【市況】ソフトバンクGが日経平均をけん引/オープニングコメント
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
12日の日本株市場は、全体としてはこう着感の強い相場展開になりそうだが、底堅さは意識されそうである。11日の米国市場はNYダウが87ドル高、ナスダックは156ポイント高だった。イエレン米財務長官が週末のインタビューで、インフレが着実に鈍化しており、景気後退を回避する軌道にあると、楽観的な見解を示したことが安心感につながった。消費者物価指数(CPI)などの重要指標発表を控えた警戒感から一時伸び悩んだ局面もあったが、アップルなどハイテク株の一角が買われ、相場を支える格好となった。シカゴ日経225先物清算値は、大阪比155円高の32435円。円相場は1ドル146円50銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い先行で始まることになろう。日経225先物はナイトセッションで一時32220円まで売られる場面も見られたが、75日線水準が支持線として機能しており、その後の上昇により32450円まで買われ、高値で取引を終えていた。下値の堅さが意識されるなか、自律反発狙いの買いは入りやすいだろう。米アップルが小幅ながら続伸となったほか、マイクロソフトなど大手テックの一角が堅調。また、テスラがモルガンスタンレーの投資判断の引き上げを受けて10%を超える上昇を見せたことも材料視されやすいだろう。
ただし、積極的な売買は手控えられやすい状況であることから、短期的なトレードが中心になりそうだ。昨日は日銀の政策変更への思惑から金利が上昇し、これを受けて金融株が買われていた。一方で、円高に振れるなか、自動車株への売りが目立っていた。米国市場では米連邦準備理事会(FRB)により金融引き締め長期化への警戒が和らいだものの、国内では日銀の金融政策の修正が意識されやすく、神経質にさせてくる可能性はありそうだ。
なお、ソフトバンクG<9984>傘下の英半導体設計大手アーム・ホールディングスによる新規株式公開(IPO)への申し込みが早くも10倍を超えたと報じられている。公開価格の仮条件の引き上げも引き続き検討していると伝えられるなか、ソフトバンクGが日経平均をけん引する流れが意識されてきそうだ。
《AK》
提供:フィスコ