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【市況】株価指数先物【寄り前】 押し目狙いのロングが入りやすい


大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 32450 +170 (+0.52%)
TOPIX先物 2352.0 +8.5 (+0.36%)
シカゴ日経平均先物 32435 +155
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 11日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。イエレン米財務長官が10日のインタビューで、インフレを抑制できるとの自信を強めていると述べ、景気後退を回避できるとの見解を示した。また、FRB(米連邦準備制度理事会)ウオッチャーとして知られる米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の記者が、次回FOMC(米連邦公開市場委員会)ではFRBが利上げに慎重となっていることに言及したことも材料視され、追加利上げへの警戒感が和らぎ買い安心感につながった。テスラ<TSLA>がモルガン・スタンレーの投資判断引き上げを受けて10%を超える急伸となったほか、メタ・プラットフォームズ<META>やマイクロソフト<MSFT>、アップル<AAPL>など大手テック株の一角が買われた。S&P500業種別指数は自動車・同部品、小売、電気通信サービスが上昇した一方で、エネルギー、耐久消費財・アパレル、半導体・同製造装置が下落。

 シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比155円高の3万2435円だった。日経225先物(12月限)は日中比20円高の3万2300円で始まり、その後軟化し、3万2220円まで売られる場面が見られた。しかし、売り一巡後は3万2250円~3万2350円辺りで底堅い値動きを継続。米国市場の取引開始後はプラス圏での推移を続け、終盤にかけて3万2450円まで上げ幅を広げ、ナイトセッションの高値で取引を終えた。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い優勢の展開になりそうだ。WSJ記者の記事を受けて、金融引き締め長期化への警戒が和らいでおり、押し目狙いのロングが入りやすいだろう。日経225先物はナイトセッションで一時3万2220円まで売られたが、75日移動平均線水準が支持線として意識されていた。ボリンジャーバンドの+1σが位置する3万2550円辺りでは強弱感が対立しやすいものの、同水準を捉えてくる動きがありそうだ。

 今週は13日に米消費者物価指数(CPI)、14日に米小売売上高、米卸売物価指数(PPI)の発表を控えて、積極的な売買は手控えられるだろうが、先週後半からショート優勢の需給状況だったこともあり、ショートカバーを誘い込む流れに向かわせよう。そのため、オプション権利行使価格の3万2250円から3万2500円辺りでの狭いレンジ推移を想定しつつ、+1σを捉えてくる局面では3万2750円辺りまでのリバウンドを意識しておきたい。

 VIX指数は13.80(前日は13.84)に低下した。14.00を挟んでの小動きではあったが、75日線を下回って推移を見せていることから、リスク選好に傾きやすいだろう。CPIやPPIの発表を控えて楽観視はできないものの、ショートは仕掛けづらくさせそうだ。

 なお、前日のNT倍率は先物中心限月で13.77倍に低下しており、方向性としては2月22日の13.70倍のほか、1月16日の13.62倍が意識されやすい。昨日は日本銀行の植田和男総裁の発言をきっかけに、年内の政策変更への思惑が高まり、マイナス金利政策の解除を織り込む動きから銀行株の上昇が目立った。本日は米国市場の流れを受けてNTショートを巻き戻す動きも見られそうだが、金融政策変更への思惑から引き続きNTショートに向かわせやすいだろう。

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