【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):スクリン、郵船、トヨタ
スクリン <日足> 「株探」多機能チャートより
FPパートナー<7388>が反発した。1日の取引終了後、ライフタイムコンサルティング(LTC、東京都港区)が保有する保険契約の一部を譲り受けることで合意し、契約を締結したと発表。今後の業績へのプラス効果を期待した買いが入ったようだ。LTCが保有する生命保険・損害保険契約の一部である約2万3000件を譲り受ける。LTCは2024年11月末をメドに清算する予定で、保有契約の引き継ぎを検討していた。
■牧野フライス製作所 <6135> 5,950円 +130 円 (+2.2%) 本日終値
牧野フライス製作所<6135>が3日続伸。前週末1日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表したことが好材料視された。上限を20万株(発行済み株数の0.84%)、または10億円としており、取得期間は12月4日から来年3月31日まで。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするために実施するという。
■チヨダ <8185> 858円 +17 円 (+2.0%) 本日終値
チヨダ<8185>がしっかり。前週末1日の取引終了後に発表した11月度の月次売上高速報で、既存店売上高が前年同月比14.5%増となり、12カ月連続で前年実績を上回ったことが材料視された。気温が低下したためブーツなど冬物の売り上げが好調で、特に東北、北海道を中心に雪関連商材の売り上げが伸長した。また販売促進で、PayPayや楽天ペイのポイント還元を活用したキャンペーンを行ったほか、新聞の折り込みチラシやテレビCMを活用した「ブラックフライデー・最大50%オフセール」を行ったことも売り上げと集客アップに寄与した。なお、全店売上高は同10.6%増だった。
■スクリン <7735> 11,085円 +210 円 (+1.9%) 本日終値
SCREENホールディングス<7735>が9日続伸し、実質的に連日の上場来高値更新となっている。前週末1日の取引終了後、東北大学発ベンチャーで量子アニーリング技術を活用したソリューションを提供するシグマアイ(東京都港区)の株式の一部を取得し、持ち分法適用関連会社化したと発表しており、好材料視された。スパークス・グループ<8739>から株式を譲受する。譲受価額は非開示。スクリンでは今回の出資により、スパークスとともにシグマアイの量子アニーリング技術の早期実用化をサポートする。また、スクリンとシグマアイの持つ技術や知見をより深く融合することで、生産工程スケジューリングや材料探索の最適化など、半導体製造装置を中心とした既存ビジネスや、新規事業領域など幅広い分野で連携するとしている。
■日本郵船 <9101> 4,052円 +60 円 (+1.5%) 本日終値
日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>など大手をはじめ海運株が軒並み高に買われた。業種別騰落率では33業種中トップとなっている。特にばら積み船を主力とするNSユナイテッド海運<9110>が300円を超える上昇で人気を際立たせている。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数の上昇がここにきて加速している。前週末1日時点で7連騰と気を吐いており、3192まで水準を切り上げた。これは22年5月以来約1年半ぶりの水準で、海運セクターに強力なポジティブ材料として意識されている。
■日本エスコン <8892> 930円 +12 円 (+1.3%) 本日終値
日本エスコン<8892>が3日続伸した。この日、ファイターズ スポーツ&エンターテイメント(FSE、北海道北広島市)、ディー・エヌ・エー<2432>とともに、スポーツを含むエンターテインメントに特化した不動産開発などを目的とする新会社を設立したと発表。これを手掛かり視した買いが入り、前場中盤に上げ幅を拡大した。日エスコンは、北海道日本ハムファイターズの新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」を核とする北海道ボールパークFビレッジにおいて、新規分譲マンションやシニアレジデンス、球場近接地でのホテル開発など推進。FSEとともに新たなまちづくりに取り組んできた。新会社のエスコンスポーツ&エンターテイメント(東京都港区)は、北海道ボールパークFビレッジ内の事業だけでなく、日本全国のスタジアム・アリーナを核としたまちづくりの支援・コンサルティングなどを展開する。出資比率は日エスコンが51%、FSEが34%、ディーエヌエが15%とする。
■王将フードサービス <9936> 8,070円 +20 円 (+0.3%) 本日終値
王将フードサービス<9936>は底堅い動き。午前10時ごろに発表した11月度の月次売上高(速報版)で、直営既存店売上高が前年同月比9.9%増と26カ月連続で前年実績を上回り、11月として過去最高売り上げを更新したと発表したことが好感された。「ぎょうざ倶楽部お客様感謝キャンペーン」などの各種販促施策とともに、テレビCMを積極的に展開したことで10月の価格改定後も客足が伸び、客数が同5.4%増となったことが牽引した。なお、直営全店売上高は同10.9%増だった。
■クミアイ化学工業 <4996> 1,035円 -49 円 (-4.5%) 本日終値 東証プライム 下落率8位
クミアイ化学工業<4996>が大幅続落。前週末1日の取引終了後、集計中の23年10月期連結業績について、売上高が従来予想の1690億円から1612億円(前の期比10.9%増)へ、営業利益が171億円から139億円(同9.7%増)へ下振れて着地したようだと発表しており、嫌気された。海外向けの畑作用除草剤「アクシーブ」について、一部地域での在庫適正化による出荷減少とジェネリック対策による価格対応などにより、売上高・利益が予想を下回ったことが要因としている。なお、持ち分法による投資利益の一過性要因(税還付認識)などにより、純利益は167億円から179億円(同9.6%増)へ上振れたとしている。
■トヨタ自動車 <7203> 2,767.5円 -65.5 円 (-2.3%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>など自動車株が総じて安く、東証の業種別指数で輸送用機器は下落率トップとなった。前週末に米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が講演を行った。利下げについては時期尚早との見解を示しながらも、現在の政策金利については「かなり抑制的な水準」と述べた。市場参加者が見込む政策転換シナリオに沿った発言との受け止めもあって、米長期金利は4.1%台まで低下し、ドル売りを促した。円相場は対ドルで上昇し、一時1ドル=146円台前半と9月以来の水準をつけた。円高による収益圧迫リスクが意識され、自動車株の重荷となっている。ホンダ<7267>や日産自動車<7201>、マツダ<7261>、SUBARU<7270>も水準を切り下げている。
■コスモHD <5021> 5,495円 -121 円 (-2.2%) 本日終値
コスモエネルギーホールディングス<5021>が軟調。前週末1日の取引終了後、岩谷産業<8088>がコスモHDの株式を旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)などから取得したと発表した。シティ側と対立していたコスモHDは今月14日に買収防衛策の発動を諮るため、臨時株主総会を開く予定だった。市場では資本効率の向上に向けたコスモHDへの圧力が弱まるとの受け止めが広がり、売りが優勢となった。岩谷産はシティと南青山不動産(東京都渋谷区)、野村絢氏から、コスモHD株を約1740万株取得した。取得価格は1053億円で、岩谷産の持ち株比率は0.07%から19.93%に上昇。公正取引委員会の審査により、排除措置命令を行わないとの通知がなされた場合、シティから25万株を追加取得することを予定している。コスモHDと岩谷産はLPガスやLNG(液化天然ガス)などで取引関係があり、水素関連事業で協業を強化していた。岩谷産は株式取得によりコスモHDとの連携を深化させていく方針。株式取得に向け三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>傘下の三菱UFJ銀行から資金の借り入れを行った。岩谷産は24年3月期の連結業績予想への影響は精査中としている。
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