市場ニュース

戻る
 

【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「調整アノマリーとメジャーリーグ開幕」

株式評論家 富田隆弥

◆今週は「大谷翔平」の話題でもちきりだった。2月28日のオープン戦でのドジャース移籍後「第1号」ホームランに続き、翌29日にはなんと結婚の報告を行った。その取材でマスコミは大騒ぎすることだろう。一方で、世間の関心をそらすことができて安堵している政治家もいるのではないか。

◆昨年の東京株式市場は、大谷翔平の活躍に歩調を合わせるように4月から6月中旬にかけて大きく上昇した。その意味で、今年もその雄姿を早く目にしたいものだが、いまはまだオープン戦で調整期間にあたる。メジャーリーグの開幕試合は3月20日、韓国で行われる大谷を擁するドジャースとパドレスとの一戦だ。

◆さて、2月22日に史上最高値を更新した日経平均株価は、27日にその高値を3万9426円に伸ばした。東証株価指数(TOPIX)が1989年に付けた史上最高値の2884.80ポイントにまだ届いていないことから、東京株式市場の上昇基調はまだ続くと思われる。

◆とはいえ、年初から急騰を演じてきた相場だ。調整アノマリー(経験則)のある3月を迎えて、少し調整を挟んでもおかしくはない。年度末の3月は、年金のポジション調整や8日のメジャーSQ(先物・オプション取引の特別清算指数算出日)などで一時的に売り優勢になることも想定される。

◆チャートやテクニカル指標を見ても、日足、週足とも納得の二段上げとなり、RCI(順位相関指数)や移動平均線カイ離率、信用買い残の評価損益率(2月22日申し込み現在:-4.77%)など注意信号が多く灯り、「彼岸底」という格言もある。

◆世界が注目したエヌビディア<NVDA>の決算発表も通過した。日経平均株価が34年ぶりに史上最高値を更新したことで、マーケットは一旦「達成感」を漂わせてもおかしくない。ならば、投資家としては昨年の調整局面(3月9日高値から16日安値まで2102円下落)同様、中旬頃まで様子を見て、大谷翔平の開幕試合を待って動き出すという対処も一策かもしれない。

(2月29日 記、次回更新は3月9日10時を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均