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【市況】伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 3月10日版

日経平均は6月までに3万2693円目指す可能性も
1. 日経平均は1月、2月に上昇すると、その後、上値重い傾向がある
 1月14日の本コラムでは、1月から4月の期間で 日経平均株価が上昇する場合、図1の6パターンになっている(1990年から2023年の期間)と紹介しました。
 上げ傾向のある1月から4月の期間で価格が上昇する場合でも、連続して上昇している年が2013年だけで、その他の年は2カ月程度上昇して、2カ月程度上値重く推移する動き方になっています。
図1 日経平均株価の1~4月の上げ方
【タイトル】
 本年は1月、2月と連続して上昇したため、この中のパターン1、パターン3のどちらかの展開になると考えられます。
 パターン1は1月、2月に上昇して、3月、4月に上値を抑えられているケースです(1991年、1994年、2007年、2012年、2015年、2021年)。
 パターン3は1月、2月に上昇して、上げた分を3月、4月で押し戻されたケースです(1998年)。
 パターン1、パターン3となった年は、ほとんどのケースで年間の最高値を年の前半につけて、1月の安値まで下げる動きとなっています。
 1991年は、3月18日の高値が年間の最高値となって、7月頃に1月の安値を割る程度まで下げています。
 1994年は、6月13日の高値が年間の最高値になって、年末まで下げの流れを作っています。6月の高値は3月の高値を大きく上回る動きとならず、3月の高値が意識される格好で上値を抑えられています。
 1998年は、3月9日の高値が年間の最高値となって、6月頃に1月の安値まで下げています。
 2007年は、2月26日に年間の最高値となる戻り高値をつけて、3月に1月の安値を割る下げを経過しています。3月から7月までは堅調に推移して、7月から年末まで積極的な下げの流れへ入っています。
 2012年は、3月27日に戻り高値をつけた後、6月上旬頃までの期間で1月の安値まで下げています。
 2015年は、1月、2月が一本調子の上昇場面となった後、3月から6月の期間で、上値を切り上げる振れ幅の大きなジグザグの動きへ入り、6月の高値が年間の最高値となって、9月末までの期間で1月の安値付近まで下げています。
 2021年は、2月16日に戻り高値をつけた後、5月頃までに1月の安値付近へ下げています。
 1994年と2015年を除けば、2月、3月の高値が戻り高値となって、5~7月頃までの期間で1月の安値、または1月の安値以下へ下げる動きになっています。
 1994年、2015年は6月頃に戻り高値をつけた後、年末までの期間で1月の安値まで下げています。
 本年も似た展開になるなら、3月の高値が戻り高値になって、6月頃までに1月の安値付近まで下げるか、6月頃に戻り高値をつけて、年末へ向けて1月の安値を目指すかのどちらかの展開になる公算です。
 本年は、3月までの期間で年間の上昇分のすべてを使い切っているとみられます。今後、6月頃まで下げ渋るとしても、3月の高値を大きく上回ることなく、保ち合いの動きへ入り、天井型を作る展開になると考えられます。
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