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【市況】株価指数先物【寄り前】 日米金利差の縮小を想定したショートが入りやすい


大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 38790 -720 (-1.82%)
TOPIX先物 2679.0 -27.5 (-1.01%)
シカゴ日経平均先物 38785 -725
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 8日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。2月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比27万5000人増加と、市場予想(20万人増程度)を上回った。失業率は3.9%と前の月より0.2ポイント悪化し約2年ぶりの水準に上昇した。これにより、米金融当局にとって、年内に利下げに踏み切る余地が生まれる形となった。

 しかし、予想を下回る決算を発表したブロードコム<AVGO>とマーベル・テクノロジー<MRVL>が売られ、エヌビディア<NVDA>も史上最高値更新後に利益確定の売りに押され、5%を超す下落となり、他のハイテク株に売りが広がった。S&P500業種別指数は不動産、テクノロジー・ハード・機器、食品・飲料・タバコが上昇した一方で、半導体・同製造装置、食品・生活必需品小売、自動車・同部品が下落。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比725円安の3万8785円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比20円安の3万9490円で始まり、直後に付けた3万9560円を高値に下落に転じると、一気に3万9010円まで売られた。売り一巡後は3万9000円近辺での底堅さがみられ、米国市場の取引開始後に3万9340円まで下げ幅を縮めた。ただし、戻りの勢いは鈍く、終盤にかけて下へのバイアスが強まると3万8740円まで売られ、3万8790円とナイトセッションの安値圏で取引を終えた。

 シカゴ先物にサヤ寄せする形で、売り優勢で始まることになりそうだ。米国市場ではエヌビディアなど半導体株が利食いに押されており、東京エレクトロン <8035> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型を押し下げる形から、ギャップダウンで始まることになろう。

 日経225先物が一気に節目の3万9000円を下放れるなか、売り一巡後はショートカバー狙いの動きもあるだろう。ただし、米国の利下げ期待が高まるなかで米長期金利が低下し、為替市場では円相場が一時1ドル=146台へと円高・ドル安が進んでいる。日米金利差を狙ったポジションを巻き戻す動きが入りやすく、これを狙ったショートが強まりやすいと考えられる。

 テクニカル面ではボリンジャーバンドの+1σ(3万9520円)を明確に下放れたことで、中心値の25日移動平均線(3万8190円)が次第に意識されてきそうだ。週足では+1σが3万8790円に位置しているため、ナイトセッションの終値水準で強弱感が対立するだろうが、短期的にショートを仕掛けてくる動きが警戒される。

 そのため、週足の+1σでの攻防を想定し、オプション権利行使価格の3万8500円から3万9000円辺りのレンジを想定する。今週は米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注目している消費者物価指数(CPIコア)など経済指標の発表が予定されている。指標の結果を受けて米国金利が低下し、円高・ドル安の流れが強まる局面では、ショート優位の展開になろう。

 8日のVIX指数は14.74(前日は14.44)に上昇した。25日線を支持線に上昇し、一時15.53まで上げ幅を広げ、終値では2月21日以来の200日線(14.67)を上回った。週足では26週線を捉えてきている。52週線が位置する15.39辺りに接近する局面では、ショートを強めてくる展開が意識されてくる。

 なお、8日のNT倍率は先物中心限月で14.59倍(前日は14.53)に上昇した。ただし、前日は14.72倍から14.53倍に大きく低下していたため、自律反発の範囲内である。25日線は14.53倍に位置しており、同線が支持線として機能するようだと、NTショートを巻き戻す流れから、NTロングに向かわせやすい。ハイテク株の売りが日経平均型の重荷となるなか、まずは25日線が支持線として機能するかを見極めたい。

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