライム 上昇率5位
 安田倉庫<9324>がマドを開けて続急伸、きょうで5連騰となり上場来高値を連日で更新する展開。日銀の金融正常化に向けた動きを背景に一部グロース株からバリュー株への資金シフトの動きが観測されており、その流れに乗った形。東証がプライム・スタンダード上場企業に要請する「資本コストや株価を意識した経営」では、PBRが1倍を割り込んでいる企業に経営努力を促す方向で圧力がかかっており、これが低PBR企業の株価を刺激している。同社は倉庫業を中核とする物流大手だが、業績好調に推移する一方でPBRの低さが際立っている。株価は青空圏を走っているものの、PBRは依然として会社解散価値の半値水準である0.5倍台に過ぎない。

■三菱製紙 <3864>  837円  +69 円 (+9.0%)  本日終値  東証プライム 上昇率6位
 三菱製紙<3864>が大幅続伸。5月21日につけた高値801円をクリアし、2017年11月以来約6年7カ月ぶりの高値圏に突入した。業績は回復色を際立たせている。主力の情報用紙など価格引き上げに伴い利益率が上昇し、生産合理化やコスト削減努力なども寄与している。営業利益が急変貌を果たした前期に続き、25年3月期も同利益は前期比48%増の80億円と5割近い増益を見込む。PER4倍台、PBR0.3倍台は株価がイレギュラー価格に放置されていることを示唆しており、投資資金の攻勢が改めて顕在化している。

■フォーバル <8275>  1,400円  +85 円 (+6.5%)  本日終値
 フォーバル<8275>が続伸。同社はきょう、西武信用金庫(東京都中野区)とビジネスマッチング契約を締結し、中小企業のグリーントランスフォーメーション(GX)を支援する「西武GXトライアルプラン」を開始すると発表。これは、これからGXを始める中小企業をはじめ、二酸化炭素(CO2)排出量を可視化したいといった脱炭素や環境配慮に対して積極的に取り組もうとしている中小企業に、フォーバルの持つノウハウと独自ツールを提供するとしている。

■シャープ <6753>  979.1円  +58.2 円 (+6.3%)  本日終値
 シャープ<6753>が5営業日ぶりに反発。同社は7日、大阪府堺市にある自社の液晶パネル工場関連の土地及び建物を活用した大規模な人工知能(AI)データセンターの構築に向けて、ソフトバンク<9434>と基本合意書を締結したと発表。ソフトバンクはシャープ堺工場の敷地面積全体の約6割にあたる約44万平方メートルの敷地と延べ床面積約75万平方メートルの建物に、受電容量が約150メガワット規模のデータセンターを構築して、25年中の本格稼働を目指すという。また、将来的には受電容量を400メガワット超の規模まで拡大する見込みだとしている。

■日立製作所 <6501>  17,150円  +800 円 (+4.9%)  本日終値
 日立製作所<6501>が上場来高値を更新。同社は7日、子会社の日立エナジーが変圧器や高電圧製品の製造能力向上に向けて、2027年にかけて45億ドルを追加投資すると発表した。スウェーデンの工場の増強やインド拠点を含めて人員を拡充する方針。生成AIの普及やデータセンターの拡大で電力需要の増加が見込まれるなかで、クリーンエネルギーをもとにした電力網の強化を促す。加えて日立は生成AIによりデジタルトランスフォーメーション(DX)支援事業である「ルマーダ」を強化する方針も示しており、成長戦略を好感した買いを集めたようだ。

■西華産業 <8061>  4,220円  +190 円 (+4.7%)  本日終値
 西華産業<8061>が大幅高で3日続伸。前週末7日の取引終了後、日本フェンオール<6870>株式の107万400株を6月13日付で取得し、持ち分法適用関連会社とする資本・業務提携契約を締結したと発表しており、好材料視された。消火設備の製造で高い技術力を有するフェンオールと更なる緊密な関係を築くとともに、西華産の販売力とフェンオールの多様な製品ラインアップの活用を通じて、事業の拡大を図ることが目的。株式の取得価額は18億500万円で、取得後の議決権所有割合は23.34%となる。なお、25年3月期業績への影響は精査中としている。

■コロプラ <3668>  618円  +24 円 (+4.0%)  本日終値
 コロプラ<3668>は5日続伸。前週末7日の取引終了後、ブロックチェーンゲームやメタバースなどを開発・運営するフランスのクリプト・ブロックチェーン・インダストリーズ(CBI)社と資本・業務提携したと発表しており、好材料視された。CBI社は1つのアカウントで複数の異なるワールドをシームレスに探索できるメタバース・プラットフォーム「AlphaVerse」などを開発・運営しており、今回の資本・業務提携に伴いコロプラはCBI社から議決権比率12.5%にあたる株式を1250万ユーロで取得している。あわせて、コロプラの子会社であるBrilliantcryptoは、今後配信するブロックチェーンゲーム「Brilliantcrypto」のパソコン版のEU、イギリス及び南米におけるパブリッシングに関して、CBI社と契約を締結したと発表した。

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