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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):川崎汽、京王、東電HD

川崎汽 <日足> 「株探」多機能チャートより
■川崎汽船 <9107>  4,544円  +177 円 (+4.1%)  本日終値
 川崎汽船<9107>が一時6%高で4600円台に買われ連日の年初来高値更新。このほか、日本郵船<9101>、商船三井<9104>など大手海運株が頑強な値動きをみせ、業種別騰落でも「海運」は33業種中、唯一4%を超える値上がりで異彩を放っている。川崎汽は2日取引終了後に発行済み株式数の4.7%にあたる1167万6000株、金額にして600億円を上限とする自社株買いを発表、これが株価を強く刺激している。外部環境面では日米ともに金利が上昇傾向にあるなか、ハイテク系グロース株には向かい風が強く、相対的にバリュー株の優位性が高まっている。そのなか、低PBR・高配当利回りの海運への投資資金シフトが鮮明に。

■京王電鉄 <9008>  4,889円  +172 円 (+3.7%)  本日終値
 京王電鉄<9008>が急反発した。2日の取引終了後、24年3月期の通期業績予想の上方修正を発表。経常利益の見通しをこれまでの197億円から317億円(前期比45.6%増)に見直し、減益予想から一転して増益の計画とした。インバウンド(訪日外国人)の需要回復や鉄道運賃改定効果などを織り込んでおり、業況を評価した買いが集まったようだ。今期の売上高は3680億円から3880億円(同11.8%増)に見通しを引き上げた。連結子会社の京王建設がNB建設(横浜市神奈川区)の全株式を取得し、連結対象に入ったことも利益を押し上げる要因とる。京王はあわせて、新宿駅西南口地区開発計画と、京王線新宿駅改良工事事業の推進を決定したとも開示した。工期は2040年代までを予定し、総事業費は現時点では3000億円を想定する。

■三井倉HD <9302>  3,745円  +115 円 (+3.2%)  本日終値
 三井倉庫ホールディングス<9302>が高い。2日の取引終了後、24年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算発表にあわせ、通期業績予想を見直した。今期の営業利益の見通しを200億円から215億円(前期比17.2%減)に上方修正したほか、年間配当予想も134円から142円に増額しており、買いを誘った。前期の年間配当は189円だった。今期の売上高の見通しは2800億円から2730億円(同9.3%減)に見直した。海上・航空運賃の単価が想定以上に下落し、売上高を押し下げる。半面、運賃仕入れコストのコントロールによる営業利益率の改善や、家電物流の取り扱いが想定を上回ったことなどがプラス要因となり、上期(4~9月)の業績予想を修正した。

■イリソ電子工業 <6908>  4,055円  +95 円 (+2.4%)  本日終値
 イリソ電子工業<6908>が4連騰。2日の取引終了後、24年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を見直し、経常利益の見通しを75億5000万円から82億円(前期比7.0%増)に上方修正した。経常利益は減益予想から一転して増益の計画となり、6期ぶりに最高益を更新する見込みとなったことが好感されたようだ。今期の売上高は550億円から570億円(同7.7%増)に予想を引き上げた。為替が想定よりも円安方向で推移しており、想定レートを見直して業績予想に反映させた。4~6月期の売上高は前年同期比4.8%増の124億9600万円、経常利益は同21.7%減の16億2500万円だった。車載市場向けが伸長した半面、新たな統合基幹業務システム(ERP)に関連する費用の増加が利益の圧迫要因となった。

■ジョイフル本田 <3191>  1,673円  +39 円 (+2.4%)  本日終値
 ジョイフル本田<3191>は3日ぶりに反発した。2日の取引終了後、取得総数500万株(自己株式を除く発行済み株式総数の7.67%)、取得総額50億円を上限とする自社株買いの実施を発表した。あわせて24年6月期の年間配当を前期比4円増配の50円とする計画を示しており、株主還元姿勢を評価した買いが入ったようだ。自社株の取得期間は8月7日~2024年3月20日とする。あわせて開示した24年6月期の単体業績予想は、売上高で前期比8.6%増の1340億円、最終利益で同8.5%減の78億円を見込む。

■東武鉄道 <9001>  3,900円  +87 円 (+2.3%)  本日終値
 東武鉄道<9001>は反発。1日の取引終了後、24年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表した。最終利益は前年同期比80.8%増の162億8900万円と、中間期の計画(155億円)を上回り、株価の支援材料となった。売上高は前年同期比13.2%増の1573億7500万円だった。鉄道の輸送人員の増加や、外国人観光客の増加に伴うホテルの稼働率と客単価の上昇、東京スカイツリーの入場者数の回復などが寄与した。

■東電HD <9501>  572.8円  +8.9 円 (+1.6%)  本日終値
 東京電力ホールディングス<9501>が堅調。2日の取引終了後に24年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表し、最終損益は1362億8600万円の黒字(前年同期は481億7100万円の赤字)となった。燃料価格の下落に伴い、燃料費等調整制度の期ずれ影響が好転したことが影響した。同社株は7月中旬以降、上げ足を速めて8月1日に年初来高値をつけた。決算発表直前の2日は売りが目立ったものの、4~6月期が最終黒字となったことが買い安心感をもたらしたようだ。日経平均株価が連日の大幅安となるなど、投資家のリスク許容度が低下するなかにあって、同社株のディフェンシブ性に着目する向きもあり、日足・ボリンジャーバンドのプラス1シグマを下回ったところで押し目買いが入り下げ渋った。

■五洋建設 <1893>  791.5円  +9.1 円 (+1.2%)  本日終値
 五洋建設<1893>が4連騰で800円台に乗せた。2021年5月以来、およそ2年3カ月ぶりの高値圏で推移する。2日の取引終了後、24年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比18.8%増の1272億7300万円、最終利益は同47.6%増の47億7800万円だった。大幅な増収増益となったことに加え、4~6月期の国内土木・建築事業の受注額も増加しており、買い安心感をもたらしたようだ。単体での受注額は国内土木事業で同40.0%増の478億円、国内建築事業で同15.9%増の387億円となった。海外建設事業では大型工事の受注がなく、同93.9%減の49億円となった。

■エービーシー・マート <2670>  7,745円  +71 円 (+0.9%)  本日終値
 エービーシー・マート<2670>が3日ぶりに反発した。2日の取引終了後に7月度概況について開示した。既存店売上高は前年同月比24.2%増と増収基調を継続しており、業況を好感した買いが入ったようだ。既存店の客数は同11.7%増、客単価は同11.2%増だった。全店ベースの売上高は同24.4%増となった。都心部の路面店や商業施設を中心に好調に推移した。猛暑が続いたことで夏物商品の販売が伸びたという。

■コーテクHD <3635>  2,310円  +5 円 (+0.2%)  本日終値
 コーエーテクモホールディングス<3635>が3日ぶりに反発。岩井コスモ証券は2日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに、目標株価を2700円から2900円に引き上げた。同社の第1四半期(4~6月)の連結経常利益は営業外収益として有価証券売却益を計上したこともあり前年同期比61.6%増の146億8700万円となり業績上振れ期待を高める着地となった。第2四半期以降は家庭用ゲームソフトの期待作「フェイト/サムライレムナント」などの発売効果もあり、24年3月期の同利益は会社予想の405億円(前期比1.5%増)に対して同証券では510億円への増額修正を見込んでいる。

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