【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):ゲオHD、大建工、HENNGE
ゲオHD <日足> 「株探」多機能チャートより
ゲオホールディングス<2681>がストップ高の2249円に買われた。10日の取引終了後に発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高1067億2500万円(前年同期比31.1%増)、営業利益57億9000万円(同43.8%増)、純利益48億2800万円(同59.1%増)と大幅増益となったことが好感された。物価高に対する生活防衛手段としてのリユース需要の継続やリユース市場の規模拡大により、国内外の2nd STREETの売り上げが伸長。また、家庭用ゲーム機本体の順調な販売やゲームのヒットタイトルも寄与した。なお、24年3月期通期業績予想は、売上高4000億円(前期比6.0%増)、営業利益130億円(同22.4%増)、純利益70億円(同23.2%増)の従来見通しを据え置いている。
■大建工業 <7905> 2,830円 +500 円 (+21.5%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率3位
大建工業<7905>はストップ高。伊藤忠商事<8001>が10日の取引終了後、100%出資子会社BPインベストメントを通じて同社に対してTOBを実施すると発表しており、TOB価格の3000円にサヤ寄せする格好となっている。伊藤忠は現在、大建工株式の36.34%を所有し関連会社としているが、完全子会社化して経営への関与を更に強めることにより、国内住宅事業を中心とした収益力強化に加え、国内非住宅事業や北米を中心とした海外事業の強化・拡大などの施策を機動的に進めるのが狙い。買付予定数は1659万6588株(下限829万8295株・上限設定なし)で、買付期間は8月14日から10月10日まで。TOB成立後、大建工は所定の手続きを経て上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は8月10日付で大建工株式を監理銘柄(確認中)に指定している。なお、大建工は同TOBに対して賛同の意見を表明している。
■HENNGE <4475> 1,001円 +150 円 (+17.6%) ストップ高 本日終値
HENNGE<4475>がストップ高の水準となる前営業日比150円高の1001円に買われた。前営業日の10日取引終了後に発表した23年9月期第3四半期累計(22年10月~23年6月)の連結決算は、売上高が前年同期比19.1%増の49億3700万円、営業利益が同16.8%増の5億5800万円だった。大幅な増収増益となったことに加え、今期の業績予想について「各段階利益が上振れする可能性が出ている」としており、これらをポジティブ視した買いが集まったようだ。クラウドセキュリティーサービス「HENNGE One」の成長が寄与した。広告宣伝費を除いた営業費用が期初の想定よりも若干下振れする可能性があるといい、通期業績予想の修正の必要が生じた際には速やかに開示するとした。
■東和薬品 <4553> 2,215円 +326 円 (+17.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率6位
東和薬品<4553>がマドを開けて買われた。1月4日高値の2130円を上回り、およそ7カ月ぶりに年初来高値を更新した。前週10日取引終了後に発表した4~6月期決算の内容が好調だったことから、これを評価した買いを集めている。4~6月期の売上高は前年同期比20.2%増の545億4800万円、営業利益は同2.2倍の40億9600万円だった。販売数量が伸びたことやセールスミックスの改善が寄与した。通期見通しに変更はない。
■ダイコク電機 <6430> 4,840円 +700 円 (+16.9%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率7位
ダイコク電機<6430>がストップ高の4840円に買われた。10日の取引終了後に発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高159億6500万円(前年同期比2.7倍)、営業利益48億3700万円(同21.3倍)、純利益33億6900万円(同17.6倍)と大幅増益となり、営業利益が通期計画を上回ったことが好感された。アミューズメント事業で、パチンコ機向けの表示ユニット及び制御ユニット販売、部品販売がともに苦戦したものの、主力の情報システム事業ではスマート遊技機の導入に伴いパチンコホール向けのカードユニット「VEGASIA」、情報公開端末「REVOLA」「BiGMO PREMIUM」などの販売が好調だった。なお、24年3月期通期業績予想は、売上高380億円(前期比19.4%増)、営業利益42億円(同4.5%増)、純利益30億円(同2.5%増)の従来見通しを据え置いている。
■ノーリツ鋼機 <7744> 2,829円 +388 円 (+15.9%) 本日終値 東証プライム 上昇率9位
ノーリツ鋼機<7744>が急反騰し年初来高値を更新。10日の取引終了後、23年12月期の連結業績予想について、売上高を800億円から848億円(前期比15.3%増)へ、営業利益を76億円から112億円(同8.9倍)へ、純利益を43億円から67億円(同93.4%減)へ上方修正したことが好感された。上期のものづくり(音響機器関連)セグメントのAlphaTheta(アルファシータ)において、新製品の投入や継続する好調な需要と供給の正常化により販売が好調に推移していることに加えて、為替相場が想定為替レートと比較して円安に推移していることが要因としている。なお、第2四半期累計(1~6月)決算は、売上高414億6900万円(前年同期比31.5%増)、営業利益73億6500万円(同2.3倍)、純利益44億5400万円(同95.6%減)だった。
■Lドリンク <2585> 3,730円 +495 円 (+15.3%) 一時ストップ高 本日終値
ライフドリンク カンパニー<2585>が一時ストップ高の水準となる前営業日比700円高の3935円に買われた。前営業日の10日取引終了後、24年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。営業利益は14億600万円で着地し、通期計画に対する進捗率は約37%となった。業績の上振れを期待した買いが集まったようだ。4~6月期の売上高は99億7100万円だった。同社は前期の第1四半期に連結財務諸表を作成していない。前年同期の単体業績との比較では、売上高が38.3%増、営業利益が89.5%増となった。既存工場における生産能力の増強投資や、子会社化したニットービバレッジの生産分が寄与し、生産数量が大きく伸びた。原材料や水道光熱費などのコスト増加分を増収や生産性の向上などでカバーした。
■日本アクア <1429> 1,029円 +129 円 (+14.3%) 一時ストップ高 本日終値
10日に決算を発表。「上期経常は50%増益で上振れ着地」が好感された。
日本アクア <1429> [東証P] が8月10日大引け後(15:00)に決算を発表。23年12月期第2四半期累計(1-6月)の経常利益(非連結)は前年同期比49.6%増の14億円に拡大し、従来予想の11.6億円を上回って着地。
⇒⇒日本アクアの詳しい業績推移表を見る
■Arent <5254> 5,600円 +700 円 (+14.3%) ストップ高 本日終値
Arent<5254>がストップ高。5000円近辺のもみ合いを急速に上放れる動きでマーケットの注目を集めている。建設業界を中心としたデジタルトランスフォーメーション(DX)コンサルティングビジネスを展開、システムの外販も行っており、業界ニーズを捉え収益は成長加速局面にある。前週10日取引終了後に発表した23年6月期決算は最終損益が3億1700万円の黒字(前の期は4800万円の損失)と黒字転換を果たし、続く24年6月期の最終利益は前期比62%増の5億1500万円と大幅な伸びで過去最高更新となる見通し。これを評価する買いを呼び込む格好となっている。
■藤田観光 <9722> 4,870円 +590 円 (+13.8%) 本日終値
藤田観光<9722>が急騰、一時ストップ高まであと40円に迫る660円高の4940円まで駆け上がる場面があった。株価は前営業日まで6連騰と上値指向を強めていたが、きょうはそれに輪をかけて投資資金の攻勢が勢いを増している。「椿山荘」で有名な宴会場やホテルの老舗だが、インバウンド需要を背景に宿泊関連の需要が旺盛であり、客単価の上昇なども追い風に目を見張る業績回復色をみせている。前週10日に発表した23年12月期上期(23年1~6月)決算は営業損益が19億1200万円(前年同期実績は38億400万円の赤字)と大幅黒字転換を果たした。これを手掛かり材料に大口の買い注文が入り株価を押し上げている。時価は2016年6月以来約7年2カ月ぶりの高値圏に浮上している。
株探ニュース