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【市況】金利を恒久的に安定さたければ、インフレと正の相関を持つべき

 短期金融市場では、FRBが次回9月FOMCは据え置きを確実視しているものの、年内の追加利上げの可能性は温存している。その一方で、市場は来年の利下げ開始も示唆している状況。しかし、著名なエコノミストからは、金利を恒久的に安定させたいのであれば、インフレとある種の正の相関を持つべきで、そのためには、インフレが沈静化しても、金利を予想よりも長く5%前後に維持する必要があるとの指摘が出ている。

 コアインフレは米国のみならず、ユーロ圏と英国でも一貫して目標を大きく上回っており、各中銀はインフレを2%目標に近づけるために必要な期間、高金利を維持することを改めて表明している。政策決定者たちは利下げ期待を大きく後退させようとしているが、利下げはまだ先という意見には賛同する。コアインフレが低下し、過去10年以上に渡って蓄積された金融刺激策に対処するためには、それが正しいと言わざるを得ないという。

 経済を恒久的にバランスの取れた世界にするためには、金利が再び自動的に下がらなければならないという考え方は理解できない。なぜなら、インフレを恒久的に安定させたいのであれば、金利はインフレとある種の正の相関を持つべきだからだ。現在の米国は景気後退回避において適切なポジションにあり、インフレ期待がかなり安定している。

 FRBが闘って来たいくつかの力が衰え始めていることを考えると、このムードと市場の反応がもう少し続くのは妥当なことだという。インフレのトレンドは改善している。実際、次の展開は、米国よりもむしろ欧州の方が良いニュースになるのではないかと思う。というのも、最近米国で多くのことが起きているが、欧州ではそれが始まったばかりだからだとも指摘した。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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