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【特集】「春のIPO」に本格復活機運、昨年の不振脱し人気化基調は続くのか <株探トップ特集>

昨年の不振状態を脱しIPO市場には復活機運が強まっている。3月IPOでは、初値が高騰する銘柄も目立ち、かつての人気を取り戻しつつある。4月以降も人気の継続が期待される。

―4月は6社が新規上場も、日経平均上昇の追い風受け見直し局面に突入へ―

 IPOに本格復活期待が高まっている。2月、3月のIPOでは、初値が高騰する銘柄が相次ぎ、流通(セカンダリー)市場でも直近IPO銘柄を物色する動きが強まった。昨年秋から年末にかけ、初値が公開価格を下回る銘柄が続出したのとは、雰囲気は一変している。市場には「全体相場が上昇するなか、需給関係が良いIPO銘柄にも物色機運が膨らんでいる」との声が出ている。そんななか、4月IPOがスタートする。IPO市場の現状と今後の見通しを探った。

●2、3月IPOでは初値高騰銘柄が相次ぐ

 3月IPOでは15社が登場。このうち、初値が公開価格を下回ったのは29日上場のマテリアルグループ <156A> [東証G]の1社のみだった。22日のジンジブ <142A> [東証G]や25日のイシン <143A> [東証G]は、上場初日には寄り付かず2日目にそれぞれ公開価格から2.3倍、2.1倍で初値をつけた。28日の情報戦略テクノロジー <155A> [東証G]も初値は公開価格の2.2倍と急伸した。2月IPOも新規上場した5社全ての初値が公開価格を上回った。そのうち3社の初値は公開価格の2倍超と人気化した。

 昨年秋から12月までのIPOの不振から状況は一変している。昨年12月には新規上場した15社のうちの半分を超える8社の初値が公開価格を下回った。それ以前でも昨年10月は12社のIPOのうち5社、11月は3社のうち1社の初値が公開価格割れとなった。海外投資家による大型株買いが活発化するなか、IPO銘柄を含む中小型株は不振状態が続いた。

●セカンダリー市場でも物色人気が強まる

 新年に入っても新興企業で構成する東証グロース市場250指数は、年初から1%高にとどまっている。しかし、IPO銘柄は人気となり、中小型株不振のなかでも強含む展開となっている。市場関係者からは「年初から日経平均株価が大幅高となるなか、需給関係の良好なIPO銘柄には物色機運が再び強まっている」(アナリスト)との見方が出ている。全体相場が活況に沸くなか、個人投資家のなかからは値動きの軽いIPO銘柄を見直す動きが強まっているようだ。

 上場後のセカンダリー市場でも、九州を中心にディスカウントストアの運営などを行うトライアルホールディングス <141A> [東証G]が上値を切り上げる展開となった。また、IoTプラットフォーム「SORACOM」の開発・提供を手掛けるソラコム <147A> [東証G]や不動産開発などを手掛けるコロンビア・ワークス <146A> [東証S]が上昇基調にあるなど、直近IPO銘柄を物色する機運も復活し始めている。

●アズパートナが4月第1号、イタミアート、ハンモック登場

 そんななか、4月IPOがスタートする。今月は6社の新規銘柄の登場が見込まれている。ただ、そのうち1社は上場予定日が未定で5月にずれ込む可能性もある。全社が4月上場となった場合、その内訳は東証スタンダード市場が1社、東証グロース市場が5社。昨年4月との比較では3社減少する。

 4月IPOの第1号となるのが、4日上場のアズパートナーズ <160A> [東証S]だ。上場日は4~10日のいずれかの日とされていたが4日に決まり、スタンダード市場に上場する。同社は、介護付きホームやデイサービスなどシニア事業や介護付きホームの不動産開発などを手掛けている。資金吸収額は20億円程度となる。

 8日にはイタミアート <168A> [東証G]が上場する。同社は、のぼり旗、幕、うちわなど販促用商材の電子商取引(EC)サイトを運営している。資金吸収額は10億円程度だ。11日にはハンモック <173A> [東証G]が登場する。同社は、IT資産管理・セキュリティー対策などの分野で、システム開発やクラウドサービスを展開している。クラウド、DX関連サービスを提供し足もとの業績は伸びている。仮条件から弾いた資金吸収額は30億円前後の見込みだ。

●ゼンリン系のウィルスマトやレジル、コージンBも

 16日にはWill Smart <175A> [東証G]が上場する。IoTとソフトウェアの企画開発やDXソリューションの提供を手掛ける。ゼンリン <9474> [東証P]の子会社で上場後は持ち分法適用会社となる。資金吸収額は10億円程度の見込み。24日にはレジル <176A> [東証G]が登場する。集合住宅への電力供給や、分散型電源の開発、法人への再生可能エネルギーを主体とした電力供給などを展開している。資金吸収額は60億円強の見込み。

 4月25日から5月2日のいずれかの日にコージンバイオ <177A> [東証G]が新規上場する。同社は、バイオ関連銘柄で組織培養培地の開発・製造・販売や細胞加工物の製造受託を手掛ける。資金吸収額は20億円弱の見込みだ。


■4月IPO一覧
     コード・
上場日  上場市場  企業名        主幹事
4月4日  160A・東S アズパートナーズ   野村
  8日  168A・東G イタミアート     東海東京
 11日  173A・東G ハンモック      SMBC日興
 16日  175A・東G Will Smart 大和
 24日  176A・東G レジル        大和
 25日~5月2日
     177A・東G コージンバイオ    野村
(注)東Sは東証スタンダード、東Gは東証グロース


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