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【材料】リフトが決算受け大幅高 通期FCFの初の黒字化を見込む=米国株個別

(NY時間09:49)(日本時間23:49)
リフト<LYFT> 15.91(+3.78 +31.12%)

 配車サービスのリフト<LYFT>が大幅高。前日引け後に10-12月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益が予想を上回ったほか、グロスブッキングも予想を上回った。EBITDAも予想を上回っている。また、ガイダンスも公表し、第1四半期の見通しが予想を上回ったほか、同社は、通期のフリーキャッシュフロー(FCF)が初の黒字になるとの見通しを示した。

 今回の決算は、同社がライダー数を増やし、長年の努力が実を結びつつあることを示した。パンデミック時の落ち込み以来、ライダー全体の需要が引き続き伸びていることを示唆している。同社は注文増加に対応するため、ドライバーの確保と維持に莫大な費用を投じている。1年足らず前に就任したリッシャーCEOは、ライバルのウーバー<UBER>との差を縮めるために顧客満足に焦点を当て、基本に立ち返ることを強調。

 ブリュワーCFOは声明で「今回の傑出した業績は高収益性のための強固な基盤を構築するために信じられないような努力をしたことを示している。2024年に勢いをつけ、卓越した運営に明確に注力することで、有意義な利益拡大と、初の通期フリーキャッシュフローの黒字化を推進できる体制を整えた」と述べた。アクティブライダー数は10%増の2240万人となった。昨年の利用者数は4000万人を超え、史上最高の年間利用者数となった。

 今回の決算を受けてアナリストからの目標株価引き上げも伝わった。「同社は、ドライバーの供給改善による市場の効率化とリフト・メディア社の成長により、第1四半期のテイクレートの見通しが予想を上回った」と述べている。

 ただ、同社は構造的な保険コストの逆風に直面し、価格決定力とテイクレートに関して、競合のウーバーに翻弄され、24年度と25年度はGAAPベースでは採算がとれず、ウーバーに対して割高だとして、株価への慎重姿勢は崩していない。

 テイクレートは総取扱高から売上高に計上できる割合。

(10-12月・第4四半期)
・1株利益(調整後):0.18ドル(予想:0.07ドル)
・売上高:12.2億ドル(予想:12.2億ドル)
・グロスブッキング:37.2億ドル(予想:36.7億ドル)
・EBITDA(調整後):6600万ドル(予想:5600万ドル)
・アクティブライダー数:2240万(予想:2246万)
・利用者数:

(1-3月・第1四半期見通し)
・グロスブッキング:35~36億ドル(予想:34.8億ドル)
・EBITDA(調整後):5000~5500万ドル(予想:4950万ドル)
・EBITDAマージン(調整後):約1.4~1.5%(グロスブッキングに対して)

(通期見通し)
・FCF:初の黒字見込む

【企業概要】
 米国・カナダで複合輸送ネットワークサービスを展開し、自社モバイルアプリを介してドライバーと乗客を結びつけるライドシェアサービスを提供する。シェアサイクルネットワークへのアクセス・近隣公共交通機関のルート情報・レンタカーサービス等を提供する。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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