【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):北海電、伊藤忠、ミスミG
北海電 <日足> 「株探」多機能チャートより
北海道電力<9509>は大幅高で年初来高値を更新したのをはじめ電力株が軒並み上昇。原油などエネルギー価格の上昇や為替市場での円安進行が目立つなか、電力コストの一段の上昇が警戒される局面となっているが、そうしたなか東京電力ホールディングス<9501>の柏崎刈羽原子力発電所などを筆頭に原発再稼働に向けた思惑が株式市場では電力株のテーマ買いの動きにつながっている。ハイテク株主導で日経平均が600円超の下げをみせるなど波乱含みの値動きとなるなか、電力株への資金シフトを促している面もあるようだ。
■伊藤忠商事 <8001> 6,765円 +405 円 (+6.4%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位
伊藤忠商事<8001>が後場急伸。午後1時ごろ、経営方針と2024年度経営計画を発表。これを評価した買いが入った。投資を通じた着実な収益成長に加え、企業ブランド価値の向上、株主還元拡大の3本柱で企業価値の持続的な向上を目指す。24年度に連結純利益8800億円、総還元性向50%をメド(1株当たり配当200円下限、自社株取得約1500億円)とする目標を掲げたほか、1兆円を上限に成長投資を実施していく方針を示した。
■ミスミグループ本社 <9962> 2,162円 +114.5 円 (+5.6%) 本日終値 東証プライム 上昇率7位
ミスミグループ本社<9962>は急反発した。SMBC日興証券が2日、ミスミGの投資評価を「2」から「1」に格上げした。目標株価は2600円から2900円に増額している。中国市場の減速などを背景に株価が大幅調整した結果、バリュエーション面でPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)は過去最低の水準となっていると指摘。魅力的なビジネスモデルにもかかわらず株価は過剰な水準まで下落しており、下落リスクは限定的との見方を示す。同証券は25年3月期の連結純利益予想に関し、これまでの318億円から333億円に見直している。
■OBARA GROUP <6877> 4,035円 +200 円 (+5.2%) 本日終値
OBARA GROUP<6877>が反発した。2日の取引終了後、2028年満期のユーロ円建取得条項付転換社債型新株予約権付社債(CB)を発行し、約75億円を調達して全額を自社株買いに充てると発表した。これにあわせ、2日の終値3835円で、3日午前8時45分の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT─3)において、75億2100万円相当となる196万1100株分の買い付けの委託を行うと開示。3日、17万5200株(取得総額6億7189万円)の買い付けを行ったと公表した。株主還元の強化と資本効率の向上に向けた取り組みに対する評価に加え、自社株の取得総額上限である75億円に対する未消化分も意識され、買いを誘う格好となったようだ。
■イオン北海道 <7512> 995円 +46 円 (+4.9%) 本日終値
イオン北海道<7512>が高い。2日取引終了後、食品スーパー大手の西友(東京都武蔵野市)が運営する北海道地域のGMS(総合スーパー)事業を170億円で取得すると発表。これが買い手掛かりとなっている。西友との間で吸収分割契約を締結し、札幌市内にある9店舗を承継する。北海道事業の売上高は261億1600万円(22年12月期)。吸収分割の効力発生日は10月1日の予定。次世代半導体工場の千歳進出を契機とした経済波及効果が期待される一方、全国を上回るスピードで人口減少や高齢化が進む北海道において競争力の維持・向上を図る狙いがある。
■サイゼリヤ <7581> 5,610円 +250 円 (+4.7%) 本日終値
サイゼリヤ<7581>が大幅反発。2日の取引終了後に発表した3月度の月次売上高で、既存店売上高が前年同月比29.1%増と29カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。客数が同21.6%増となり牽引したほか、客単価も同6.1%増と上昇した。なお、全店売上高は同27.9%増だった。
■住友ファーマ <4506> 416円 +16 円 (+4.0%) 本日終値
住友ファーマ<4506>が大幅反発した。2日の取引終了後、同社が保有する英製薬企業ロイバント・サイエンシズ<ROIV>の全株式を同社に相対取引で売却すると発表した。売却額は約980億円の見込みで、25年3月期第1四半期(4~6月)の単体決算において約550億円の投資有価証券売却益を計上する予定。住友ファーマは国際会計基準(IFRS)を導入しており、連結決算への影響はないものの、売却で得た資金で借入金の返済が進み、財務面でプラス効果をもたらすとの見方があり、売り方の買い戻しを誘う形となったようだ。
■F&LC <3563> 3,000円 +113.5 円 (+3.9%) 本日終値
FOOD & LIFE COMPANIES<3563>が続急伸した。同社が2日発表した「スシロー」の月次情報によると、3月の国内での既存店売上高は前年同月比19.3%増と増収基調を続け、伸び率は昨年12月(25.4%増)に次ぐ水準となった。堅調な業況を評価した買いが集まったようだ。既存店売上高が前年同月を上回るのは昨年7月以降、9カ月連続となる。3月の既存店客数は同16.2%増と伸び率は昨年12月(25.2%増)以来の高水準。客単価は同2.7%増と、伸び率は今年1月(4.7%増)以来の高さとなった。全店売上高は同20.6%増となった。
■エービーシー・マート <2670> 2,948.5円 +104 円 (+3.7%) 本日終値
エービーシー・マート<2670>が3日ぶりに反発。2日の取引終了後に発表した3月度概況で、既存店売上高が前年同月比10.7%増と25カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。天候不良の日が多い状況だったものの、前年に比べて土日が1日ずつ多い曜日並びだった効果もあって売り上げは好調に推移した。また商品別では、春物の新作スニーカーやアパレルが伸長した。なお、全店売上高は同9.7%増だった。
■INPEX <1605> 2,400円 +75.5 円 (+3.3%) 本日終値
INPEX<1605>や石油資源開発<1662>、ENEOSホールディングス<5020>、出光興産<5019>といった石油関連株が軒並み高。2日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の5月限が前日比1.44ドル高の1バレル=85.15ドルに上昇。一時85.46ドルと昨年10月下旬以来、約5カ月ぶりの高値に値を上げた。イスラエルがシリア首都のダマスカスにあるイラン大使館を空爆したと報じられ、中東情勢の緊迫化が警戒された。また、ウクライナの無人機(ドローン)によるロシア主要製油所への攻撃があったと伝わったことも原油価格を押し上げた。地政学リスクの上昇による原油価格上昇を受け、INPEXなど石油関連株は買い先行の展開となっている。
⇒⇒最高10万円が当たる! 「個人投資家大調査」を実施中
⇒⇒「株探」では、ただいま「個人投資家大調査-2024」を実施しています。
⇒⇒アンケートにご回答いただいた方から、抽選で「QUOカード」を1名の方に10万円分、1名の方に7万円分、33名の方に1万円分を差し上げます。
⇒⇒アンケートは4月15日(月)午後6時までの予定ですが、回答数の状況で、予定より前に終了することもあります。
⇒⇒アンケートのご回答はこちらからお願いします。
株探ニュース