【市況】12日の米国市場ダイジェスト:NYダウは173ドル高、CPIを好感
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
■NY株式:NYダウは173ドル高、CPIを好感
米国株式市場は続伸。ダウ平均は173.01ドル高の36,577.94ドル、ナスダックは100.91ポイント高の14,533.40で取引を終了した。
11月消費者物価指数(CPI)のほぼ予想に一致した結果を好感し寄り付き後、上昇。長期金利の低下を受けてハイテクも上昇し、相場を一段と押し上げた。イエレン財務長官のインフレや経済に関する楽観的な見解も支援し相場は終日堅調に推移。終盤にかけて上げ幅を拡大し終了した。セクター別では半導体・同製造装置が上昇した一方で、エネルギーが下落。
自動車メーカーのフォード(F)は弱い需要に合わせてピックアップトラック「F150ライトニング」の2024年の生産目標を半減すると発表し、堅調に推移。ソフトウエア会社のマイクロソフト(MSFT)やソーシャルメディアのフェイスブック(FB)を運営するメタ・プラットフォームズ(META)はアーク・インベストメントの上場投資信託(ETF)による人工知能(AI)関連銘柄として株式購入が明らかになり、それぞれ上昇。
検索大手のグーグルを運営するアルファベット(GOOG)はカリフォルニア州の連邦地裁の陪審がグーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載したスマホ向けアプリの販売・決済を同社のアプリストアが独占しているのは独禁法に違反するとの判断を下し、下落。高級電気自動車メーカーのルーシド(LCID)はハウス最高財務責任者(CFO)が辞任を発表し、下落。玩具メーカーのハズブロ(HAS)は追加戦略見直しで従業員900人削減を発表し、売られた。ソフトウエア・メーカーのオラクル(ORCL)は第2四半期決算内容を嫌気した売りが継続。
イエレン財務長官はイベントで、国内経済がソフトランディングの軌道にある、と楽観的な見解を示した。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:米インフレ長期化で早期利下げ観測後退
12日のニューヨーク外為市場でドル・円は144円74銭まで下落後、145円85銭まで上昇し、145円45銭で引けた。消費者物価指数(CPI)の結果を受け、インフレが正しい方向に向かっている証拠との判断で一時ドル売りが強まったものの、同時に、前月比では伸びが拡大するなどインフレ長期化の兆候も示され、FRBの来年の利下げ観測が弱まりドル売りも後退した。
ユーロ・ドルは1.0827ドルまで上昇後、1.0767ドルまで反落し、1.0797ドルで引けた。ドイツ12月ZEW景気期待指数の予想外の改善で景気減速懸念が後退しユーロ買いが強まったのち、ドル買いに押され反落。ユーロ・円は156円67銭へ下落後、157円22銭まで上昇。ポンド・ドルは1.2615ドルへ上昇後、1.2514ドルまで反落。ドル・スイスは0.8725フランまで下落後、0.8782フランまで上昇した。
■NY原油:反落で68.61ドル、節目の70ドルを下回る
NY原油先物1月限は反落(NYMEX原油1月限終値:68.61 ↓2.71)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物1月限は、前営業日比-2.71ドルの68.61ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは68.22ドル-71.96ドル。アジア市場で71.96ドルまで買われたが、利益確定を狙った売りが観測され、ロンドン市場で71ドルを下回った。需要減少の思惑が浮上し、米国市場では一時68.22ドルまで続落。通常取引終了後の時間外取引では68ドル台で推移した。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 30.74ドル -0.11ドル(-0.35%)
モルガン・スタンレー(MS) 83.60ドル +0.78ドル(+0.94%)
ゴールドマン・サックス(GS)352.61ドル +0.85ドル(+0.24%)
インテル(INTC) 44.04ドル -0.50ドル(-1.12%)
アップル(AAPL) 194.71ドル +1.53ドル(+0.79%)
アルファベット(GOOG) 133.64ドル -1.06ドル(-0.78%)
メタ(META) 334.22ドル +8.94ドル(+2.74%)
キャタピラー(CAT) 261.43ドル +0.51ドル(+0.19%)
アルコア(AA) 24.05ドル -0.88ドル(-3.52%)
ウォルマート(WMT) 151.36ドル +0.12ドル(+0.07%)
《ST》
提供:フィスコ